ベルリンの息子から木の写真が送られてきました。木に登っていますと書いてありました。Hが登っているのかと思って、高さ何メートルと尋ねたら6~7メートルとのことでした。私が最後に息子のところを訪問してからそろそろ8年です。当時この木は2~3メ-トルの小さな木でした。 庭の変なところにあって邪魔なのではないかと尋ねたら、ベルリンの木は住民登録(?)されており、たとえ私有地に立っていてもよほどの理由があり、それが認められない限り伐採不可能とのこと。勝手に切るとかなり重い罰金が科せられるそうです。ですから、建て替えの時も木は残さなくてはならないそうです。 この写真もぼっているのはHではなく息子に見えるので上っているのは誰、あなたなのと訊くと次の写真が送られてきました。
今度は二人で登っていますとこの写真が来ました。。落下時の危険防止でしょうか下にはハンモックが!
木の写真を見て古い記憶がよみがえりました。学童保育所で働いた頃のことです。保育所は元バーベキューを営業していた土地でした。区の中心地でバス停から数分の丘の上にありました。周りは緑に囲まれ、建物の下には地主さんとその仲間の畑が広がっていました。地主さんは僕たちは子どもの頃ここで木登りをしたり、下の川で泳いだりしていました。子どもたちは自由に遊ばせてくださいと言っていました。ですから、丘陵地は自由な遊び場でした。
ある秋のことです。子どもたちは他の指導員と近くの公園に遊びに行ったはずでした。3時のおやつの準備をし外に出ると、頭の上から’先生’という女の子の声。確か台風の前触れで強い風が吹いていました。根元から2メートルぐらいのところにある木の枝に女の子が二人立ち、上の枝につかまって風の中で揺れていました。’気持ちが良い、楽しい!’と彼女たち。私は肝を冷やしました。根元から2メートルでも枝の下は畑に下る道の上にあり、実際は地面まで4メートルほどありました。私は黙って通り過ぎ、’じゃあ、またね!さきにゆくわよ!というと彼女たち、’待って!一緒に行く!’と私の狙い通りに降りてきました。それから木の下に立たせ、揺れる枝を見せながら自分たちがどれほど高いところに立っていたか、落ちたら、もしも命があっても、手足の1~2本は折れていただろうことを説明しました。それ以来他の子どもも太い幹に登っても枝には立たないよう自分たちで注意しあうようになっていました。これが私が保育所で経験した一番恐ろしい出来事です。彼女たちはもう45~6歳です。自分が何をしたか記憶にあるでしょうか。
ターザンごっご。子どもたちはターザンを知らないのでその遊びをなんと呼んでいたか知りません。保育所は丘陵の上にあり一方は崖になっていました。ほとんどは藪や灌木でがけの縁まで行けませんでした、一か所だけ地面がむき出しになっていました。そこに大きな木が枝を張りだし、太い藤蔓が下がっていました。子どもたちの歓声を聞いて行ってみるとなんと蔓にぶら下がって崖の上でブランブラン揺れて遊んでしました。崖ですから急斜面です。その数メートル下にはコンクリートの擁壁があり、擁壁の下に家々があります。落ちたらとても危険です。やめなさいというと、蔓は疎いのできれないと子どもたちは主張します。’絶対に切れないかどうか試しましょう!まず私がぶら下がっても切れないか試す。それからもし手が滑って下に落ちても大丈夫かを試す。それで大丈夫だとわかったら蔓で遊んでよいことにするからどうかと尋ねると腕白小僧たちはゴニョゴニョ相談。先生が怪我するかもしれないから蔓にぶら下がるのは止めると言ってくれました。新しい子が入ってきて蔓にぶら下がりそうになると歳の上の子が危ないと注意するので、ターザンごっごは子どもたちの遊びから消えました。また、丘の上には直径1~2メートル程の穴があり、冬休みにはみんなで落ち葉を集めてアルミホイルに包んだサツマイモを「焼いたり楽しかったです。