NTTグループが、経営の悪化を理由に退職者約14万人の確定給付企業年金を
減額する規約の変更を認めなかった国に対して、処分取り消しを求めた訴訟で、
最高裁第3小法廷(田原睦夫裁判長)は9日までに、NTT側の上告を退ける決定
をしました。これにより、NTT側敗訴の一、二審判決が確定しました。
2007年10月の一審東京地裁判決は、「企業年金の減額が許されるには、単なる
経営悪化だけでなく、企業年金廃止を避けるため次善の策としてやむを得ないと
認められることが必要」と指摘し、05年9月の変更申請当時、NTT東日本・西日本
は1千億円程度の当期利益を計上し、やむを得ない状況ではなかったと判断して
います。08年7月の二審判決も、これを支持しました。
一、二審判決によると、NTTグループは退職者の9割近い同意を得て、企業年金
の支給基準を固定する仕組みから、国債利率に連動して支給額が決まる仕組み
に移行する減額変更を決定し、05年9月に変更を申請しましたが、厚生労働省は
06年2月、経営状態の著しい悪化とは認められない、として申請を退けていました。
以上から、確定給付企業年金の減額は、単なる『経営の悪化』だけではなく、
『企業年金を減額しないと企業の存続が危うい』状態でないと認められないと解釈
できます。
22日に、このブログをアップした時、NTTがTTになっていました。
お詫びし、訂正いたします。