ビックリ仰天の結末と謳われるサスペンス映画は現在に至るまでたくさんあるが、正直なところ俺自身がそのような映画を観て驚いたことは殆んどない。なぜならそのようなオチはもう既に今回紹介する映画エンゼル・ハートで見せてくれているからだ。本作を初めて観た時はヘェ~!と驚いた。しかし、この映画を観てからは、他の映画でラストのどんでん返しを期待させられても、ア~、やっぱりね!で終了してしまう。しかし、今でもこのようなオチの作品が懲りずにドンドン出ているから、これから本作を観る人にとっては逆に驚けないかもしれない。だが本作には、西洋人の宗教観、悪魔崇拝、ブードゥ教の儀式、占いなどが薄気味悪さを感じさせるうえに、名優ロバート・デ・ニーロが登場時間は短いものの不気味な雰囲気を醸し出す。
早速だがオカルト風なサスペンスであり、ホラー的な要素も感じさせるストーリーの紹介を。
1955年、ニューヨークのブルックリンでしがない私立探偵をしているハリー・エンゼル(ミッキー・ローク)のもとに、弁護士を通じてルイ・サイファー(ロバート・デ・ニーロ)から調査依頼を受ける。それは失踪した戦前の人気歌手だったジョニーの行方を調べること。
少ない手掛かりをもとにしてジョニーのかつての知り合いを訪ねて行くのだが、なぜか出会った人間が片っ端から殺害されてしまい、迷宮入りへ追い込まれそうになるのだが・・・
水戸黄門が行くところに必ず事件が起きるように、ミッキー・ローク演じる私立探偵が出会う人物がことごとく殺されてしまう。また、殺され方がエグイ。しかも、ミッキー・ローク自身が何者かに追いかけられたりして、叩きのめされたりもする。
それでもダシール・ハメットやレイモンド・チャンドラーの推理小説に登場する私立探偵ならば、真相を知るまでトコトン追求するが、この私立探偵は途中で降りようとする。いかがわしさを感じさせる宗教、占いが絡み、やっと見つけたぜ!と思った人が、次に出会う時はひどい姿で死体になってばかり。そりゃ~降りたくなる気持ちもよくわかる。
しかし、笑えるのがロバート・デ・ニーロ演じる依頼人が、降りようとするミッキー・ロークに、頼むからジョニーを見つけてくれよ!と言いながら報酬金をドンと引き上げると、結局はカネに目が眩んでジョニー探しを続行してしまう。まあ、俺だったらどれだけカネを渡されてもやらんな。
なかなかストーリーは複雑で、日本人には理解し難い宗教が絡んだりするので、ちょっとややこしく感じられるかもしれない。でも、途中で話についていけなくなってもラストで思い出させてくれるから、意外にわかった気分になれる。そして、結末だが驚くだけでなく、当時人気絶頂で格好良くて、俺もよく似てると言われたミッキー・ロークが泣き叫ぶシーンを見ると哀切も感じさせられる。
音楽の使い方も印象的で、にわとり、扇風機、螺旋階段、エレベーターの使い方が巧みで不気味さを感じさせるし、エロシーンにおける描写も容赦なく血の雨を降らすように妥協というものが一切ない。戦前と現在、ニューヨークとニューオリンズ、俺とお前。時間、場所、人間が違うのに実はどこかでつながっていることを感じさせる構成もテクニックを感じさせる。
ありきたりのサスペンス映画には飽きた人、ちょっと不穏なムードが漂う作品が見たい人、私立探偵の仕事に憧れている人、全盛期のミッキー・ロークを観たい人等にお勧めしたい映画として今回はエンゼル・ハートをお勧めしておこう。
監督はアラン・パーカー。名作、傑作を多く残しているが、ここでは死刑制度をテーマにしたサスペンス映画ライフ・オブ・デビッド・ゲイルをお勧めとして挙げておこう。
早速だがオカルト風なサスペンスであり、ホラー的な要素も感じさせるストーリーの紹介を。
1955年、ニューヨークのブルックリンでしがない私立探偵をしているハリー・エンゼル(ミッキー・ローク)のもとに、弁護士を通じてルイ・サイファー(ロバート・デ・ニーロ)から調査依頼を受ける。それは失踪した戦前の人気歌手だったジョニーの行方を調べること。
少ない手掛かりをもとにしてジョニーのかつての知り合いを訪ねて行くのだが、なぜか出会った人間が片っ端から殺害されてしまい、迷宮入りへ追い込まれそうになるのだが・・・
水戸黄門が行くところに必ず事件が起きるように、ミッキー・ローク演じる私立探偵が出会う人物がことごとく殺されてしまう。また、殺され方がエグイ。しかも、ミッキー・ローク自身が何者かに追いかけられたりして、叩きのめされたりもする。
それでもダシール・ハメットやレイモンド・チャンドラーの推理小説に登場する私立探偵ならば、真相を知るまでトコトン追求するが、この私立探偵は途中で降りようとする。いかがわしさを感じさせる宗教、占いが絡み、やっと見つけたぜ!と思った人が、次に出会う時はひどい姿で死体になってばかり。そりゃ~降りたくなる気持ちもよくわかる。
しかし、笑えるのがロバート・デ・ニーロ演じる依頼人が、降りようとするミッキー・ロークに、頼むからジョニーを見つけてくれよ!と言いながら報酬金をドンと引き上げると、結局はカネに目が眩んでジョニー探しを続行してしまう。まあ、俺だったらどれだけカネを渡されてもやらんな。
なかなかストーリーは複雑で、日本人には理解し難い宗教が絡んだりするので、ちょっとややこしく感じられるかもしれない。でも、途中で話についていけなくなってもラストで思い出させてくれるから、意外にわかった気分になれる。そして、結末だが驚くだけでなく、当時人気絶頂で格好良くて、俺もよく似てると言われたミッキー・ロークが泣き叫ぶシーンを見ると哀切も感じさせられる。
音楽の使い方も印象的で、にわとり、扇風機、螺旋階段、エレベーターの使い方が巧みで不気味さを感じさせるし、エロシーンにおける描写も容赦なく血の雨を降らすように妥協というものが一切ない。戦前と現在、ニューヨークとニューオリンズ、俺とお前。時間、場所、人間が違うのに実はどこかでつながっていることを感じさせる構成もテクニックを感じさせる。
ありきたりのサスペンス映画には飽きた人、ちょっと不穏なムードが漂う作品が見たい人、私立探偵の仕事に憧れている人、全盛期のミッキー・ロークを観たい人等にお勧めしたい映画として今回はエンゼル・ハートをお勧めしておこう。
エンゼル・ハート [DVD] | |
ウィリアム・ヒョーツバーグ | |
パイオニアLDC |
監督はアラン・パーカー。名作、傑作を多く残しているが、ここでは死刑制度をテーマにしたサスペンス映画ライフ・オブ・デビッド・ゲイルをお勧めとして挙げておこう。