古今東西において王様とよばれる人物はたくさんいるが、俺から見ればどいつもこいつもロクでも無い奴ばかり。むしろマトモな王様を探すのが大変なぐらいだ。自分の私利私欲のために権力にしがみついている王様ばかりだし、民のために自分の命を投げうつ王様なんか殆どいない。さて、今回紹介する映画がバイエルン国王であるルードヴィッヒ二世の伝記映画であるルードヴィッヒ。バイエルン王国なんていう国は今は存在しないが、サッカーが好きな人ならわかるが、今のドイツの一部。バイエルン王国みたいに世界には吸収されたり、分裂されたりして跡形もなく消えてしまった国家が多いが、二千六百年以上も続いている日本の凄さは世界を知ることによって理解できる。
さて、今回の伝記映画の主要人物であるルードヴィッヒ二世の国王としての振る舞いはどのようなものだったのか?伝記映画といっても何処までが本当のことが描かれているのか疑ってかかる必要があるが、本作で描かれているのを見ると、多くの王様と同様にダメダメ。本作は4時間というメチャクチャ長い映画であるが、ルードヴィッヒ二世の駄目っぷりがずっと描かれ続けられている。そんな映画を観ていて本当に面白いのか不安になる人が多いと思うのだが、これが意外に退屈しないで観ることができる。駄目ネタは俺のような一般人から見れば浮世離れし過ぎて笑えてしまう。そして、映像から伝わってくる豪華絢爛さ。ド派手な画面を見ているだけでも退屈しない。
それでは狂王とよばれるルードヴィッヒ二世の謎の人生とはいったいどのようなものだったのか?できるだけ簡単にストーリーの紹介を。
1864年、ルードヴィッヒ(ヘルムート・バーガー)は18歳の若さでバイエルンの国王になる。しかし、彼は国王の仕事はそっちのけ。芸術をこよなく愛するルードヴィッヒは借金を背負って逃げ回っている有名作曲家であるワーグナー(トレバー・ハワード)のパトロンになって歌劇の上演に莫大な国費をつぎ込む。
従妹であるオーストリア皇后エリザベート(ロミー・シュナイダー)との恋にのめり込んでしまい、彼女の妹のゾフィー( ソーニャ・ペドローヴァ)との婚約が破綻したり、プロイセンとオーストリアの戦争ではオーストリア側に付くのだが、戦争中ルードヴィッヒはミュンヘンを離れてべルクの城に籠って戦わずに、弟のオットー1世(ジョン・モルダー=ブラウン)に任せっぱなし。その結果弟は神経を病んでしまう。
それ以降ルードヴィッヒは国費を更につぎ込んで豪華な城を三つも建て、しかも城に男を連れ込んで遊んでいる。すっかり城に引きこもってしまっているルードヴィッヒは更に奇行を繰り返すのだが・・・
国王としての自覚が全くなく、政治に興味がない。現実から逃避して、ひたすらファンタジーの世界に身を委ねるルードヴィッヒの生き様を見ていると、こんな俺でも国王になれるかもしれないと急に自信が湧いてきた。しかし、俺がどんなに頑張ってもルードヴィッヒに勝てないのが、カネの使いっぷり。それも国費を次々とつぎ込むのだが、お城の中に白鳥が泳いでいるのには驚いた。
本作を観て、ルードヴィッヒ二世の人生に感動する人は少ないと思うが、映像から伝わってくるパワーは確かに凄い。豪華絢爛なセット、建造物、そして重厚な音楽。映画はあらゆる芸術を超えていることが本作を観ればよくわかる。
世界史に興味がある人、ヨーロッパの王様は凄いと思っている人、芸術的な映画が好きな人、4時間という長時間を我慢できる人、ルキノ・ヴィスコンティ監督作品と聞いて心が躍る人・・・等に今回は映画ルードヴィッヒをお勧めに挙げておこう。
監督は前述した貴族の末裔であるルキノ・ヴィスコンティ。本作を観れば貴族というのはカネを持っているんだな~と感じます。多くの名作を世に送り出した映画史上において最も重要な映画監督の1人。彼のお勧めは個人的にはアラン・ドロン主演の若者のすべて、アリダ・ヴァリ主演の女の執念が凄い夏の嵐が良いです。
さて、今回の伝記映画の主要人物であるルードヴィッヒ二世の国王としての振る舞いはどのようなものだったのか?伝記映画といっても何処までが本当のことが描かれているのか疑ってかかる必要があるが、本作で描かれているのを見ると、多くの王様と同様にダメダメ。本作は4時間というメチャクチャ長い映画であるが、ルードヴィッヒ二世の駄目っぷりがずっと描かれ続けられている。そんな映画を観ていて本当に面白いのか不安になる人が多いと思うのだが、これが意外に退屈しないで観ることができる。駄目ネタは俺のような一般人から見れば浮世離れし過ぎて笑えてしまう。そして、映像から伝わってくる豪華絢爛さ。ド派手な画面を見ているだけでも退屈しない。
それでは狂王とよばれるルードヴィッヒ二世の謎の人生とはいったいどのようなものだったのか?できるだけ簡単にストーリーの紹介を。
1864年、ルードヴィッヒ(ヘルムート・バーガー)は18歳の若さでバイエルンの国王になる。しかし、彼は国王の仕事はそっちのけ。芸術をこよなく愛するルードヴィッヒは借金を背負って逃げ回っている有名作曲家であるワーグナー(トレバー・ハワード)のパトロンになって歌劇の上演に莫大な国費をつぎ込む。
従妹であるオーストリア皇后エリザベート(ロミー・シュナイダー)との恋にのめり込んでしまい、彼女の妹のゾフィー( ソーニャ・ペドローヴァ)との婚約が破綻したり、プロイセンとオーストリアの戦争ではオーストリア側に付くのだが、戦争中ルードヴィッヒはミュンヘンを離れてべルクの城に籠って戦わずに、弟のオットー1世(ジョン・モルダー=ブラウン)に任せっぱなし。その結果弟は神経を病んでしまう。
それ以降ルードヴィッヒは国費を更につぎ込んで豪華な城を三つも建て、しかも城に男を連れ込んで遊んでいる。すっかり城に引きこもってしまっているルードヴィッヒは更に奇行を繰り返すのだが・・・
国王としての自覚が全くなく、政治に興味がない。現実から逃避して、ひたすらファンタジーの世界に身を委ねるルードヴィッヒの生き様を見ていると、こんな俺でも国王になれるかもしれないと急に自信が湧いてきた。しかし、俺がどんなに頑張ってもルードヴィッヒに勝てないのが、カネの使いっぷり。それも国費を次々とつぎ込むのだが、お城の中に白鳥が泳いでいるのには驚いた。
本作を観て、ルードヴィッヒ二世の人生に感動する人は少ないと思うが、映像から伝わってくるパワーは確かに凄い。豪華絢爛なセット、建造物、そして重厚な音楽。映画はあらゆる芸術を超えていることが本作を観ればよくわかる。
世界史に興味がある人、ヨーロッパの王様は凄いと思っている人、芸術的な映画が好きな人、4時間という長時間を我慢できる人、ルキノ・ヴィスコンティ監督作品と聞いて心が躍る人・・・等に今回は映画ルードヴィッヒをお勧めに挙げておこう。
ルートヴィヒ 復元完全版 デジタル・ニューマスター [DVD] | |
ヘルムート・バーガー,ロミー・シュナイダー,トレヴァー・ハワード,シルバーナ・マンガーノ,ヘルムート・グリーム | |
紀伊國屋書店 |
監督は前述した貴族の末裔であるルキノ・ヴィスコンティ。本作を観れば貴族というのはカネを持っているんだな~と感じます。多くの名作を世に送り出した映画史上において最も重要な映画監督の1人。彼のお勧めは個人的にはアラン・ドロン主演の若者のすべて、アリダ・ヴァリ主演の女の執念が凄い夏の嵐が良いです。