史上最低の大統領選挙を経て、いよいよトランプ新大統領が動きだした。就任していきなり早々に全米各地で反対デモが起こるなど厳しい船出になったが、果たして彼はアメリカ国民に恩恵をもたらすのか、そして日米関係を含む世界秩序にどのような変化をもたらすのか
トランプ新大統領及び昨年の大統領選挙を見ていて、直ぐに頭に浮かぶ映画が今回紹介するボブ★ロバーツ/陰謀が生んだ英雄。しかもノーベル文学賞をミュージシャンのボブ・ディランが受賞したとなれば、尚更この映画を今の時期に紹介したくなってしまう。
映画自体は大統領選挙ではなく、上院議員選挙を描いているようにスケールダウンするが、本作の主人公はけっこうトランプ大統領と似ているところが多い。例えばウヨクチックな思想を持ち、億万長者であり、ポピュリズム運動で巧みに一般ピープルを洗脳する。しかし、この映画の価値を見い出すのは主人公のキャラクター振りではなく、選挙戦の行方と結末。観ている我々に民主主義の正しいあり方を考えさせるストーリーとは如何なるものか。
1990年、湾岸戦争前において。弱冠35歳にしてスター歌手にまで上り詰めたボブ・ロバーツ(ティム・ロビンス)がペンシルヴァニア州の上院議員選挙に立候補する。ボブ・ロバーツは選挙参謀にチェット・マクレガー(レイ・ワイズや、私的政治団体を主宰するルーカス・ハート三世(アラン・リックマン)を仲間に引き入れ選挙戦を展開する。
当初はセンセーショナルな話題も手伝って現職候補を相手に善戦。そしてマスコミが現職のスキャンダルを報道したこともあり、中間調査で逆転。しかし、黒人ジャーナリストがボブ・ロバーツ及び、その周辺の過去を暴きたて、再逆転を許してしまうのだが・・・
実はボブ・ロバーツのキャラクター設定が凄い。前述した以外にフェンシングの名手であり、麻薬撲滅を訴える運動家であり、投資家であり、CIAとも関係していたり、そしてギターを弾く歌手。お前は一体何者なんだよ!と思えてしまうが、案外観ている最中はティム・ロビンスの外見が周りにもいそうな雰囲気を漂わせているから突出した人間には見えないのが良い。
しかし、こういうブラックな政治映画を観ると、我々有権者は普段から政治に興味を持つことが大切だと感じる。メディアだけの情報をうのみにして投票すると、とんでもない人間をリーダーに選んでしまうことの怖さを本作から少しは学べる。
ドキュメンタリータッチの構成に少々取っ付きにくい面もあるが、政治映画として学ぶべき点が多くある映画。20年以上前の映画ではあるが、まさに今こそうってつけの映画として今回はボブ★ロバーツ/陰謀が生んだ英雄を紹介しておこう
監督は主演も兼ねるティム・ロビンス。監督としては死刑制度の是非を問うデッドマン・ウォーキングがお勧め。
トランプ新大統領及び昨年の大統領選挙を見ていて、直ぐに頭に浮かぶ映画が今回紹介するボブ★ロバーツ/陰謀が生んだ英雄。しかもノーベル文学賞をミュージシャンのボブ・ディランが受賞したとなれば、尚更この映画を今の時期に紹介したくなってしまう。
映画自体は大統領選挙ではなく、上院議員選挙を描いているようにスケールダウンするが、本作の主人公はけっこうトランプ大統領と似ているところが多い。例えばウヨクチックな思想を持ち、億万長者であり、ポピュリズム運動で巧みに一般ピープルを洗脳する。しかし、この映画の価値を見い出すのは主人公のキャラクター振りではなく、選挙戦の行方と結末。観ている我々に民主主義の正しいあり方を考えさせるストーリーとは如何なるものか。
1990年、湾岸戦争前において。弱冠35歳にしてスター歌手にまで上り詰めたボブ・ロバーツ(ティム・ロビンス)がペンシルヴァニア州の上院議員選挙に立候補する。ボブ・ロバーツは選挙参謀にチェット・マクレガー(レイ・ワイズや、私的政治団体を主宰するルーカス・ハート三世(アラン・リックマン)を仲間に引き入れ選挙戦を展開する。
当初はセンセーショナルな話題も手伝って現職候補を相手に善戦。そしてマスコミが現職のスキャンダルを報道したこともあり、中間調査で逆転。しかし、黒人ジャーナリストがボブ・ロバーツ及び、その周辺の過去を暴きたて、再逆転を許してしまうのだが・・・
実はボブ・ロバーツのキャラクター設定が凄い。前述した以外にフェンシングの名手であり、麻薬撲滅を訴える運動家であり、投資家であり、CIAとも関係していたり、そしてギターを弾く歌手。お前は一体何者なんだよ!と思えてしまうが、案外観ている最中はティム・ロビンスの外見が周りにもいそうな雰囲気を漂わせているから突出した人間には見えないのが良い。
しかし、こういうブラックな政治映画を観ると、我々有権者は普段から政治に興味を持つことが大切だと感じる。メディアだけの情報をうのみにして投票すると、とんでもない人間をリーダーに選んでしまうことの怖さを本作から少しは学べる。
ドキュメンタリータッチの構成に少々取っ付きにくい面もあるが、政治映画として学ぶべき点が多くある映画。20年以上前の映画ではあるが、まさに今こそうってつけの映画として今回はボブ★ロバーツ/陰謀が生んだ英雄を紹介しておこう
ボブ★ロバーツ (ユニバーサル・セレクション第2弾) 【初回生産限定】 [DVD] | |
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監督は主演も兼ねるティム・ロビンス。監督としては死刑制度の是非を問うデッドマン・ウォーキングがお勧め。