俺なんかは仕事が嫌いで楽しいことばかりして人生を過ごしたいと思い続けて生きてきたのだが、既に人生の半ばを過ぎてしまった。時々、趣味が仕事という羨ましい人に出会うことがあるが、多くの人は俺と同じく仕事前は鬱状態に陥ってしまっている人が多いだろう!って、そんなことは無いっか。
俺の人生、カネは無くても良いから、とにかく自由に振る舞い、自分の好きなことに没頭したい。そんな俺の理想とする生活を体現している、ある一家を見ることができるのが今回紹介する映画我が家の楽園。ロクに仕事もしていない集まりの一家のストーリーを見せられているだけなら、ますます怠惰な自分が助長させられてしまいそう。しかし、本作が優れているのが、この一家の対極の存在として、他人を蹴り落してまで、金儲けを企む強欲の大富豪が居ることが挙げられる。
現代社会は世界のルールを無視して、ひたすら金儲けに走る拝金主義者達が蔓延っている。世界だけでなく、俺の周りにも市民のために役に立たないどころか、俺からすれば迷惑的にお金を欲している愚劣な政治家が居たりする。
さて、1938年というとてつもなく古い映画だが、現代人が見失っている物を思い出させるストーリーとは如何なるものか。
軍需産業、銀行・・・等を経営しているガービー社長(エドワード・アーノルド)は更に自らの会社を大きくするためにライバル会社を叩くべく、相手工場の周辺の土地を買収するために、そこの住人達に立ち退きを迫るのだが、ある一家だけが頑なに拒んでいた。
ガービーの息子であり副社長であるトニー(ジェームズ・スチュワート)は、それほど会社のことについては熱心ではなく、秘書のアリス(ジーン・アーサー)を愛しており、彼女と遊ぶことに気が向いていた。
そんなある日のこと、トニーはアリスの家に行くことになる。そこでトニーは驚く光景を目にする。アリスのお祖父さんであるヴィンダーホフ老人(ライオネル・バリモア)を中心に、そこにいる人達はとても個性的で、自分の好きなことをして楽しんでいる人ばかり。ここの住人達に対して好意的になっていくトニーだったが、実はこの一家こそ頑なに立ち退きを拒んでいる一家だったのだが・・・
勧善懲悪のストーリー展開だと大して奥深さが無いと思われてしまうことがあるが、本作に関しては当時の社会情勢に対する風刺が効いていて、なかなか興味深い点があった。それでいて全体的にユーモアがあるので、堅苦しさなんか全くなく、俺自身はけっこう笑えた。
好きなことばかりやっているこの一家を見ていると、アレやコレやで悩んでいることが馬鹿らしくなる。世界だけでなく俺の周囲を見渡しても、宗教、人種、性別、思想、政治、利権の対立が無くならないどころか、嘆かわしいことに新たに生まれてしまったりする。しかし、ライオネル・バリモア演じるヴァンダーホフ老人の態度はそんな対立を軽々と超えてしまっている。あらゆる人種の人を向かい入れ、アナーキズムの考え方は思想、政治の対立をぶっ飛ばす。
この老人を見ていると、決して金持ちになることが幸せなのではないことがわかるし、本当に大切な物とは何なのかが理解できる。今、このブログを読んでいる人はその場で周りを見渡してみよう。そうすれば大切な物がたくさん見つかるはずだ。
脚本が良いからなのかストーリー展開は良いし、個性的なキャラクター達は楽しいし、途中でドカンと爆発シーンがあったりするが、そこからの流れは熟練のテクニックを感じさせる。そして何と言っても笑いと感動の両方が味わえるのが良い。しかし、俺が本作において最も共感できるのは、人助けするのにお金なんかは必要ではないというメッセージ。特に議員と呼ばれる職業に就いている人の中に、大きく勘違いしている奴が居るが、議員報酬をもらい、政治資金を集めないと困っている人や貧しい人を助けられないと思っている馬鹿がいる。ちなみに俺なんかは自分でも気づいていないのだが、けっこう困っている人を助けてきたらしい。そんな俺こそ私利私欲には全く縁の無い人間なのだ、なんて自分で言ってしまっているが大丈夫かよ、オレ。
ストーリー性を重視する人、人助けよりもお金に興味がある人、笑えて感動できる映画を観たい人、金持ちが嫌いな人、もっと趣味に費やす時間が欲しいと思っている人、名匠フランク・キャプラ監督の名人芸を堪能したい人・・・等などに今回は我が家の楽園をお勧めとしておこう。
監督は多くの傑作を遺してきたフランク・キャプラ。お勧めはクリスマスの日には観たくなる素晴らしき哉、人生!、ロマンチックコメディの大傑作或る夜の出来事、純粋な主人公に感動するオペラハット、ブラックユーモアをふんだんに取り入れた異色サスペンス毒薬と老嬢が良いです。
俺の人生、カネは無くても良いから、とにかく自由に振る舞い、自分の好きなことに没頭したい。そんな俺の理想とする生活を体現している、ある一家を見ることができるのが今回紹介する映画我が家の楽園。ロクに仕事もしていない集まりの一家のストーリーを見せられているだけなら、ますます怠惰な自分が助長させられてしまいそう。しかし、本作が優れているのが、この一家の対極の存在として、他人を蹴り落してまで、金儲けを企む強欲の大富豪が居ることが挙げられる。
現代社会は世界のルールを無視して、ひたすら金儲けに走る拝金主義者達が蔓延っている。世界だけでなく、俺の周りにも市民のために役に立たないどころか、俺からすれば迷惑的にお金を欲している愚劣な政治家が居たりする。
さて、1938年というとてつもなく古い映画だが、現代人が見失っている物を思い出させるストーリーとは如何なるものか。
軍需産業、銀行・・・等を経営しているガービー社長(エドワード・アーノルド)は更に自らの会社を大きくするためにライバル会社を叩くべく、相手工場の周辺の土地を買収するために、そこの住人達に立ち退きを迫るのだが、ある一家だけが頑なに拒んでいた。
ガービーの息子であり副社長であるトニー(ジェームズ・スチュワート)は、それほど会社のことについては熱心ではなく、秘書のアリス(ジーン・アーサー)を愛しており、彼女と遊ぶことに気が向いていた。
そんなある日のこと、トニーはアリスの家に行くことになる。そこでトニーは驚く光景を目にする。アリスのお祖父さんであるヴィンダーホフ老人(ライオネル・バリモア)を中心に、そこにいる人達はとても個性的で、自分の好きなことをして楽しんでいる人ばかり。ここの住人達に対して好意的になっていくトニーだったが、実はこの一家こそ頑なに立ち退きを拒んでいる一家だったのだが・・・
勧善懲悪のストーリー展開だと大して奥深さが無いと思われてしまうことがあるが、本作に関しては当時の社会情勢に対する風刺が効いていて、なかなか興味深い点があった。それでいて全体的にユーモアがあるので、堅苦しさなんか全くなく、俺自身はけっこう笑えた。
好きなことばかりやっているこの一家を見ていると、アレやコレやで悩んでいることが馬鹿らしくなる。世界だけでなく俺の周囲を見渡しても、宗教、人種、性別、思想、政治、利権の対立が無くならないどころか、嘆かわしいことに新たに生まれてしまったりする。しかし、ライオネル・バリモア演じるヴァンダーホフ老人の態度はそんな対立を軽々と超えてしまっている。あらゆる人種の人を向かい入れ、アナーキズムの考え方は思想、政治の対立をぶっ飛ばす。
この老人を見ていると、決して金持ちになることが幸せなのではないことがわかるし、本当に大切な物とは何なのかが理解できる。今、このブログを読んでいる人はその場で周りを見渡してみよう。そうすれば大切な物がたくさん見つかるはずだ。
脚本が良いからなのかストーリー展開は良いし、個性的なキャラクター達は楽しいし、途中でドカンと爆発シーンがあったりするが、そこからの流れは熟練のテクニックを感じさせる。そして何と言っても笑いと感動の両方が味わえるのが良い。しかし、俺が本作において最も共感できるのは、人助けするのにお金なんかは必要ではないというメッセージ。特に議員と呼ばれる職業に就いている人の中に、大きく勘違いしている奴が居るが、議員報酬をもらい、政治資金を集めないと困っている人や貧しい人を助けられないと思っている馬鹿がいる。ちなみに俺なんかは自分でも気づいていないのだが、けっこう困っている人を助けてきたらしい。そんな俺こそ私利私欲には全く縁の無い人間なのだ、なんて自分で言ってしまっているが大丈夫かよ、オレ。
ストーリー性を重視する人、人助けよりもお金に興味がある人、笑えて感動できる映画を観たい人、金持ちが嫌いな人、もっと趣味に費やす時間が欲しいと思っている人、名匠フランク・キャプラ監督の名人芸を堪能したい人・・・等などに今回は我が家の楽園をお勧めとしておこう。
我が家の楽園 [DVD] | |
ジェームズ・スチュワート,エドワード・アーノルド | |
ファーストトレーディング |
監督は多くの傑作を遺してきたフランク・キャプラ。お勧めはクリスマスの日には観たくなる素晴らしき哉、人生!、ロマンチックコメディの大傑作或る夜の出来事、純粋な主人公に感動するオペラハット、ブラックユーモアをふんだんに取り入れた異色サスペンス毒薬と老嬢が良いです。