タイトル名だけなら歴代の中でも人気のある元アメリカ大統領を想像してしまいそうになるが、全く関係ない。だいたい弁護士が主人公の映画となると、正義感に溢れた熱血漢というのがよくあるキャラクター設定。しかし、今回紹介する映画リンカーン弁護士の主人公は、金払いが良ければ相手を選ばず依頼を引き受ける男。裁判まで持ち込まずに司法取引で犯した罪を軽くしてやるのが得意の刑事専門の弁護士だ。そして、この弁護士が普通とは違うのが、事務所を構えないで、愛車リンカーンの後部座席を事務所代わりに使っていること。ロサンゼルス中の裁判所をリンカーンで駆け回り、カネになる仕事を探し回っている。実はタイトル名はココからきている。・
この弁護士はちょっとワルなグループと付き合っていたり、法律スレスレのところで上手く立ち回っていたりで、個人的にはあまり共感できない。しかし、本作が面白くなるのは、今までよりも抜群に金払いの良い依頼人が現れてから。弁護士と依頼人の間には秘匿特権があるのだが、それはどういうものかと説明しておくと彼らの話の中味は裁判の証拠から外される権利の事。この秘匿特権という設定のおかげで、非常にスリルのあるストーリーが出来上がった。
法廷映画の中でも特にエンタメなストーリーの紹介を
今日もリンカーンを乗り回してロサンゼルス中の裁判所を回りながら仕事を探していたミック(マシュー・マコノヒー)は、知り合いからカネになる仕事を紹介される。それは金持ちのドラ息子であるルイス(ライアン・フィリップ)が女性をレイプ及び暴行の容疑をかけられた弁護をすること。
いつもと同じようにミックは司法取引で済まそうとするが、あくまでも自分は嵌められたんだと無実を訴えるルイスは早く裁判で決着をつけることを望む。ミックは調査員で友人であるフランク(ウィリアム・H・メイシー)の協力を得て事件の真相を探っていこうとする。その過程においてミックは今回の事件が、彼が過去に担当していた事件と酷似していることに気付き・・・!
ミックが依頼人のルイスに「あの時の強姦殺人事件の犯人はお前だったんだな?」と問いかけると、あっさり「あ~俺だよ」と認めてしまう。弁護士の誇りと信念がズタズタに崩れていく瞬間だ。あの時、無実を主張していた別の依頼人に対して「このままだと裁判をしてもお前は死刑になるから、自分が殺したと自白しろ」と迫り、そして終身刑までに罪を軽くしてやったことに鼻高々だったのに、事実を知ってしまうとこれは相当にショックだ。
すっかりネタ晴らしをしてしまったような書き方をしてしまったが、本作のハイライトは前述したようにここから。ミックは依頼人の無罪を勝ち取ろうとしながら、過去の事件で殺人の罪を被せようと相反することを同時に成立させようとする。このアイデアが面白い。しかも、ルイス側も殺人を厭わない手段を使ってくるからミックも何かとピンチに陥ったりする過程がスリルを盛り上げてくれる。
弁護士と依頼人の心理戦を含めたバトルは楽しいし、意外性のある結末が良い。キャスト陣もちょっとばかし豪華なメンバーを揃えていたりするが、一切の無駄使いが無いのもポイントが高い。更に観終わった後に気持ち良く感じられるのも良い。法廷映画と聞くと少し委縮してしまう人も居ると思うが、オープニングの音楽とリンカーンの車が格好良く使われているので最初から惹きつけれる。
司法関係の人が観ると色々とツッコミどころがあるのかもしれないが、法律に疎く、アメリカの司法制度がよくわかっていない俺のような人間には大いに楽しめる。社会派よりもエンタメ志向が非常に好ましく思えるリンカーン弁護士を今回はお勧め映画に挙げておこう。
監督はブラッド・ファーマン。実話を基にした麻薬捜査官の戦いを描いた潜入者が面白いです。
この弁護士はちょっとワルなグループと付き合っていたり、法律スレスレのところで上手く立ち回っていたりで、個人的にはあまり共感できない。しかし、本作が面白くなるのは、今までよりも抜群に金払いの良い依頼人が現れてから。弁護士と依頼人の間には秘匿特権があるのだが、それはどういうものかと説明しておくと彼らの話の中味は裁判の証拠から外される権利の事。この秘匿特権という設定のおかげで、非常にスリルのあるストーリーが出来上がった。
法廷映画の中でも特にエンタメなストーリーの紹介を
今日もリンカーンを乗り回してロサンゼルス中の裁判所を回りながら仕事を探していたミック(マシュー・マコノヒー)は、知り合いからカネになる仕事を紹介される。それは金持ちのドラ息子であるルイス(ライアン・フィリップ)が女性をレイプ及び暴行の容疑をかけられた弁護をすること。
いつもと同じようにミックは司法取引で済まそうとするが、あくまでも自分は嵌められたんだと無実を訴えるルイスは早く裁判で決着をつけることを望む。ミックは調査員で友人であるフランク(ウィリアム・H・メイシー)の協力を得て事件の真相を探っていこうとする。その過程においてミックは今回の事件が、彼が過去に担当していた事件と酷似していることに気付き・・・!
ミックが依頼人のルイスに「あの時の強姦殺人事件の犯人はお前だったんだな?」と問いかけると、あっさり「あ~俺だよ」と認めてしまう。弁護士の誇りと信念がズタズタに崩れていく瞬間だ。あの時、無実を主張していた別の依頼人に対して「このままだと裁判をしてもお前は死刑になるから、自分が殺したと自白しろ」と迫り、そして終身刑までに罪を軽くしてやったことに鼻高々だったのに、事実を知ってしまうとこれは相当にショックだ。
すっかりネタ晴らしをしてしまったような書き方をしてしまったが、本作のハイライトは前述したようにここから。ミックは依頼人の無罪を勝ち取ろうとしながら、過去の事件で殺人の罪を被せようと相反することを同時に成立させようとする。このアイデアが面白い。しかも、ルイス側も殺人を厭わない手段を使ってくるからミックも何かとピンチに陥ったりする過程がスリルを盛り上げてくれる。
弁護士と依頼人の心理戦を含めたバトルは楽しいし、意外性のある結末が良い。キャスト陣もちょっとばかし豪華なメンバーを揃えていたりするが、一切の無駄使いが無いのもポイントが高い。更に観終わった後に気持ち良く感じられるのも良い。法廷映画と聞くと少し委縮してしまう人も居ると思うが、オープニングの音楽とリンカーンの車が格好良く使われているので最初から惹きつけれる。
司法関係の人が観ると色々とツッコミどころがあるのかもしれないが、法律に疎く、アメリカの司法制度がよくわかっていない俺のような人間には大いに楽しめる。社会派よりもエンタメ志向が非常に好ましく思えるリンカーン弁護士を今回はお勧め映画に挙げておこう。
監督はブラッド・ファーマン。実話を基にした麻薬捜査官の戦いを描いた潜入者が面白いです。