かつては米ソ冷戦時代の象徴であったドイツを東西に隔てたベルリンの壁。今ではそんなベルリンの壁は壊され、1990年に東西ドイツは統合。西ドイツは民主主義、東ドイツは社会主義の国家体制も統合されたドイツは新しく民主主義として再出発をしたのは、皆さんご存知の通り。そんな時代背景を通して、元々東ドイツ側だった家族の絆を描いた映画が今回紹介するグッバイ、レーニン!。タイトル名はソビエト連邦の初代指導者であり、社会主義を推し進めたウラジミール・レーニンのことを指す。
米ソ冷戦、民主主義VS社会主義なんていうのはベルリンの壁崩壊によって決着がつき、平和への道が開けたと思われていたが、今の混沌とした時代を見ると再び時代はあの時のような時代に戻ってしまったのかと悲しくなったりする。
さて、ベルリンの壁崩壊の前後の時代を通して、東ドイツ側だった家族の絆をどことなくユーモアを持って描かれたストーリーの紹介を。
東ドイツの東ベルリンに住むケルナー一家だが、青年のアレクサンダー(ダニエル・ブニュール)の父は西ドイツへ逃亡してしまい、そのショックで母親のクリスティアーネ(カトリーン・ザース)は精神に異常をきたしてしまう。しかし、そこからクリスティーネは回復し、今までのショックを取り戻すかのように社会主義活動の運動を猛烈に開始する。
ある日のことアレクサンダーは東ベルリンの壁付近で反体制デモに参加していたのだが、偶然にもその様子を見かけたクリスティーネは息子がデモに参加していたことに再度ショックに陥り、心臓発作でその場で倒れて意識不明の重体になる。アレクサンダーは医者から母親の意識は回復しないだろうと宣言され、もしも意識が回復したとしても再度ショックを受けるような事があれば、今度こそ命を落とすだろうと言われる。
母親のクリスティーネが昏睡状態に陥っている間にベルリンの壁は崩壊し、東ドイツ側の方も次々と資本主義化してしまうのだが、昏睡状態から8カ月後に奇跡的にクリスティーネは意識が戻る。しかし、今の東ドイツの状況を知ったら再度クリスティーネはショックを受けて、今度こそ本当に命を落としてしまうことを悟っているアレクサンダー。彼は母親に死なれないためにあらゆる手段を使って、東ドイツの社会主義体制が存続しているように見せかけるのだが、皮肉なことに時代は猛烈なスピードで次々に東ドイツに資本主義が入ってきてしまい・・・
息子のアレクサンダーの母親のクリスティーネに対する愛情を感じさせる映画。とにかく母親のために嘘やハッタリ、デッチ上げを行って東ドイツがまだ社会主義体制がバリバリに存続しているように見せかけようとするのだが、誰が見てもバレるのは時間の問題だというのは理解できるのだが、それでも必死になっているアレクサンダーの行動はけっこう笑える。嘘をつけばつくほどピンチに陥っている様子が、あの人のことを思い出させる。しかし、嘘をつくのなら自分の名誉のためではなく、困っている人を助けるために嘘をつけ。
しかし、そんな必死になっているアレクサンダーの周囲の人達の優しい気持ちが、本作では描かれているのが非常に秀逸。その中でも印象的だったのはアレクサンダーの恋人であるソ連からやってきた看護婦の交換留学生であるララ(チュルパン・ハマートヴァ)の最後の方でのある行動。この行動によって自らの嘘に苦しんでいるアレクサンダーのみならず、悩み傷ついている他の登場人物達までもが助かることになる展開が抜群だ。
そして、タイトル名に使われているレーニンだが意外な形で登場する。少々生温い展開が続くが、ここで緊張感を走らす演出があっ晴れ過ぎて感心してしまった。色々と名作に対するオマージュが捧げられているのも楽しいし、息子の母親に対する思いだけでなく、母親の息子に対する思いも感じられる。最近は人間の心が腐っているのか思えるような出来事が世界、そして日本にも多く乱発しているが、少しぐらいは穏やかな気持ちになりたいと願う人に今回は映画グッバイ、レーニン!をお勧めとして挙げておこう
米ソ冷戦、民主主義VS社会主義なんていうのはベルリンの壁崩壊によって決着がつき、平和への道が開けたと思われていたが、今の混沌とした時代を見ると再び時代はあの時のような時代に戻ってしまったのかと悲しくなったりする。
さて、ベルリンの壁崩壊の前後の時代を通して、東ドイツ側だった家族の絆をどことなくユーモアを持って描かれたストーリーの紹介を。
東ドイツの東ベルリンに住むケルナー一家だが、青年のアレクサンダー(ダニエル・ブニュール)の父は西ドイツへ逃亡してしまい、そのショックで母親のクリスティアーネ(カトリーン・ザース)は精神に異常をきたしてしまう。しかし、そこからクリスティーネは回復し、今までのショックを取り戻すかのように社会主義活動の運動を猛烈に開始する。
ある日のことアレクサンダーは東ベルリンの壁付近で反体制デモに参加していたのだが、偶然にもその様子を見かけたクリスティーネは息子がデモに参加していたことに再度ショックに陥り、心臓発作でその場で倒れて意識不明の重体になる。アレクサンダーは医者から母親の意識は回復しないだろうと宣言され、もしも意識が回復したとしても再度ショックを受けるような事があれば、今度こそ命を落とすだろうと言われる。
母親のクリスティーネが昏睡状態に陥っている間にベルリンの壁は崩壊し、東ドイツ側の方も次々と資本主義化してしまうのだが、昏睡状態から8カ月後に奇跡的にクリスティーネは意識が戻る。しかし、今の東ドイツの状況を知ったら再度クリスティーネはショックを受けて、今度こそ本当に命を落としてしまうことを悟っているアレクサンダー。彼は母親に死なれないためにあらゆる手段を使って、東ドイツの社会主義体制が存続しているように見せかけるのだが、皮肉なことに時代は猛烈なスピードで次々に東ドイツに資本主義が入ってきてしまい・・・
息子のアレクサンダーの母親のクリスティーネに対する愛情を感じさせる映画。とにかく母親のために嘘やハッタリ、デッチ上げを行って東ドイツがまだ社会主義体制がバリバリに存続しているように見せかけようとするのだが、誰が見てもバレるのは時間の問題だというのは理解できるのだが、それでも必死になっているアレクサンダーの行動はけっこう笑える。嘘をつけばつくほどピンチに陥っている様子が、あの人のことを思い出させる。しかし、嘘をつくのなら自分の名誉のためではなく、困っている人を助けるために嘘をつけ。
しかし、そんな必死になっているアレクサンダーの周囲の人達の優しい気持ちが、本作では描かれているのが非常に秀逸。その中でも印象的だったのはアレクサンダーの恋人であるソ連からやってきた看護婦の交換留学生であるララ(チュルパン・ハマートヴァ)の最後の方でのある行動。この行動によって自らの嘘に苦しんでいるアレクサンダーのみならず、悩み傷ついている他の登場人物達までもが助かることになる展開が抜群だ。
そして、タイトル名に使われているレーニンだが意外な形で登場する。少々生温い展開が続くが、ここで緊張感を走らす演出があっ晴れ過ぎて感心してしまった。色々と名作に対するオマージュが捧げられているのも楽しいし、息子の母親に対する思いだけでなく、母親の息子に対する思いも感じられる。最近は人間の心が腐っているのか思えるような出来事が世界、そして日本にも多く乱発しているが、少しぐらいは穏やかな気持ちになりたいと願う人に今回は映画グッバイ、レーニン!をお勧めとして挙げておこう