ギャング、マフィアを主人公にした映画は数え切れないぐらいあるが、そんな中でもかなり突き抜けたキャラクター振りを見ることができる映画が今回紹介する白熱だ。
凶暴、非道で、見た目とは裏腹に意外に頭がきれる。それだけなら普通に色々なマフィア映画で見られる主人公と変わらないが、ジェームズ・ギャグニー演じるギャングの主人公は時々激しい頭痛に襲われるマザコンという素っ頓狂な設定。頭痛持ちになってしまった理由も、きちんと知らされるが個人的には、そんなことあるのか?と笑えた。
そしてマザコン振りについては、まるで仲間を信用せず、とても美人な奥さんであるヴァージニア・メイヨに対してはいつ俺を裏切るのかと疑っているくせに、母親の言うことには絶対的な信頼を置いており、とても従順。
少しでも気に食わないことがあると、とても美人な奥さんであるヴァージニア・メイヨに対してでも蹴りを入れるのに、母親の言うことには元々意見が反対でも何の迷いも無く従ってしまう。
そして母親もどうやら息子に対して、小さい頃からギャングの心構えについての英才教育を行っていたようで、たびたび息子に対して「世界一になるのよ」と説教をするそれに対してギャグニー自身も「うん、わかった」と真剣に応えるのだが、俺の頭では何の世界一なのか、さっぱりわからなかった。
世界一の金持ちになることなのか?世界一たくさん人を殺すことなのか?世界一のモテモテになることなのか?
さて、凶悪でマザコン男のギャングが主人公の映画とは、どのようなストーリーなのか。
カリフォルニア州境にて、コーディー(ジェームズ・ギャグニー)率いるギャング団は列車を止めて、乗務員を殺害して、現金30万ドルを強奪する。
その後、コーディー(ギャグイーニー)達は母のマー(マーガレット・ウィンチェリー)や恋人のバーナ(ヴァージニア・メイヨ)達がいる山奥の隠れ家で、ほとぼりが冷めるまで滞在することにしていた。しかし、やがて捜査班が迫ったきたことに感づき重傷を負っている仲間は放って置いて、一足早く逃げる。
ロサンゼルスのホテルに隠れていたコーディー(ギャグニー)達だったが、そのホテルも財務省防犯課のエヴァンスに突き止められコーディー(ギャグニー)達は再び逃走するのだが、彼らの追及から免れることが困難だと悟ったコーディー(ギャグニー)は、列車強盗で犯した強盗殺人で捕まったのでは死刑が免れないために、同じ日に起こった別の場所のホテルの強盗の事件の犯人として自首して、自ら刑務所に入る。
せいぜい二年間を刑務所で我慢して出所すれば良いという考えだったが、コーディー(ギャグニー)の考えを察知しているエヴァンスは刑務所に、秘密捜査官としてファロン(エドモンド・オブライエン)をコーディー(ギャグニー)と同じ監房に潜入させる。
暫くは刑務所内でも上手くやっていたコーディー(ギャグニー)だったが、次第に歯車が狂ってくる。コーディー(ギャグニー)が刑務所に入っている期間は、母のマー(ウィンチェリー)がボスとしてギャング団を束ねるはずが、ビッグ・エド(スティーヴ・コクラン)がボスの座を狙い始め、さらにエド(コクラン)とバーナ(メイヨ)はデキてしまい。そして母のマー(ウィンチェリー)がエド(コクラン)に殺害されてしまった事を刑務所内でコーディー(ギャグニー)は耳に入れる。
コーディー(ギャグニー)は再度、強烈な頭痛に襲われながらも、脱獄してエド(コクラン)に復讐することを決意するのだが・・・
度々やってくる頭痛が起こるシーンはかなりのド迫力。このシーンを見ると頭痛持ちのキャラクターと聞いて笑ってた人も凍りついてしまう。凶暴な人間が頭痛で転げ回っているシーンは本当に怖い、怖い。
そして、ヴァージニア・メイヨの悪女ぶりが凄い。とにかく拝金主義に陥った人間の浅ましさを感じることが出来る人間像が描かれている。
大雑把なイメージのあるハリウッド映画だが、なかなか丁寧に作られた印象がある。母のマー(ウィンチェリー)を捜査官が車で追跡するシーンは非常に印象的。主役だけでなく、脇役に至るまで非常に性格描写がしっかりしており、重要な登場人物は多めだが、コイツ誰だっけ?と余計な事に悩むことなくストーリーに没頭できるはず。
そうは言っても、この映画の凄い所はコーディー(ジェームズ・ギャグニー)のノンストップで突進していく破滅ぶり。かなり古い映画ですが、現在のハリウッド映画にも大きな影響を与えていることがわかる白熱は万人にお勧めできる映画、ぜひ観てください
監督はサイレントの時代から活躍しているラオール・ウォルシュ。ハンフリー・ボガードが凶悪犯を演じたハイ・シェラが面白いです。
主演のコーディーを演じたのがジェームズ・ギャグニー。体は小さいですが、いかつい顔が印象的。多くのギャング映画に主演した大スターですが、ギャング映画にヒューマニズムを叩き込んだ汚れた顔の天使がお勧めです。
悪女のバーナを演じたのがヴァージニア・メイヨ。個人的にはウイリアム・ワイラー監督の我らの生涯の最良の年が印象的です。
他にボスを裏切るビッグ・エド役のスティーヴ・コクラン。彼の印象的な作品はミケランジェロ・アントニオーニ監督のさすらいが良いです。
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凶暴、非道で、見た目とは裏腹に意外に頭がきれる。それだけなら普通に色々なマフィア映画で見られる主人公と変わらないが、ジェームズ・ギャグニー演じるギャングの主人公は時々激しい頭痛に襲われるマザコンという素っ頓狂な設定。頭痛持ちになってしまった理由も、きちんと知らされるが個人的には、そんなことあるのか?と笑えた。
そしてマザコン振りについては、まるで仲間を信用せず、とても美人な奥さんであるヴァージニア・メイヨに対してはいつ俺を裏切るのかと疑っているくせに、母親の言うことには絶対的な信頼を置いており、とても従順。
少しでも気に食わないことがあると、とても美人な奥さんであるヴァージニア・メイヨに対してでも蹴りを入れるのに、母親の言うことには元々意見が反対でも何の迷いも無く従ってしまう。
そして母親もどうやら息子に対して、小さい頃からギャングの心構えについての英才教育を行っていたようで、たびたび息子に対して「世界一になるのよ」と説教をするそれに対してギャグニー自身も「うん、わかった」と真剣に応えるのだが、俺の頭では何の世界一なのか、さっぱりわからなかった。
世界一の金持ちになることなのか?世界一たくさん人を殺すことなのか?世界一のモテモテになることなのか?
さて、凶悪でマザコン男のギャングが主人公の映画とは、どのようなストーリーなのか。
カリフォルニア州境にて、コーディー(ジェームズ・ギャグニー)率いるギャング団は列車を止めて、乗務員を殺害して、現金30万ドルを強奪する。
その後、コーディー(ギャグイーニー)達は母のマー(マーガレット・ウィンチェリー)や恋人のバーナ(ヴァージニア・メイヨ)達がいる山奥の隠れ家で、ほとぼりが冷めるまで滞在することにしていた。しかし、やがて捜査班が迫ったきたことに感づき重傷を負っている仲間は放って置いて、一足早く逃げる。
ロサンゼルスのホテルに隠れていたコーディー(ギャグニー)達だったが、そのホテルも財務省防犯課のエヴァンスに突き止められコーディー(ギャグニー)達は再び逃走するのだが、彼らの追及から免れることが困難だと悟ったコーディー(ギャグニー)は、列車強盗で犯した強盗殺人で捕まったのでは死刑が免れないために、同じ日に起こった別の場所のホテルの強盗の事件の犯人として自首して、自ら刑務所に入る。
せいぜい二年間を刑務所で我慢して出所すれば良いという考えだったが、コーディー(ギャグニー)の考えを察知しているエヴァンスは刑務所に、秘密捜査官としてファロン(エドモンド・オブライエン)をコーディー(ギャグニー)と同じ監房に潜入させる。
暫くは刑務所内でも上手くやっていたコーディー(ギャグニー)だったが、次第に歯車が狂ってくる。コーディー(ギャグニー)が刑務所に入っている期間は、母のマー(ウィンチェリー)がボスとしてギャング団を束ねるはずが、ビッグ・エド(スティーヴ・コクラン)がボスの座を狙い始め、さらにエド(コクラン)とバーナ(メイヨ)はデキてしまい。そして母のマー(ウィンチェリー)がエド(コクラン)に殺害されてしまった事を刑務所内でコーディー(ギャグニー)は耳に入れる。
コーディー(ギャグニー)は再度、強烈な頭痛に襲われながらも、脱獄してエド(コクラン)に復讐することを決意するのだが・・・
度々やってくる頭痛が起こるシーンはかなりのド迫力。このシーンを見ると頭痛持ちのキャラクターと聞いて笑ってた人も凍りついてしまう。凶暴な人間が頭痛で転げ回っているシーンは本当に怖い、怖い。
そして、ヴァージニア・メイヨの悪女ぶりが凄い。とにかく拝金主義に陥った人間の浅ましさを感じることが出来る人間像が描かれている。
大雑把なイメージのあるハリウッド映画だが、なかなか丁寧に作られた印象がある。母のマー(ウィンチェリー)を捜査官が車で追跡するシーンは非常に印象的。主役だけでなく、脇役に至るまで非常に性格描写がしっかりしており、重要な登場人物は多めだが、コイツ誰だっけ?と余計な事に悩むことなくストーリーに没頭できるはず。
そうは言っても、この映画の凄い所はコーディー(ジェームズ・ギャグニー)のノンストップで突進していく破滅ぶり。かなり古い映画ですが、現在のハリウッド映画にも大きな影響を与えていることがわかる白熱は万人にお勧めできる映画、ぜひ観てください
白熱 特別版 [DVD] | |
アイヴァン・ゴッフ,ベン・ロバーツ | |
ワーナー・ホーム・ビデオ |
監督はサイレントの時代から活躍しているラオール・ウォルシュ。ハンフリー・ボガードが凶悪犯を演じたハイ・シェラが面白いです。
主演のコーディーを演じたのがジェームズ・ギャグニー。体は小さいですが、いかつい顔が印象的。多くのギャング映画に主演した大スターですが、ギャング映画にヒューマニズムを叩き込んだ汚れた顔の天使がお勧めです。
悪女のバーナを演じたのがヴァージニア・メイヨ。個人的にはウイリアム・ワイラー監督の我らの生涯の最良の年が印象的です。
他にボスを裏切るビッグ・エド役のスティーヴ・コクラン。彼の印象的な作品はミケランジェロ・アントニオーニ監督のさすらいが良いです。
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