褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 バリー・リンドン(1975) 栄枯盛衰が描かれています

2012年02月27日 | 映画(は行)
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 祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響きあり・・・という有名な出だしで始まる平家物語。現在大河ドラマで放映中の平清盛が大活躍?する軍記物語だ。平安時代の貴族が没落していく中で武士の代表として成り上がり隆盛を極める平家だが、やがて源平合戦により源氏に滅ぼされてしまう。
 栄える者は、必ず滅びるという歴史的真理を描いた平家物語は我が国日本において既に鎌倉時代の1309年には完成されていたと言われる。このような日本史だけでなく世界史でも見受けられる歴史的真理を四文字熟語で栄枯盛衰と言う。

 さて18世紀のヨーロッパを舞台に、田舎者の1人の青年が上流社会に溶け込み成り上がって行く様子と、人生の頂上から真っ逆さまに転落していく様子が二部構成で描かれた映画が今回紹介するバリー・リンドン。前半は青年の無計画な行き当たりバッタリの行動は綱渡り人生そのものだが、恐るべき強運を発揮して上流社会に溶け込んでいく様子が描かれる。そして後半は一転して何をやっても上手くいかずに真っ逆様に転落していく様子が描かれる。
 1人の青年の波乱万丈、栄枯盛衰の人生が描かれている大河ドラマだが、個人的には何をやっても上手く行かない後半のドラマの方に恐ろしいほどリアリティを感じた。

 はっきり言ってストーリー自体に大して新鮮さがあるわけでも無く、波乱万丈の人生を描いている割には主役のライアン・オニールの演技が下手なせいなのか、それとも狙ってのことなのか、彼の表情にもあまり抑揚がないためにストーリーが淡々と進む印象すらある。
 むしろこの映画の凄いところは、歴史映画の分野に属するだけにデザイン、衣装、とても美しい映像が挙げられるだろう。完璧主義者で知られるスタンリー・キューブリック監督らしく時代考証を丹念に積み重ね、18世紀ヨーロッパを完全に再現した衣装、セットのこだわりは必見だろう、と言ってもこの映画を観たどれだけの人がその凄さに気付くか疑問ではあるが
 出来ればこのような映画は小さい画面では無く、本当は映画館で観るべき作品なのかもしれない。

 叶わぬ恋愛、逃亡、軍隊、スパイ、賭博、華やかな社交生活、愛息の死、決闘、片足切断といった普通の人間ではなかなか経験できない1人の若者の数奇な人生を描いたバリー・リンドンを紹介します

バリーリンドン [DVD]
ライアン・オニール,マリサ・ベレンソン,パトリック・マギー
ワーナー・ホーム・ビデオ


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 18世紀のアイルランドの農家に生まれたレイモンド・バリー(ライアン・オニール)は、従妹のノラに恋心を燃やしていたが彼女は英軍将校のジョン・クイン(レナード・ロシター)と婚約してしまう。諦めがつかないレイモンド・バリー(オニール)はジョン・クイン(レナード・ロシター)に決闘を申し込むが彼を射殺?してしまう。
 レイモンド・バリー(オニール)は友人のグローガン(ゴッドフリー・クイグレー)から射殺してしまったことが警察にばれると捕まってしまうために早くダブリンへ逃亡するように忠告される。

 大金を持ってダブリンへ行くことに楽しい気分になっていたレイモンド・バリー(オニール)だったが、逃亡中に追い剥ぎに遭ってしまい一文無しに。彼はたまたま英軍が兵隊を募集していた村に辿り付きそのまま兵隊になってしまう。そこで偶然にも英軍の兵隊になったいた友人のグローガン(ゴッドフリー・クイグレー)と再会し、決闘での真実を聞かされる。

 やがてレイモンド・バリー(オニール)とグローガン(ゴッドフリー・クイグレー)はヨーロッパ大陸に渡り、七年戦争に参加する。レイモンド・バリー(オニール)は戦場で友人のグローガン(ゴッドフリー・クイグレー)が戦死してしまう場面に遭遇してしまい、彼は戦場から逃げ出すことを決心する。
 レイモンド・バリー(オニール)は将校の軍服と身分証と馬を奪って脱走し、英軍の同盟国のプロイセンに向かうが、途中でプロイセンの将校ポツドルフ大尉(ハーディー・クリューガー)と出会い、豪華なお城に案内されるが、身分を偽装したことがバレてしまい・・・度重なるピンチを思い付きと運の良さで切り抜け、やがて人生の栄光と没落を味わうレイモンド・バリー(オニール)の生き様は映画を観てください



 アイルランドの当時の状況がわかったり、プロイセンと言う国が登場してきたり、七年戦争を背景にしていたり、ほんの少しヨーロッパの歴史を勉強した気分になることができます。ひたすら前進する戦争の場面、顔に付けた大きなホクロ、決闘シーンなど印象的な場面が多々あります。

 ちなみに監督は巨匠スタンリー・キューブリックロリータのような文芸作品、現金(げんなま)に体を張れのような犯罪サスペンス、核戦争の恐怖をブラックユーモア的に描いた博士の異常な愛情、徹底した管理社会を暴力と性で風刺した時計仕掛けのオレンジなどあらゆる分野において名作を生み出しています。
 個人的にはベトナム戦争の狂気を描いたフルメタル・ジャケットがこの監督の作品では最もお気に入りです。他にスパルタカスシャイニングもお勧めに挙げておきましょう

 主演のライアン・オニールある愛の詩が最も有名だと思います。ちなみにザ・ドライバーという映画はかなりお勧め作品でライアン・オニールがとても格好良いです。

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映画 デッドゾーン(1983) 超能力に憧れますが

2012年02月16日 | 映画(た行)
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 僕は非常に特徴の無い平凡な人間。そんな僕にとって超能力を持っている人は、とても羨ましい。もし僕に超能力が備わっていたら、きっと毎日が楽しいだろうなと思ってしまう。さて今回紹介する映画デッドゾーンの主人公はある出来事をきっかけに、人に触れるとその人の過去や現在、そして未来がわかる超能力を持つようになってしまう。
 他人の過去や現在そして未来までもがわかるなんて羨ましい奴だと思ってたら、この主人公はせっかく得た超能力を自分の利益に成るように全く使えていない残念な人間だ。それどころか急に得た超能力によって苦しい思いをしてしまう悲しい展開が待っている。
 この世の人類が最悪の結末を迎えることを予知してしまったために、そんな未来を変えるための使命を感じてしまった主人公が執った行動とは?

 現在の悪い状況を打破するために過去をグチャグチャにするという映画は名作、珍作を含めてたくさんある。しかし、未来に起こる出来事を防ぐために現在を変えようとする展開の映画は意外に珍しい。自分の将来がわからなくて不安だと感じている人は多いが、未来の事は知らないままの方が良いんじゃないの?と思えるデッドゾーンを紹介します

デッドゾーン デラックス版 [DVD]
クリストファー・ウォーケン,デヴィッド・クローネンバーグ,スティーブン・キング
パイオニアLDC


 高校の教師をしているジョニー(クリストファー・ウォーケン)は同僚であるサラ(ブルック・アダムス)と付き合っていた。
 ジョニー(ウォーケン)はサラ(アダムス)とデートしていたが、その日のジョニー(ウォーケン)は体に異変を感じ、せっかくサラ(アダムス)が家の中に誘うのを断ってしまう。そして帰り道でジョニー(ウォーケン)は自動車事故に巻き込まれてしまう

 ジョニー(ウォーケン)は5年間もの昏睡状態から目が覚めるが、サラ(アダムス)は既に別の男と結婚しており、子供も居る事にショックを受けてしまう。しかし、ジョニー(ウォーケン)はそれ以来、他人と触れるとその人の過去、現在そして未来がわかる超能力を得ている事に気付く。
 彼の超能力はマスコミの間でも評判になり、次第に彼は世間から隠れたような生活を強いられるが、時に彼の超能力は未解決殺人事件を解決したり、人助けにも活かされる。

 しかし、ジョニー(ウォーケン)は地元の勢いのある政治家であるスティルソン(マーティン・シーン)に触れる。その時ジョニー(ウォーケン)は後に大統領になるスティルソン(シーン)が核兵器のボタンを押すシーンが脳裏に浮かび上がる。ジョニー(ウォーケン)は核戦争を防ぐために苦悩するが・・・他人の未来は予知できても、自分の未来を予知できなかった主人公の結末は映画を観てください。



 スティーヴン・キングの原作を映画化。彼の原作を映画化したホラー作品は失敗作が多いと言われますが、この映画は成功した部類に入ると思います。スティーヴン・キング原作のお勧めのホラー映画と言えば、ブライアン・デ・パルマ監督のキャリー、スタンリー・キューブリック監督、ジャック・ニコルソン主演のシャイニング、フランク・タラボン監督のミストあたり。

 ちなみに監督はデヴィッド・クローネンバーグエログロな映画を撮る印象がありますが、今回のデッドゾーンは、かなり真面目に撮られた映画。
 彼の作品でお勧めはヴィゴ・モーテンセンがとても格好良いイースタン・プロミスが良いです。

 主演のクリストファー・ウォーケンはとてもクールなイメージがありますが、出演している映画は駄作、端役が多いのが残念。とても凄い俳優なのですが周りにアドバイスする人間が居なかったのでしょうか?ちなみに彼の出演しているお勧め作品はマイケル・チミノ監督、ロバート・デ・ニーロ共演のディア・ハンターが良いです。

 将来の大統領候補役のマーティン・シーン。この人の代表作と言えばフランシス・フォード・コッポラ監督の地獄の黙示録、他にウォール街では強欲な資本主義と真っ向から対立する思想を持った主人公のお父さん役が印象的です。

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映画 父 パードレ・パドローネ(1977) イタリアでは有名な言語学者みたいです

2012年02月06日 | 映画(た行)
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 文盲でありながら著名な言語学者になったイタリア人のガヴィーノ・レッダの青春時代を描いた自伝の映画。字をまともに読み書きできなかった人間が涙ぐましい努力によって、そんなハンデを乗り越えようとする美談が描かれているのかと思いきや、その点が主題の映画では無かった。

 男にとって父親の存在とは人生のあらゆる点において、いつかは乗り越えないといけない壁みたいなもの。さて、俺は父親を色々な面で超えたと思っていたのだが、よ~く考えてみると何ひとつ父親の壁を乗り越えていないことに気付いてしまった。自分の父親とはいえ、意外にも尊敬するべき点が多かったことに気付く。
 そんな父親の絶対支配から自立しようとする青年の姿を描いた映画が今回紹介する父 パードレ・パドローネ。しかし、この映画に登場する父親はちょっと頭が固いうえに暴力的。殴られ、蹴られる恐怖感を抱きながら、父親の支配から抜け出そうとすることの大変さがよくわかる映画だ。

 父親のおかげで小学校を退学させられ全く勉強をする機会を与えられず。さらに父親の我がままのおかげで羊飼いにさせられ、6歳から20歳までずっと山小屋で暮らしつつ孤独と恐怖に耐える訓練を受けさせられ。そんな青春時代を送りながら、いかにして著名な言語学者になることが出来たのかを描いた父 パードレ・パドローネを紹介します

父 パードレ・パドローネ [DVD]
パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ,ガヴィーノ・レッダ
紀伊國屋書店


 イタリア、サルディーニャ島において。羊飼いをしているエフィジオ(オメロ・アントヌッティ)は、小学校にやって来て6歳の長男であるカヴィーノ(ファブリツィオ・フォルテ)を連れ戻す。
 エフィジオ(アントヌッティ)は長男が家の仕事を継ぐのは絶対という考えを持っていて、長男のカヴィーノ(ファブリツィオ・フォルテ)が早く羊飼いとして一人前になるためには小学校に通わしている場合ではなかった。

 カヴィーノ(ファブリツィオ・フォルテ)は母親から早く一人前の羊飼いになるようにと家を送り出され、周りは羊が群がっている山小屋に1人で暮らすようになる。大自然の中で孤独と恐怖を覚えて、逃げ出そうとすると父親のエフィジオ(アントヌッティ)からの体罰が飛んでくる。
 ようやく20歳になったカヴィーノ(サヴェリオ・マルコーニ)は字の読み書きはまともにできず、ほとんど口もきかないような青年になってしまった。

 やがてエフィジオ一家は事業に失敗してカヴィーノ(サヴェリオ・マルコーニ)はエフィジオ(アントヌッティ)から有無も言わさず軍隊に入れられてしまう。軍隊の中において読み書きの必要性を迫られたカヴィーノ(サヴェリオ・マルコーニ)は軍隊の中で親友となったチェーザレ(ナンニ・モレッティ)の協力を得て、イタリア語の勉強を始める。
 カヴィーノ(サヴェリオ・マルコーニ)は故郷のサルディーニャの方言の研究をすることに興味を持ち、大学受験を考えるのだが父親のエフィジオ(アントヌッティ)から反対されてしまい・・・父親の支配から抜け出し、自分の人生を切り開いていく姿は映画を観てください



 荒涼とした大自然が非常に印象的な映画。実はこの映画はカンヌ国際映画際で最高の栄誉とされるパルムドール賞を受賞した名作。映画というのは名作と呼ばれる作品が必ずしも面白いとならないのが常識。しかし、個人的には初めて観たときは大変感動した映画で、改めて良い映画だと思いました。ヨーロッパ映画が好きな人にはお勧めです。

 監督はイタリアのタヴィアーニ兄弟。この人のお勧め作品としてはイタリア人の誇りと兄弟愛を感じることが出来るグッドモーニング、バビロン!、他にストイック過ぎる修道士を描いた太陽は夜も輝く、戦争映画にしてどこか寓話的なサン★ロレンツォの夜も良いです。

 怖いお父さんを演じたのがオメロ・アントヌッティ。この人は前述したグッドモーニング、バビロン!、ビクトル・エリセ監督のエル・スールのようなヨーロッパの名作に出演しています。比較的最近の作品ではスパイク・リー監督のセントアンナの奇跡に出演していました。

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