ポーランドを語るうえで、決して欠かすことが出来ない出来事がワルシャワ蜂起。第二次世界大戦中のナチスドイツ占領下におけるワルシャワ(ポーランドの首都です)で起こった武装蜂起によるレジスタンス運動のことだ。
結果は圧倒的なナチスドイツ軍の猛攻の前にレジスタンス組織は多くの死者を出して壊滅し、あえなく失敗に終わる。果たして彼らの死は無駄死にだったのだろうか、しかしながら独立を勝ち取り、世界中が景気低迷に苦しむ中で、ひたすら経済成長を続ける現在のポーランドを見ていると、ワルシャワ蜂起の意義は非常に大きい。先人達の尊い犠牲によって、今日のポーランドの繁栄があると言っても過言ではあるまい。
そんなワルシャワ蜂起を描いた映画としてパッと思い浮かぶ映画と言えばコレ、ポーランド映画のクオリティーの高さを世界中に知らしめた映画地下水道。全編の殆んどの時間がタイトル通り地下水道のシーンに費やされている。ナチスドイツの容赦ない攻撃の前に、全滅寸前に追い込まれたポーランドのレジスタンス中隊がひたすら地下水道を逃げまくるという内容だ。
肉体、そして精神もズタボロになりながら、まるで迷路のような地下水道を逃げまくる様子が本当に息苦しくなってくる。よく考えたら彼らが地下水道に潜りこんでからの展開は、極悪非道のナチスドイツの軍人から追われて逃げているのではない。そもそもナチスドイツの奴等がわざわざ悪臭漂う地下水道まで降りてくるわけがない。彼らを追いかけているのは、ナチスドイツ軍が放った毒ガス。
暗闇、悪臭、毒ガス、餓えの恐怖が同時に襲ってくる事態は、俺が考えられる中でも最高レベルの悲惨な状況。そんな状況に追い込まれたレジスタンス達に訪れる結末は!。それでは簡単にストーリー紹介を。
第二次世界大戦中、1944年の9月のワルシャワ。ドイツの爆撃の前にすっかりワルシャワ全体がガレキだらけの廃墟化してしまっている。幾つかあるレジスタンス部隊の中の一つである、サドラ隊長(ヴィンチスワフ・グリンスキー)率いる中隊も多くの仲間が死に、周りをドイツ軍に囲まれこのままでは全滅あるのみ。しかし、彼らは祖国再興のために地下水道を通って市の中心部に逃げることを決意する。
彼らは暗闇に紛れて、地下水道に入っていくのだが、暗くて迷路化した地下水道の中で彼らは離れ離れになってしまう。彼らは心身ともに限界に追い込まれる中、出口を求めてひたすら地下水道を這いずり回るのだが・・・
前半は破壊された建物のガレキだらけの景色。これだけでも悲惨さを感じるが、地下水道に入ってからが更に悲惨さが増す。この映画の凄いところは単に地下水道の中を鬼ごっこをしているだけではなく、極限状態に陥った時の人間の本性をドラマチックに描いていること。決してレジスタンス活動に命を捧げた人間に対する賛美として描くような甘っちょろい演出なんか微塵もなく、ひたすら自由と生きることを渇望するレジンスタン達の様子がストイックに描かれているのが特徴だ。
レジスタンスの人間の多くの運命を観ていると、これじゃ地下水道に逃げ込まなかった方がもっと楽だったんじゃないの?なんて思えたりしたが、どのような選択をしたところで結局は最後の結末は同じで進むも地獄、退くも地獄。あの時代のポーランドの状況がこの映画のレジスタンス達の運命と重なっている様に俺には思える。
本作の映画における結末は、もう悲惨すぎて涙なんか全くでてこない。悲しいという感情なんか起きないし、ただ唖然とするばかり。観る人をかなり選ぶ映画だと思うが、毎日を何も考えずに生きている人には、普段全く使わない脳ミソに程よい刺激を与えてくれる映画。特に普通に生きていることが当たり前だと思っていることが、どれほど幸せなことなのかわかっていない人に映画地下水道はお勧めだ
監督は最近もワレサ 連帯の男を発表し健在を示すなど、今や世界中から尊敬の念を集めている巨匠アンジェイ・ワイダ監督。実はけっこう彼は日本とも少なからず縁のある監督。坂東妻三郎主演の舞台劇の演出で来日したこともあります。この人のお勧めは名作灰とダイヤモンド、実在の事件を基にしたカティンの森が良いです。
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結果は圧倒的なナチスドイツ軍の猛攻の前にレジスタンス組織は多くの死者を出して壊滅し、あえなく失敗に終わる。果たして彼らの死は無駄死にだったのだろうか、しかしながら独立を勝ち取り、世界中が景気低迷に苦しむ中で、ひたすら経済成長を続ける現在のポーランドを見ていると、ワルシャワ蜂起の意義は非常に大きい。先人達の尊い犠牲によって、今日のポーランドの繁栄があると言っても過言ではあるまい。
そんなワルシャワ蜂起を描いた映画としてパッと思い浮かぶ映画と言えばコレ、ポーランド映画のクオリティーの高さを世界中に知らしめた映画地下水道。全編の殆んどの時間がタイトル通り地下水道のシーンに費やされている。ナチスドイツの容赦ない攻撃の前に、全滅寸前に追い込まれたポーランドのレジスタンス中隊がひたすら地下水道を逃げまくるという内容だ。
肉体、そして精神もズタボロになりながら、まるで迷路のような地下水道を逃げまくる様子が本当に息苦しくなってくる。よく考えたら彼らが地下水道に潜りこんでからの展開は、極悪非道のナチスドイツの軍人から追われて逃げているのではない。そもそもナチスドイツの奴等がわざわざ悪臭漂う地下水道まで降りてくるわけがない。彼らを追いかけているのは、ナチスドイツ軍が放った毒ガス。
暗闇、悪臭、毒ガス、餓えの恐怖が同時に襲ってくる事態は、俺が考えられる中でも最高レベルの悲惨な状況。そんな状況に追い込まれたレジスタンス達に訪れる結末は!。それでは簡単にストーリー紹介を。
第二次世界大戦中、1944年の9月のワルシャワ。ドイツの爆撃の前にすっかりワルシャワ全体がガレキだらけの廃墟化してしまっている。幾つかあるレジスタンス部隊の中の一つである、サドラ隊長(ヴィンチスワフ・グリンスキー)率いる中隊も多くの仲間が死に、周りをドイツ軍に囲まれこのままでは全滅あるのみ。しかし、彼らは祖国再興のために地下水道を通って市の中心部に逃げることを決意する。
彼らは暗闇に紛れて、地下水道に入っていくのだが、暗くて迷路化した地下水道の中で彼らは離れ離れになってしまう。彼らは心身ともに限界に追い込まれる中、出口を求めてひたすら地下水道を這いずり回るのだが・・・
前半は破壊された建物のガレキだらけの景色。これだけでも悲惨さを感じるが、地下水道に入ってからが更に悲惨さが増す。この映画の凄いところは単に地下水道の中を鬼ごっこをしているだけではなく、極限状態に陥った時の人間の本性をドラマチックに描いていること。決してレジスタンス活動に命を捧げた人間に対する賛美として描くような甘っちょろい演出なんか微塵もなく、ひたすら自由と生きることを渇望するレジンスタン達の様子がストイックに描かれているのが特徴だ。
レジスタンスの人間の多くの運命を観ていると、これじゃ地下水道に逃げ込まなかった方がもっと楽だったんじゃないの?なんて思えたりしたが、どのような選択をしたところで結局は最後の結末は同じで進むも地獄、退くも地獄。あの時代のポーランドの状況がこの映画のレジスタンス達の運命と重なっている様に俺には思える。
本作の映画における結末は、もう悲惨すぎて涙なんか全くでてこない。悲しいという感情なんか起きないし、ただ唖然とするばかり。観る人をかなり選ぶ映画だと思うが、毎日を何も考えずに生きている人には、普段全く使わない脳ミソに程よい刺激を与えてくれる映画。特に普通に生きていることが当たり前だと思っていることが、どれほど幸せなことなのかわかっていない人に映画地下水道はお勧めだ
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イエジー・リップマン,イエジー・ステファン・スタウィニュスキー,イエジー・ステファン・スタウィニュスキー,ヤン・クレンズ | |
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監督は最近もワレサ 連帯の男を発表し健在を示すなど、今や世界中から尊敬の念を集めている巨匠アンジェイ・ワイダ監督。実はけっこう彼は日本とも少なからず縁のある監督。坂東妻三郎主演の舞台劇の演出で来日したこともあります。この人のお勧めは名作灰とダイヤモンド、実在の事件を基にしたカティンの森が良いです。
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本作に限らず中東欧の映画ならポーランドとデンマークの映画が個人的には高確率でヒットする映画が多いです
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同じ行動をずっと続けているけど精神面の変化が鮮烈に描かれているのかな?