褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 冒険者たち(1967) ロマンが溢れるも・・・

2023年09月04日 | 映画(は行)
 男2人と女1人が友情及び三角関係に結ばれつつ一攫千金とその夢の果てを描いたのが今回紹介する映画冒険者たち。タイトル名から謎解きをしながら、宝物を探しに出かけるトレジャーハンターのスリルに満ちたアドベンチャー映画を想像すると大間違い。むしろ全編に渡って男同士の友情が描かれている。その中に割って入るようにカワイ子ちゃんが入ってくるが、お互いにその女性に気がいきながらも男の友情は壊れそうで壊れない。なんせ夢はでかいことで共通する2人だが、生き方が不器用なところまで共通しているので、尚更2人の男の友情は熱い。そんな2人、いやカワイ子ちゃんも入れての3人の宝物探し、そして悲劇を味わうことによって三角関係が美しい物に昇華される・・・。

 それでは大人達のロマンを感じさせるストーリーの紹介を。
 画期的な車のエンジン開発に挑んでいるローラン(リノ・ヴァンチュラ)、パイロットでインストラクラーであるマヌー(アラン・ドロン)の2人の男は固い友情で結ばれている。そこへ鉄くず同然の廃車になっているドア等を集めにローランの仕事場にやってきたのが美人でスタイル抜群なレティシア(ジョアンナ・シムカス)。レティシアは前衛アートの彫刻家であり、成功を夢見ている。ローラントとマヌーは少し変わっているレティシアを好意的に受け容れる。そして3人は助け合いながら夢に向かって進もうとする。
 しかしながら、3人は夢に破れて挫折。ところがコンゴ共和国の海に莫大な財宝を載せた飛行機が墜落したとの噂を聞く。彼らは一攫千金とばかりにコンゴの海へ行き、何と今までのダメダメな人生を覆すかのように財宝を発見。大喜びしているのも束の間、他にも財宝を狙っていた一味が居て・・・

 夢に向かってチャレンジしろ!なんて言って後押しする人がいるが、この3人を見てたらもう止めとけって思える。しかし、どこに運が転がっているかわからない。ところが本作は財宝を発見してスゲーって思ってたらアッと言う間に悲劇が起きる。ストーリー紹介の後で船上で銃撃戦を起きてしまい、何とレティシアが巻き添えを喰らって死亡。まだ中盤の出来事なのに、最高にショックな展開が起きてしまう。しかし、2人の男は命を亡くしたレティシアに潜水服を着せて海中深くに葬ってやるのだが、このシーンは名場面だと言って良いぐらい神秘的に思えた。でも、ふと思ったのだが、もしもレティシアが生きていたらローランとマヌーの友情はどうなってただろう?みんながみんな人生を思う通りには過ごせんな。
 しかし、大金なんか手にしたらロクでもないことは、この後の展開を見ればわかる。なぜなら、カネの匂いを嗅ぎつけた悪い奴らが2人を追いかけてくるのだが・・・。そして最後の運命を決す場所が良い。その場所はここでバラさないので映画を見て欲しい。
 口笛を使った音楽が甘酸っぱいような青春映画を感じさせるし、自分の事よりも相手の事を思いやれる友情に感動するし、ジョアンナ・シムカスは綺麗で目の保養になるし、オッサン2人が船の上ではしゃぐシーンはノスタルジーを感じさせる。たまにフランス映画を観たくなる人に今回は冒険者たちをお勧めに挙げておこう

 監督はロベール・アンリコ。本作にも出演しているジョアンナ・シムカス主演の若草の萌えるころ、ジャン=ポール・ベルモント主演のオー!HO!、そして追想がお勧め

 
 

 

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4 コメント

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Unknown (ヌマンタ)
2023-09-05 09:31:02
懐かしいタイトルだったので、思わずコメントを一言。映画のエンディングに流れる「レティシア」という曲は、たしかドロンその人が歌っていたと記憶していますが、違うかな・・・?
中学生の頃に見た映画なので、詳細は覚えていませんが、青春の挫折感とも言うべき大人の童話だった気がします。
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Unknown (goo0348_2007)
2023-09-05 09:43:33
ヌマンタさん。コメントありがとうございます😊おっしゃる通りですよ。再度見直すと、また色々と気づきがあると思うので、再見してみてください。
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「冒険者たち」 (オーウェン)
2024-12-11 11:30:52
アラン・ドロンとリノ・ヴァンチュラの美しき友情とジョアンナ・シムカスの新鮮な魅力に溢れた「冒険者たち」。
この映画は、ロベール・アンリコ監督のキラキラと輝く青春のレクイエム。

飛行機で凱旋門をくぐること、スーパー・エンジンの開発、展覧会の成功と、この3人にはそれぞれの夢がある。しかし、いずれも夢を果たせず滅入ってしまう。

そんな時、彼らはコンゴ沖に財宝が沈んでいるという情報を入手し、颯爽と宝探しの旅にでるのだが-------という話。

少年のような男たちの友情が、とても清々しい。
互いにレティシアへの想いを寄せながら、相手を気遣うもどかしさが、痛いほど伝わってくる。

先ごろ亡くなった20世紀を代表する、永遠の二枚目スター・アラン・ドロン、ゴツイ顔に似合わず男の優しさを醸し出すリノ・ヴァンチュラ共に、夢見る男の勇気と純情を見事に体現している。

ワルじゃないドロンで、こんなにも輝いている役柄は珍しい。
そして、レティシアことジョアンナ・シムカスが、ドロンやヴァンチュラの役名は忘れても、このレティシアという役名は決して忘れることはない。
それほど、彼女は永遠のレティシアなのだ。

フランソワ・ド・ルーベの音楽を口笛で吹くたび、名シーンの数々が思い出されて、胸がキュンと切なくなる青春映画だ。
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オーウェンさんへ (ディープインパクト)
2024-12-12 22:20:37
 コメントありがとうございます。たくさんの名シーンがありましたね。僕はジョアンナ・シムカスが水葬されるシーンが美しく感じました。
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