『シン・レッド・ライン』も映画化されている小説家ジェームズ・ジョーンズによる原作の映画化作品が今回紹介する地上(ここ)より永遠に。腐敗した軍隊の内部を徹底的に批判した映画だが、今ではそのような映画は多く見られるが、本作はそのような映画の走りである。上官に逆らったために苛めや猛烈なシゴキに遭ったりで、強烈なパワハラが描かれている。しかし、本作はパワハラを描きながらも、恋愛、友情も描かれており、感傷に浸れる作品でもあるのだ。
早速だが、ストーリーの紹介を。
1941年、ハワイのオアフ島において。兵営にラッパ手であるプルーイット(モンゴメリー・クリフト)が転属してくる。彼はボクシングの腕を見込まれて上官のホール(フィリップ・オーバー)からボクシング部に入れと誘われる。しかし、ブルーイットにはボクシングの練習の最中に相手を失明させてしまった過去があり、頑なにホールの要請を拒否。しかし、そのことにより彼は理不尽な苛めに遭ってしまうことになる。しかし、そんなブルーイットを優しく見守るのがホールの部下でありブルーイットの上司にあたるウォーデン(バート・ランカスター)であり、唯一の友人であるイタリア系アメリカ人のマジオ(フランク・シナトラ)。そして酒場で働いていたロリーン(ドナ・リード)という恋人もできる。
そんな安らぎも少しはあるのだが、ある日の事、友人のマジオが勤務をサボった罪で営倉に入れられ、そこで担当のジャドソン(アーネスト・ボーグナイン)から警棒で打ちのめされ死んでしまい・・・
軍隊の内部の腐敗ぶりが凄い。ホール(フィリップ・オーバー)という上官が逆らう部下には陰湿な苛めをするし、しかも仕事をウォーデン(バート・ランカスター)に放り投げて、女遊びにうつつを抜かす。ブルーイット(モンゴメリー・クリフト)は、ボクシングをすることを拒み苛めを受けるのを、優しく見守るのがウォーデンなのだが、彼もボールの美人妻のカレン(デボラ・カー)と不倫をしている始末。それ故なのかウォーデンはホールに対して、気兼ねしているのか彼を批判することをしない。軍隊内部における出世欲に取り付かれた上官と、その犠牲になる部下たちという図式が描かれている。
そんな陰惨なストーリー展開の中でも熱い友情のシーンがある。ブルーイットが亡き友マジオ(フランク・シナトラ)のためにラッパを吹いてやるシーン。これは胸が熱くなる。他にもカレンとロリーン(ドナ・リード)の女性達が幸せになれない様子も色々と想像させる。
しかし、アメリカ人のやる時はやるんだ、という精神を後半で見せてくれるのには笑ってしまった、じゃなくて流石だと感じさせられた。日本軍による真珠湾攻撃が始まった時の一瞬にして団結する様子は流石はアメリカ。飛行機を一基だけ撃ち落としたぐらいで大喜びするシーンは何だか微笑ましく感じてしまった。
本作は第二次世界大戦が終わった時期に制作されているが、時代的に朝鮮戦争の最中に制作されていたことがわかる。そのような時に、本作のような軍部を批判した映画を撮ることの難しさがあったはず。ちょっと首を捻るようなシーンもあったりするが、色々と規制がある中でこれだけの映画を撮ってしまうハリウッドの底力を感じさせる映画である。
上司が優秀な部下を苛めるなんて世界は何も軍隊だけではなく、一般の社会にもあり、現在においても続いている。古い映画ではあるが、何かと現代社会にも通じる名作として今回は地上(ここ)より永遠にをお勧めに挙げておこう
監督は名監督フレッド・ジンネマン。信念を持つ人間を主人公にした映画には感動作が多い。西部劇の傑作真昼の決闘、オードリー・ヘプバーン主演の尼僧物語、歴史映画わが命つきるとも、ジュリア等お勧め多数です
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早速だが、ストーリーの紹介を。
1941年、ハワイのオアフ島において。兵営にラッパ手であるプルーイット(モンゴメリー・クリフト)が転属してくる。彼はボクシングの腕を見込まれて上官のホール(フィリップ・オーバー)からボクシング部に入れと誘われる。しかし、ブルーイットにはボクシングの練習の最中に相手を失明させてしまった過去があり、頑なにホールの要請を拒否。しかし、そのことにより彼は理不尽な苛めに遭ってしまうことになる。しかし、そんなブルーイットを優しく見守るのがホールの部下でありブルーイットの上司にあたるウォーデン(バート・ランカスター)であり、唯一の友人であるイタリア系アメリカ人のマジオ(フランク・シナトラ)。そして酒場で働いていたロリーン(ドナ・リード)という恋人もできる。
そんな安らぎも少しはあるのだが、ある日の事、友人のマジオが勤務をサボった罪で営倉に入れられ、そこで担当のジャドソン(アーネスト・ボーグナイン)から警棒で打ちのめされ死んでしまい・・・
軍隊の内部の腐敗ぶりが凄い。ホール(フィリップ・オーバー)という上官が逆らう部下には陰湿な苛めをするし、しかも仕事をウォーデン(バート・ランカスター)に放り投げて、女遊びにうつつを抜かす。ブルーイット(モンゴメリー・クリフト)は、ボクシングをすることを拒み苛めを受けるのを、優しく見守るのがウォーデンなのだが、彼もボールの美人妻のカレン(デボラ・カー)と不倫をしている始末。それ故なのかウォーデンはホールに対して、気兼ねしているのか彼を批判することをしない。軍隊内部における出世欲に取り付かれた上官と、その犠牲になる部下たちという図式が描かれている。
そんな陰惨なストーリー展開の中でも熱い友情のシーンがある。ブルーイットが亡き友マジオ(フランク・シナトラ)のためにラッパを吹いてやるシーン。これは胸が熱くなる。他にもカレンとロリーン(ドナ・リード)の女性達が幸せになれない様子も色々と想像させる。
しかし、アメリカ人のやる時はやるんだ、という精神を後半で見せてくれるのには笑ってしまった、じゃなくて流石だと感じさせられた。日本軍による真珠湾攻撃が始まった時の一瞬にして団結する様子は流石はアメリカ。飛行機を一基だけ撃ち落としたぐらいで大喜びするシーンは何だか微笑ましく感じてしまった。
本作は第二次世界大戦が終わった時期に制作されているが、時代的に朝鮮戦争の最中に制作されていたことがわかる。そのような時に、本作のような軍部を批判した映画を撮ることの難しさがあったはず。ちょっと首を捻るようなシーンもあったりするが、色々と規制がある中でこれだけの映画を撮ってしまうハリウッドの底力を感じさせる映画である。
上司が優秀な部下を苛めるなんて世界は何も軍隊だけではなく、一般の社会にもあり、現在においても続いている。古い映画ではあるが、何かと現代社会にも通じる名作として今回は地上(ここ)より永遠にをお勧めに挙げておこう
監督は名監督フレッド・ジンネマン。信念を持つ人間を主人公にした映画には感動作が多い。西部劇の傑作真昼の決闘、オードリー・ヘプバーン主演の尼僧物語、歴史映画わが命つきるとも、ジュリア等お勧め多数です
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