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日本人にとって天皇というのは、一部の人を除いて非常に神聖な存在であり、俺みたいな中途半端な知識しかない者が語るには恐れ多いテーマだ。そんな日本人にとって天皇というアンタッチャブル的な存在を外国人、それもロシア人監督が昭和天皇を撮ったということで非常に興味津々、戦々恐々、・・・、色々な複雑な感情を胸に抱き、きちんと正座をして観ていたのだが。
ただ今盛んに議論が交わされる、皇位継承、皇室のあり方、皇室の内部・・・等、皇室について色々なことを勉強できる切っ掛けになるかと思っていたのだが、実はそんなことを期待して観る映画ではなかった。確かに日本の有識者と呼ばれる人でもよくわかっていないことが多いのに、外国人、しかもロシア人が撮った映画から学ぼうとするのは無理があることに観終わった後、ようやく気付く俺のアホさ加減が一番理解できた非常に皮肉的な結果になってしまった。
暗い画調、盛り上げる音楽効果は無視、まるで歴史考証が大して感じられない昭和天皇とダグラス・マッカーサーとのやり取り(個人的にはこの場面が非常に不満)、トンチンカンな侍従とのやり取り等は時々睡魔が襲ってくるし、愛国日本人には怒り心頭になる場面が多々出てくる。
歴史映画として観ると非常にガッカリする映画ではあるが、案外シュールな笑いもある。昭和天皇を演じる日本が誇る?世界的コメディアンであるイッセー尾形の独特の間合いは結構笑える。
昭和天皇の口癖であるような『あっ、そう』と絶妙なタイミングで言う場面は笑えるし、昭和天皇と科学者が椅子の取り合いをしている場面、チョコレートを食べるシーンの『はい、おしまい』は個人的には大爆笑。監督の演出なのか、イッセー尾形のアドリブなのかよくわからないが、おかげで危うく何度も寝てしまうピンチに襲われたが、かろうじて救われた。
今、書いていて気付いたが実はこの映画は皇室、昭和天皇に興味がある人では無くて、イッセー尾形の大ファンという非常にコアな人にぜひお勧めしたい太陽を紹介します
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1945年8月、昭和天皇(イッセー尾形)は疎開した皇后(桃井かおり)や皇太子と離れて、被災をまぬがれた研究所の地下塹壕で暮らしていた。激化する沖縄戦にせまり来る敗北に責任を感じ、東京大空襲の悪夢が睡眠の邪魔をし、御前会議における未だに戦争続行に傾いている上層部との対話において、ひたすら苦悩、孤独に襲われる神ではなく人間としても昭和天皇がそこには居る。
昭和天皇は重大な決意を秘めて連合国占領軍総司令官ダグラス・マッカーサーとの会見に臨むのだが・・・外国人から見た昭和天皇がよく理解できる?のでぜひ映画を観てください
ちなみに監督のアレクサンドル・ソクーロフは前述したようにロシア人。この監督の映画を見るのは本作品が初めて。
ちなみにこの監督は歴史上の重要人物を映画にすることで有名ですがヒットラー(モレク神)、レーニン(牡牛座 レーニンの肖像)、そして昭和天皇(太陽)を描いています。
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