大好き!本・花・旅

日ごろ読んだ本や花、旅について綴ります。

ミュージカル小野小町

2008-02-03 17:51:17 | 文化
BS2で放送されたわらび座の舞台は、内舘さんの脚本や朝倉摂の舞台装置や衣装もとてもすばらしく、とても洗練された舞台だった。
わらび座らしく、最初の力強い秋田民謡で幕をあけ、脚本家による美しいだけでなく力強い小野小町の人生が展開され、とてもよかった。
小町や夫に捨てられ、ふるさとに戻った母が死ぬ時、「小町に出会えていい人生だった。幸せだった。」と言い残すシーンは、脚本家の人間を信ずる心がとてもよくあらわれていた。
恋人が100本のシャクヤクを小町の家に植え続けるシーン、2組の恋人の4重奏の歌声、場面転換、戦闘場面、照明もとてもきれいだった。
「死んだら、死体を犬にやって役立てくれ」という意味の辞世の句、子を亡くしたのに藤原氏への反乱に荷担して「母として充分に生きた」というせりふ、強くて賢い女性像、まさに現代に生きる脚本家の心の世界がいっぱいの新しい小野小町像でとても迫力があった。
わらび座の生活や、92歳まで過ごしたという小町の洞窟や、恋人と並んで今も眠る塚の紹介もおもしろかった。
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母べえ

2008-02-03 17:20:59 | 映画
きなくさい現在の日本を危惧して、山田監督が、治安維持法にしばれれ、何も言えなくなった戦前の日本になってはいけないよと、渾身の力をこめ製作した平和のメッセージがいっぱいだった。
ドイツ文学者の父を尊敬し、家族4人で幸せに暮らす一家に、突然父が検挙されるという悲劇が襲う。
母べえは、書生の山崎や地域の人々に助けられ、補助教員をしながら、この危機を乗り切っていく。
ついに山崎に赤紙がきて、さよならを言いに来たとき、「なぜ、あなたが戦争にとられなくちゃならないの!」と叫ぶシーンが心に残った。
当時良心的な人々に悲劇が襲う。やはり、あの戦争がなぜ起きたのか、しっかりと戦争責任を問わないと、母べえのような悲劇を私達は味わなくてはならなくなってしまう。
又、最後の84歳の母べえのせりふや最後の語りにもとても感動した。脚本の良さが心にしみた。小百合ファンは、84歳の小百合さんは見たくないかもしれないが・・劇場は、中高年のお客が多かった。懐かしそうなシーンに笑う声もみられた。
この映画こそ、もっと若い人に多く見てほしい。
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