旅行最終日、まず遺跡保存に取り組んでいるユネスコJASA事務所を訪れた。
日本語ぺらぺらの若いカンボジアの女性スタッフからレクチャーを受けた。
アンコールワットの王様は、自分が神だということを民衆に知らせるために、山を作りたくて、あのような高い寺院を次々と建設したという。
仏教もヒンズー教も多様性を認め、民衆の生活をレリーフに描くなど大切にした。王の道には宿泊所や病院を作るなど、慈悲の心の政治をしたから、平安で豊かな国として繁栄したのだとわかった。現代に通じるものがある。
アンコールワットのおかげで、世界中から多くの人々が訪れ、現代のカンボジアの人々の生活を支えている。
現在世界の49のチームが修復にあたっている。
現状の記録を取り、調査し、解体し、形を変えず、落ちた石は元に戻し、崩れたモノは修復する。2年ぐらいかかるそうだ。砂岩の中にラテライトを入れる。
陶磁器の発掘から、ベトナム、中国、イスラムと交流していたことがわかったという。
庭では、てこで重い石を持ち上げる体験もできた。
次にアンコール小児病院を訪れた。12人に一人の子どもが5歳未満で亡くなるという現実を憂え、なんとかしたいというたった一人の夢から実現した病院。クリントン大統領も訪れたという。
多くの子どもを持つ親子が訪れていた。日本人女性看護士から説明を受けた。
彼女は10年間カンボジアに住み、電気もない、水道もないところで生活し、訪問看護をしているという。「困難こそ楽しい。カンボジアの男性は2,3人の奥さんをもつ等横暴。女性の教育こそが大切。」と言いきる彼女。
今日は朝から、二人の素晴しい女性に出会えラッキーだった。
診療費は500リエル。ほとんど無料に近い。牛や家を売り、地方からこの病院に家族で駆けつける。そんな人のために自炊場や畑まで作られていた。
地方の医療の充実のために、医師や看護士の研修所もあった。
みんな募金をしたり、記念品を買い求めた。
前には、中学校があった。バイクで帰校する中学生。カンボジアではバイクもタバコも年齢制限なし。教育費や医療は無料。
最後に、義足センターを見学した。ここでは、10人が働いている。利用するのは65%が大人で35%が子どもで、完成まで4~5ヶ月かかり、無料だという。
地雷の被害者だけでなく、余り信号もないので、最近交通事故も多いらしい。