Aさんちからの帰路、夜空の瞬きが観えた。我が家に着いて見上げると、北斗七星が北の宇宙に輝いていた。久々に観る星空であった。明日は晴れる。昨夜はとても寝苦しく、中々寝付けなかった。朝起きると雨が降っていた。一日中、湿気の多い日であった。
勤務を終えて、Aさんちに行く。ちょうど買い物から帰って、夕食の準備に忙しい時間であった。裏の枇杷葉が気になっていたので、寄ってみた。枇杷葉の葉は青々と茂り、そこに大きな青い実が見える。ざっと見渡しただけでも、悠に100はある。
Aさんにも確かめてもらい、後日袋かけに行くことにする。枇杷葉の植わっている場所の、条件も良いのだが、大人の親指を一回り越えた大きさだ。土質もいいが、光合成の状態がすこぶるいい。安心して帰ろうとしたら、お嫁さんが乳腺炎らしいと言う。
安全運転で、急遽家まで帰り、きらん草を取って来る。直ぐに取って返し、薬缶に1パック入れ煎じる。赤ん坊はお腹が空いてむずかる。乳を含ませながら、熱のある乳房に触る。熱の固まっているのが視える。当てているだけなのに、電気が吸い込まれる。
赤ん坊が急に乳房を離した。と、母乳が堰をきったようにほとばしった。まるで呪縛が解けたように、白い乳が噴出す。赤ん坊を抱き取って、熱のある母乳を搾ってもらう。みるみる茶碗に溜まっていく。搾った母乳は、南天の木の根元に、預かっていてください。と頼んでうつす。
きらん草は苦いのだが、それさえ我慢すれば、解熱効果があるため、乳腺炎にはとてもよく効く。子どものちょっとした熱冷ましにもいい。枇杷葉の葉を、頭に載せるのもいいのだが、母乳で与えるのが手っ取り早く無難である。初期の段階であったのも、功を奏した。
サンタさんの枇杷の木です。家の軒の高さになったので、これ以上は高くならないようにしなくっちゃ。品種は、淡路田中です。今年は花がつくかしら?