コロナまん延前の通天閣。この色にはどんな意味があったのか。
さすがにコロナ警報の赤ならば、ノコノコ出かけやせぬ。
さすがにコロナ警報の赤ならば、ノコノコ出かけやせぬ。
新世界というところ、正調バーの育たぬところ。
そこでほぼ著者と同い年のバー「Baby」へ。
田中さんは新世界の事情通でもあり、音ネタにも一家言ある人。
そこでほぼ著者と同い年のバー「Baby」へ。
田中さんは新世界の事情通でもあり、音ネタにも一家言ある人。
新世界ネタを教えてもらいに。
ここでは腹が減れば「グリル梵」からカツサンドがとれるが、
そんな大それたことしたことが無い。
小腹が減ってたんで、かへりに新世界更科本店へ。
関西で一番古い更科。新世界でもたぶん最古。
天井は高いし、堂々とした店構え。
恵美須町に続く、新世界本通りで明治から続くのれん。
壁の品書きは二代目の主人が昔書いたもの。
ここの昔に引き戻してくれるような蕎麦は悪くない。
実物の文楽人形が飾ってある。
ああ、相当芸ごとにもお金を使いはったな、と想像。
実物の文楽人形が飾ってある。
ああ、相当芸ごとにもお金を使いはったな、と想像。
昭和20年3月13日深夜からの大阪大空襲で一帯は壊滅した。
この建物は戦後、復元したもの。戦前はもっと奥へ広くて、
先代かな、ローラースケートして遊んだとか。
ちょっと風情があるでしょう。
帳場は網代細工になっている。普請道楽だったとか聞いた。
こういうセンスはただ真面目な蕎麦職人というだけでは持ち得ない。
この厨房との境となるガラスも、舶来なんだって。
この厨房との境となるガラスも、舶来なんだって。
ここでは、珍しいいりどりや、なたねで一杯やりたいな。
蕎麦屋なんだから、普通にうどん屋扱いするには勿体ない。
だけど、あったかいのが欲しいから…迷って、上あんかけ。
あんかけの上で、具沢山のおかめにあんがかかっている。
蕎麦屋なんだから、普通にうどん屋扱いするには勿体ない。
だけど、あったかいのが欲しいから…迷って、上あんかけ。
あんかけの上で、具沢山のおかめにあんがかかっている。
ちょっと肌寒かったんだな、この夜は。
ヤバイなって時は生姜きかしたあんかけがベスト。
なんでも無いようだが、このべっこうあんが難しい。
亡くなった米朝師匠は耳学問のために祇園のお茶屋に通い、
お茶屋遊びするお金もないので、お茶ひいてるおばん芸者
を呼び、仕出しにうどん屋からおかめを取ったんやそうな。
なにがええって、煮たり焼いたりした具がありますな。
これをアテにして酒が飲める。 だし啜りながらもまだ飲める。
この黒々とした甘く炊いたシイタケがいいな。
これをアテにして酒が飲める。 だし啜りながらもまだ飲める。
この黒々とした甘く炊いたシイタケがいいな。
具で飲んで、腹が減ったらうどんを啜る。
こんな便利なもんおまへんでと高座で話していらした。
こんな便利なもんおまへんでと高座で話していらした。
この夜はしみじみ、米朝さんを思い出したりして。
いろんなことが変わってしまわん世の中が一番よろしいな。
今、つくづくそう思わずにはいられません。