もう一軒の小田巻蒸しの店を。
南船場「うさみ亭マツバや」
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外観はさりげないが、きつねうどんはここから始まった。
先代、宇佐見辰一さんは食材から調味料、器にいたるまで
凝りに凝った人物だった。大阪は手打ちやなく、手もみなんです
と言っておられた。
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現在は三代目の息子さんの時代。
小田巻は蒸し時間があるので、手が空いた時でないと対応できず。
この日も昼時を外した時間に、一応予約しておいた。
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丼は正しい錦手。
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2週の1回のペースで、バレエ教室に通ってもう何年になるか。
バレーボールではなく、踊る方のバレエなのだ。
バレリーナと知り合い、おっさん集めて「おっさんバレエ」を始めた。
何度もギックリ腰を繰り返しているうちに坐骨神経痛となり、
これは何かせねば…。もとよりバレエが体幹にいいことは知っていた。
生徒はバーの飲み仲間。もっこりタイツはやめようとステテコ着用とした。
シャレ半分で始めた連中はみなやめてしまった。それぐらいキツい。
終わってたまに来るのがココだ。ホルモン専門店「なかみ屋」。
テイクアウト専門店の右に見えるだろ、小さなスペース。
ここに大男連中が片寄せ、バレエの反省…はほとんどしないが、
今、酷使してきたばかりの肉体の疲労回復に、肉を食らう!
ジュージューホルモンをワシワシと喰い、よく冷えた赤星をキュ~ッ!
何をか言わんや。なんも言わへんけど。
何してるのやわからんな…という声もあるが、イイのだ。
もとより瘦せるために始めたバレエではなく、怪我をせぬため。
関節や筋肉、可動域を増やすために続けているのだから。
そうさ、ホルモンカレーだってやってしまうのだ。
ちょいと口を変えるには、カレー味が有効。
昼の日中に、前を買い物客が通り過ぎていく。
たいがい見もせず行ってしまうが、たまには興味そそられつつ
行き過ぎる人もいる。イイ店の広告塔である。
オッサンの広告塔など、何の役にも立たないけども。
グツグツ旨そうな匂いを放つ、煮込み。
煮込みで焼酎いって、締めるとするかぁ。
汗いっぱいかいて、肉喰って、ああ俺たちゃ生きている…!
これでまた2週間、踏ん張れるってぇもんさ。
川島雄三監督 最後の年となる1963年に撮った「喜劇とんかつ一代」。
ラストは主演の森繁久彌、淡島千景、山茶花究、水谷良重(八重子)らで大団円、歌でしめる。
とんかつの油のにじむ接吻をしようよ
花が咲いて花が散って 太陽が輝いて 水が光ってる
たくましく とんかつを喰い 二人で腕を組んで
大きな鼻の穴で いっぱい空気を吸おうよ ハア~
とんかつが喰えなくなったら 死んでしまいたい
「とんかつの唄」 佐藤一郎:詞 松井八郎:曲
東京映画「喜劇とんかつ一代」 主題歌
タイトルバックは凝り性の川島らしく、プロのとんかつの手順を見せる。
森繁・淡島といえば昭和30年「夫婦善哉」が当たり役となった名コンビ。
本当にキレイだった。晩年、楽屋をお訪ねした際も失礼ながら、美しいおばあちゃんでいらした。
とんかつには庶民性と、生命力と、活力と、どこかユーモラスな喜劇性がある。
とんかつを食べて愛し合おう、生きて行こうという人生讃歌がこの歌にも、
この作品からも感じられた。
これほどとんかつに愛情をもって作られた映画は空前絶後。
見た直後から、とんかつの口になっていたのは間違いない。
とんかつも結構だがね、まあなんちゅうかね(森繁で)…無性にカツ丼喰いたいのであった。
こういうものはだね、遠くまで出かけていくものではない。
家の近所でうまいかつ丼を喰えばいいのである。 歩いて行ける「なかや」。
だが、そうそう美味いカツ丼が無造作に転がっているわけではない。残念ながら。
確信をもってカツ丼を出す店へ。
カツの揚げ具合。玉子のとじ具合。月にむらくもでないといけない。
白身と黄身の部分が完全に混じり合っては面白くない。しかも半熟具合。
カツ丼は間髪を入れず一心不乱に喰わねば美味しくない。
つゆだくなどと無作法なものは好きではないが、白飯ばかりが余る丼は愚の骨頂。
バランスよく減っていき、タクワンで残りのめしを拭い去るように喰う。
止せばいいのに、蕎麦まで付けて、腹ぱんちきち~。
カツ丼ぐらいまだまだどんと来い! これでもう、この夏は必勝であ~る!!