なんだか大阪人のくせに東京に魂売ったみたいに、と言われるかもしれんけど。
だが、東京においては、こういう東京風味さえ急速にヤバくなってるわけよ。
こういう基本の味は忘れて欲しくないわけですよ、ま、東京下町クォーターとしては。
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かつてバイトにいそしんだ日本橋三越前にあるのが、佃煮の老舗「鮒佐」。
江戸から続く名店で、ここの製造部長やってた方の倅が、役者の勝村政信だそうだ。
もちろん、とんかつ屋の小僧の頃には、佃煮なんぞにこっから先も興味なんかなかった。
一番安いのをいただく。
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包みが洒落てる。
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どうさ、この色艶。
浅蜊、あみ、昆布、ごぼう。
ああ、この見るからに濃口醤油で煮〆たようなのが、ないのだ。
このまんまポイッと口に入れて、冷や酒をグイもこたえられない。
ごはんに載せて、冷たいお茶かけてサラサラやったら、無茶苦茶うまかった。
佃煮、侮るべからず!
店内にあった、新派の花柳章太郎の額。
この近所の酒亭「まるたか」を贔屓にした
久保田万太郎も一句のこしている。
日本橋室町鮒佐花火の夜 万
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さて、もう一つの江戸東京風味がこちら。
日本橋「弁松」のお弁当。
元は魚河岸で働く人々へ売った弁当らしい。
これがまぁ、いかにも東京風味の宝箱なのである。
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今どき、きちんと経木の弁当箱。
おかずの味はどれも甘辛い。
この玉子焼の甘さはどうだ。 野菜もしっかり色がついている。
タケノコ、シイタケ、濃い。 だが進むにつけ、ちょっと単調になるのは仕方ないところ。
左の隅に甘味である、豆きんとん。
右端にあるのはメカジキの付け焼き。
メカジキなんて、まず関西ぢゃ出て来ない。 他にいっぱい食うべき魚があるから。
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赤飯のついたセットも人気。
めしがやたら美味い。
おかずが濃いから、めしが進むことよ!
特に手前に入るショウガの辛煮。 ご飯のために生まれてきたか。
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面倒なのは弁当箱に飯粒がくっつくこと。 昔はこうだったよなぁ。
一粒ずつ摘まんでるのがめんどくさくなり、お茶をぶっかけてみた。
箱がしっかりしてるので、漏れることなど無かった。
食後の羽二重団子うまし。
日暮里が本店だが、弁松もともに東京駅八重洲口出た、大丸地下で買える。
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