マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

餃子といえば焼きでしょう・・・か

2010-12-27 17:31:10 | Weblog

阪急総持寺駅前で待ち合わせ。車でピックアップしてもらう。
昭和な風景が残っていた。





10分ほど。店の目の前には、広大な吹田の東芝製造工場の跡地が広がっている。





店は手作り感満載。 とぼけた「ぎょうざ」の看板が杉浦茂っぽくていいね。テヘッ…。

朋友である清水くんが大のお気に入りとなり、何度となく勧められて、やっと実現。
リンさんという中国婦人が一人で、しかも家庭用厨房で料理を作る。

手始めにビールなんぞで、のどを潤し…





枝豆の野沢菜和え

野沢菜のしょっぱさが豆に移り、いい塩梅。ビールに合う。

 



豚肉とレンコンの甘辛煮  

ほろほろと煮込まれた豚肉に、歯ごたえを残したレンコンが好対照。


 

春餅(ツンピン) 

自家製甜麺醤がこれまた美味い。味噌舐めながら、いっぱいやれる。

そもそもコムギ食が盛んに食べられるようになったのは、宋代(960~1279)らしく、
北宋やぶれ、南宋になり、首都が北の河南省から南の浙江省江南に首都が移り、
難民の移動と共に、北方で発達した粉食文化が南方に進出した、とみられる。
(こういうのは見てきた訳ではなく、石毛直道先生のうけ売りである)

それまでは北方ではコムギ、アワ、キビなどが主たる作物であり粉食、南方は稲作地帯なので米食だった。北方では厳しい気候もあり、饅頭(中に何も入らない)が主食である。
一方、南方は豊かな食材があり、飲茶の点心を見て判るように、包子(パオズ)として多種多様に花開いて行く。





リンさんの故郷は広東省湛江市(たんこうし)。
広東省でも最も西に位置し、海南島に近い。
かつてフランス租界があったそうな。


水餃子  
豚肉にセロリ、五香粉の香り。
あんのジューシーさは、角煮を作った時の煮汁を煮こごりにして入れることによる。





ツルリとしているが、噛むと歯茎を押し返すような麺の食感。美味い!
日本人が作るとこうはいかない。





水晶餃子  
焼餃子で。豚ミンチに海老、白菜、ネギ。半透明の皮は浮粉が入る。


ジャンボ餃子  
人参、タケノコ、ピーナッツ、シイタケなどの具が細かく刻まれて入る。 
うっすら透けてるところが美しい。里帰りの際に作ってもてなし、手土産にするという。
大きいので、お腹が膨れるので注意。
 




餅米シューマイ  もちもちの食感の中、中国産くわいがシャリッと心地よいアクセントに。

 


ピータン豆腐  ザーサイとピータンの秀逸な組み合わせ。 紹興酒に切り替え。





青椒肉絲  リンさんにかかると、カラフルな姿に。 春餅に包んで。


 


春雨のイカ風味炒め   
イカ風味を加えるのはスルメ。スルメイカを戻すのではなく、そのまま細かく刻む。
調味料はほとんど使わず、イカが味を出す。こんな使い方知らなんだ。
スルメは細かければ細かいほどいいという。





トマトの玉子焼き  青いトマトでどうなんと思ったが、何の心配も不必要。




冬瓜とピーナッツ炒め  シャキッとした食感!
 


 


土鍋でどん、と出てきたのは、大根スープ。
これがスゴかった。ものすごく淡白。ちょっと遠くで大根の味がする。
何の味付けもなく、大根のエキスだけという。
大根はパズルのような切り方。





無造作に大根だけを茹でても、こんな味付けにはならないだろう。
何を使っているのかは判らないが、湛江ではこうしたスープを出すという。
これを合わせるのが、広東風焼そば。





塩コショーぐらいのあっさり味。しこしことした平打ち麺。


驚愕したのが、デザート替わりに出てきた、チーズ甜餅。
作り方が変わっている。





日本人ならこうはしないだろうという、目からウロコの作り方。
麺をこねて丸く広げ、切れ目を入れ、くるくる巻いていく・・・
上から押しつぶすと、パイのような層になっている。お見事!!
まぁ、ここは現場で見て驚いて頂こう。

脂と黒砂糖。シンプルだが、これが美味いのなんの。

お代わりしたいですか?と言われ、揃って「水餃子と焼餃子」をお願いする。
水餃子を焼くのを「まかない餃子」というのだそう。
リンさん手早い。お代わりもペロリ…。





粉を扱うことでは関西人は比較的得意にしている筈だが、いや、なんの大人と子供!
粉を使いこなして来た、たぶん歴史の積み重ねがちがうのだろう。


旧正月には欠かせない餃子。その頃、またお邪魔したいと思う。
屋号は、溢れる色彩に流れる香り・・・リンさん、詩人ですなぁ。



      溢彩流香 イーサイリュウシャン    茨木市太田3


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堺にておすもじ

2010-12-27 11:32:43 | 

堺というところ、千利休、与謝野晶子、曾我廼家五郎、いろんな文化人を輩出してるが、
割と冷淡。今はどうなってるか知らんが、長く利休生家跡も犬小屋みたいなものがポツンと
残っているだけで、不法駐車し放題だったり、晶子ゆかりの駿河屋もすでにない。


さて、ここは堺宿院に近い山之口商店街。かつては心斎橋に出ずともここで事が足りた名門も
今ではシャッター商店街となっていて寂しい限り。晶子の歌が風に揺れていた。
この界隈、利休生家にも近く水がよろしく、豆腐屋、造り酒屋がズラリ並んでいたという。
灘五郷以前、堺が酒造りの拠点だった。



そんな商店街の中にあった堺きっての老舗寿司店が道一本挟んで去年新しくなった。
立派な料亭然とした一戸建てで、ちょっと敷居が高い。




そもそも、堺では高級寿司としてならした店。
バブルの頃は外車が高級車がズラリと並んだ。




レイアウトは以前のまま。過去に来た時は、カウンターが塗りで
目の前に指を洗うために水がチョロチョロ流れていた。
見た通り、このご時世なのにお金がかかってる。



奥にあるもう一つの寿司カウンター。
実は表では40年からいるベテランの職人が握り、こちらでは当代主人が祇園川上仕込みの
料理を出し、寿司を握る。



戻り鰹



八寸
いくらおろし、雲丹茶碗蒸し、松茸と壬生菜のおひたし、かに酢、クラゲ味噌、銀杏
こういうので酒をやってるのは楽しい。



松阪牛のタタキ  魯山人の器

サシがスゴイ。ボク的には寿司を食う前に肉は欲しくないが、そんな客もいるのだろう。



鯛  薄桃色の身が実に美しい、加太の鯛。



赤身のづけ  この季節はインドだった。

他には、剣先、まぐろ大トロ、甘海老、小鯛は塩昆布で、鳥貝、煮だこ など。



穴子   昔、堺は穴子がいっぱい獲れた。
      今も深清鮨などあるのは、その名残。



巻物  姫胡瓜と糸かつお、 鉄火巻



シメは玉子焼き

料理は京都風、寿司は江戸前。これでもうちょい安けりゃ文句などありません。
あ、表のにぎりとはコンセプトがちがうので要注意。表では比較的安く食べられます。

祇園の芸妓の団扇など飾られ、かなり京風な設えだが、京都などなんぼのもんじゃいという
堺衆の心意気もあろう。少しずつでも地元堺流を前面に押し出して行ってもらえりゃいいな。



        寿司処 弥助     堺市堺区大町東 山之口商店街スグ 
  


堺市堺区と書く度にアホらしい気持ちになる。なぜ行政は昔の町名を大事にしないのか。
政令指定都市だか何だか知らんが、住人には関係なし。長い年月の上にできた地名を官吏どもの合理的かなんかの小理屈でいじられていいものか。

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天満で立ってます

2010-12-21 02:56:52 | Weblog




天一の「よしむら」さんから教わった、新進の立ち呑み屋。

新しいというだけで、ちょっと酒飲みの気持ちは削がれてしまうのだが、
ま、騙されてみましょうと、行ってみた。天満宮の表門あたり。

ここいら、ガラス業発祥の碑があったりする。
古くは天満切り子なんて硝子器で有名だったり、
象印なんてマホービンメーカーはこの辺りから出た。

川端康成がとれたのも、このあたりだ。





店も途絶え、薄暗い中にポツン・・・ほぉ、小洒落た佇まい。
壁面には一面焼酎ボトルが収まる。

奥にカウンターが、そうさね、6~7人も座れるか。
手前に立ち呑みテーブルが2つばかし。

こっちはもちろん、立ちに来た。


ポテサラ  文句なし





胡瓜の一本漬け  いい塩梅





ハムカツ   どストライク。 ちょっと火どってソースで。





焼き塩サバ   ちゃんとしてるなぁ・・・。


小さな女将、東村奈緒美さんが一人で料理し、酒瓶を引っ張り出し、ぐい飲みに汲む。

てんてこ舞いだが、笑顔は絶やさない。 まだ若いのにデキる印象。

つうか、これだけの店を切り回してるのは並大抵ではない。

周辺のタラリーマン諸君にはすでに人気の様子。





ある処にゃ、あるなぁ。



          立ち呑み家 にこ    北区天神橋1



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あの弁当のルーツがこちら

2010-12-16 08:53:47 | Weblog

師走なのに、秋ネタでどうも…。アップするタイミングを失っていたこのお店。
なんせ、名店の類なのであって、私にはなかなか敷居が高い。
襟を正して書こう、なんて思ってる間に、正すべき襟を見失い、時間ばかりがたった。

が、そう遠くなければ行くべき店の一軒であると考える。

松花堂庭園という、茶室が点在する素晴らしい回遊式のお庭を見せていただいてから
お店に入った方が、数倍楽しめること請け合い。





先付 漆黒の盆に緑の酒盃が映える。 我ながら、ピント甘すぎる。





酒は英勲冷酒





菱ガニ、茗荷、オクラ、南瓜、イチジク、割酢・梅肉ソース
オクラ以外は八幡の野菜。ピクルス感覚。黒酢と昆布だしで煮たイチジク。




煮物椀   ハモと加茂茄子  カツオと昆布のだし

茄子は若い、キメの細かいものを使う。カツオの濃さがよく出ていた。このだしなのだなぁ。





  どう?  ちょっと婦人画報を意識してみました・・・





酒は佐々木酒造の純米吟醸「古都」に。俳優、佐々木蔵之助の実家。弟が継いでいる由。
ちょっと甘口で京都らしい味。





造り  左から、鮎・カンパチ・鱧は湯引きぬくぬく 梅肉


遅く来てしまい、駆け足で庭をご案内頂いたのはここの庭園関係者かなと思ってたが、
こちらの村上料理長だった。いやもう、恐縮しきり。それだけ庭がなじんでらした。
飾らない風流な庭で、東京でいうと百草園をちょっとイメージするも、また違うかな。
竹の種類が見事で、椿園や住所にもなる女郎花、水琴窟なども。ゆっくり歩きたい。





八寸  抑えた中にも、さすが吉兆流の華やかさあり。 取り分けの盆。



イチジク・かます焼き霜





柚子釜の中は、活ゴリ(琵琶湖)の素揚げ





柚子釜の中は失念。 名物料理八幡巻きは八幡市が牛蒡の産地だったことから。





蒸しアワビ





鱧ずしも一切れ





落ち鮎  蓼酢 





炊き合わせ  海老・南瓜・茄子・唐辛子などの冷やし炊き合わせ





強肴   茄子炒め煮  





鮎・骨煎餅    パリパリ食べていると、ちょっと残してくださいと言われる。
  




ご飯   翡翠銀杏・むかご 

見渡すと、ずっと緑色が効いている。
吉兆湯木貞一自身が昭和の茶人であり、「華」ということは歌舞伎から学んでいる。





この男山(石清水八幡宮)近くの人々はお米にうるさく、試行錯誤の末、地元八幡の米にしたという。
農家の方々に仲良くしてもらってると、料理長嬉しそうに語る。





残した鮎の骨を砕いて、沖縄の塩をパラパラかけて茶漬けに。

侘びた味わい。美味いが、流麗なあの鮎の姿からこうなると、世のあはれを感じたり・・・。





水菓子   豊水  ピヨーネ





お薄は中庭に出てよばれる。

行燈の絵は、仲居さんが筆をとるというので驚いた。どうして立派なもんだった。

秋の花、すすき・萩など。 もう一つは鳥獣戯画が描かれていた。





南瓜の団子   蒸して裏ごしして、和三盆を使う。





塩番茶  口の中をさっぱりさせてくれる。

松花堂昭乗という茶人が残した縁高の盆を見て、初代・湯木貞一は4つのスペースにそれぞれに
料理を入れることを発想。もとはお百姓の種箱だったともいうが、昭乗は筆や画具入れに使っていた由。その小汚い(失敬)箱を見て、料理に結び付けるのはさすがである。
全国どこにでもある松花堂弁当は、吉兆から始まった。




     京都吉兆 松花堂店      京都府八幡市八幡女郎花


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ライブハウス40年

2010-12-16 08:44:29 | 




ライブもさることながら・・・

ここのビフカツサンドがうめぇのなんの。
音痴のキミも、これだけ食いに行く価値がある。

この日はニューサン、40周年の二夜め。





受付でクジひいたら、ニッカ竹鶴12年が当たった。ラッキ~!!

ここは昔なつかし、洋酒コンパスタイル。カウンター内におねーちゃんがいる。

目の前に立った子は、元仕事仲間の妹だと言うぢゃねぇか。 ドキッ、 悪いことはできないなぁ。

とりあえず、ハイボール掲げて、乾杯だーー。





ここはお初天神通にある「ニューサントリー5」。

1970年開店。40年前つうと、ハナたれたガキだった私・・・





実はここ、全国的に知られた、トラッドジャズの殿堂なのである。

店主の森さんが歌う。お嬢ちゃんが歌う。

1972,3年頃、ラジオから流れてくるここの公開録音で、ニューオリンズ・ラスカルズを知った。

彼らは開店以来、ずっと毎週土曜夜に出演し続けている。 

大人になったら絶対に行ってやろうと思った。ずいぶん遅くなって行ったが、感慨深かった。




ラスカルズを中心にしたジャム。 真ん中のペットは和歌山のみかん山からバイク飛ばして

キタまでやってくるという。道中気をお付けになって。






パッリパリの薄焼きピザも美味!  厨房にちゃんと料理人がいるのでフードも美味いのだ。






連れの若いペット吹きが、こんなのも頼んだ。 俺一人ならチョイスしないがね。


わ~い、イイ気分で酔ったぞ~。 来年も一回ぐらい出して下さいまし。

プレイヤーが11人では、エコノミー症候群になりそうだったが。

場所は、お初天神の1階にお好み焼きの「ゆかり」か何かが入ってるビル。

名ワインバー「Vintage Inn」も1階奥にある。

ここでアペリティフをやるのもよかろう。




            梅田ニューサントリー5     北区曽根崎お初天神通 曽根崎センタービル5F



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