マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

新地親子

2007-09-30 00:55:47 | 

       
蓋をとると、この見事な半熟さ加減!
丼を揺さぶると、白身がぷるぷると動く。
目にもごちそう、鼻にもごちそう。

日本料理「遠藤」はカウンター10席ほどの小さな割烹だが、
料理には定評がある。
昼の手打ち蕎麦と、親子丼はお値打ちだ。

新地近くまで行ってたので、昼はここの親子にした。
13時半、ギリギリ滑り込んだ。

カウンターで眺めていると、ガスコンロ5台はフル回転。
ベテランの職人が次々に丼を仕上げて行く。

丹波地鶏の胸肉が8~10片。丼鍋全体に配置し、しっかりだしで煮る。
三つ葉を一掴み、玉子は2個をさっくりと混ぜてさっと掛け回す。
混ぜすぎると白身に力がなくなり、玉子から表情が失われる。

厨房からご飯がつがれた丼が届く。
丼を揺すっただけでご飯にかける店が多いが、ここは一回ずつ
鍋肌と玉子の間に木ベラを入れて、失敗のないように剥がしておく。
職人、なんでもない動きだが無駄がない。

出来上がりの色艶は、もう見るからに旨そう。
白と黄色が偏っているところが趣があるし、食欲を喚起する。
上親子などで、ここにもう1個卵黄をポンと乗せる店もあるが、
僕にはToo Much。
芳しい香り。濃い目の味付け。丼なんてものはこうでなくっちゃ。
丼を持って、一気呵成に食うべし、食うべし!

漬物も必要ないほどの味のまわり具合。
最後まで飽きのこない味だが、後半、パラリと七味をふると
味が締まってまたまたよろし。

小さな蕎麦がつく 親子丼セットは¥1300。
冷たいかけには刻み甘揚げ、錦糸玉子、海老天がのる。
この一杯が冷たくて、心地いい。
漬物3種。細部にわたって隙のないレベルの高い出来に、
夜の割烹料理への期待感が膨らむ。
昼は予約で、松花堂五千円、ミニ懐石八千円もあり。

これ食ったら、堂島界隈の会社員、OLたちは
さぞや午後からの仕事も頑張れるだろう。
これ食ったのにタラリ~マンはしていられない。
ごちそうさま。ええ、気合入りましたとも。


  日本料理「遠藤」  北区曽根崎新地 船大工通り

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急遽、京橋のキャバレーへ

2007-09-26 04:32:49 | 音楽

急遽出演することが決まった、京橋BERONICA。

うちのドラムスメ、Yu-Caがここで働いていたのだが今月で退職することにしたので、その最後を飾るはなむけライブ。

我々を含めて3バンドが出たのだが、リハーサル中、旧知のNさんとバッタリ。彼らが対バン(共演のバンド)と知った。谷町でスタジオを経営するプロの音屋さんなので、一度聴いてもらいたいと思っていた。ラッキー!

実にお洒落なキャバレー空間で、隠し扉や硝子張りになっていたりして、面白いが何度も道に迷う。こりゃ災害時にはパニくる。

それとオペレーションがこなれていない。京橋という庶民の街なんだからお洒落だけでやろうったって、そうは行かぬ。接客を見ていた訳ではないが、バンドもまた何をおいても出演したくなるような、そういう「何か」が足りない。ホスピタリティというか、気遣い、接し方、万事において微笑みのあるサービスが薄い気がした。
折角、京橋はええとこだっせ…なのだから、是非キャバレー文化を根付かせて欲しいものだ。

因みに、70歳のホステスも出てくるグランドキャバレー香蘭などのキャバレーとはちとちがうので混同なく。

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嘆きのヤキニク

2007-09-24 01:41:00 | 

たまさか、そっち方面に行ってたので、いっぺん入ってみるかとなった
高槻の焼肉G。一度オープン時に入り損ねた。高そうななりをしていて、国産牛の今年のA-5ランクだとかをディスプレイしている。
個室に通されたが急な階段を3Fまで。帰りにすれ違ったお年寄りが気の毒だった。

通された個室は掘り炬燵になっていて、なぜか紅葉したもみじの造花があった。「この部屋担当の某です」というのが来て、お勧めメニューと、ポイントを集めてポルシェが当たる…というフェアの説明。これに軽くイラッ。この部屋担当という割には、あとはてんでバラバラな人が運んできたりするのだが。
お通しにチャプチェ。この315円は商法上断ってもいいそうだが、まぁ許容範囲である。

生小なんぞをもらい、勧められるまま生ものの注文をした。刺身5種盛
1480円。5種類それぞれのタレがある。新鮮ですばらしい滑り出し。

牛刺(わさび醤油)、生レバー(塩ごま油)、ユッケ(卵黄)、千枚(コチュジャン酢味噌)、牛タタキ(ポン酢+ニンニクチップ+酢橘)

細かくサシの入る上等の肉は基本欲しくない。ゆっくりホルモンを食っている場合でもない。メシを食いに寄ったのだから、ごく普通にオーダー。店としては注文して欲しい黒毛和牛ステーキの部や、ミスジ・ヒウチ・イチボなどには見向きもしない。

で、薄切りロース100g980円。「今日に限っては薄切りにできないので手切りになるんですが」と来た。値は同じというのでまぁいいだろう。
それとハラミ80g780円。この辺が最低のレベル。この上に特上・極上とある。ごく普通ので結構。
来たロースがこちら、One Two Three・・・。

ひどく不揃いのロース、これで2人前。発色剤を使っているかのような
真っ赤に写っている。現実はここまでぢゃなかったが。
包丁技が冴えている!端の肉を包丁で見事に切り開いているのがよく判った。こりゃ手切りぢゃないとできんわ。
ハラミは塩コショウ、タレ、ピリ辛タレ…と言われ、最後のを注文してしまった、それがこちら・・・。

ハラミ、固いのに大ぶりのが出てきた。ハサミをもらったぐらい。
ピリ辛なんかにするもんぢゃない。真っ赤な一味唐辛子をかけているわけで、味も肉の色も補正されるというもの。迂闊。塩で食う!と強弁すればよかった。

焼酎はさつま司、切子ガラスで出てきたのは評価。
キムチは乳酸発酵の日数が浅いのか、旨味不足。
なんといっても、肝心要の肉がこれでは・・・。
一番安い肉を頼む客がいないのかも知れぬが、この辺の仕事を
きちっとしてもらわねば、客を軽視しているとしか思えぬ。
高ければいい肉は当たり前。

タレがかなりあっさりしているので、コチュジャンとネギを所望。もちろんタダだろうが、いちいちPOSシステムの端末に打ち込むこたぁねぇ。
お茶まで書いていた。金とられんのかと思った。

チヂミ、カレー味。具はほとんどネギだけ。案外イケた。

チヂミのおかげでお腹が膨れ、ご飯はキャンセルに。
普通なら白いご飯とスープはつき物なのに。ああ・・・
チシャ菜525円も取ったのに肉がこれではダイナミズムに欠ける。
ポルシェ企画なんぞやるより、きちんと焼肉と向き合いたい客のことを考えて、旨いものを出して欲しい。

自家製冷麺の小。1Fのガラス張りのコーナーで手打ちにしている割には食感が足りない。もっと弾力があってもいい。
いろいろありそうなデザートも、この際パス。

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大阪胃袋案内

2007-09-23 01:15:04 | 

イギリス人でパリ在住のマイケル・ブースさんというフードジャーナリストに会った。服部幸應氏や味の素に会い、だしの勉強はしてきたというし、昆布の取材に北海道も行ってきたという。関西でも菊乃井村田氏や門上氏にインタビューをするというので、日本語でも怪しい日本料理の深遠を解説するという役目は私の柄ぢゃない。というわけで、お気楽に大阪のベタ味を案内することにした。
まずは市場から始めるために、黒門へ。浪速野菜を使ったおばんざいの「招福庵」を覗き、あれこれ試食させてもらう。「みな美しみず」の社長、畑さんの顔を見たらホッとした。外国で近所の人に会ったような気になった。やっぱ、ふぐのない黒門はちょっと活気に欠ける。


海外のミュージシャンの招聘もするので僕より大分喋れる千秋女史が同行。ともかく、何年も外国の方と会話していないのでひどい戻り方をしている。聞けない、単語が思い出せない、文法がめちゃくちゃ、電子辞書は忘れる…。平目は絵に描いて説明。果物屋の店頭でもアケビ(紫のヤツ)を聞かれて、しどろもどろになった。
「ボクの日本語より100倍は上手です」とヨイショしてくれるが、うれしかねぇや。こちとら10年は学校教育で習って来てるんだぁ。

日本橋からダラダラ歩いて、恵比須町へ。まずはこっちのフィールドに引っ張り込もうというわけで、軽く串なんぞをしごいてみようと、おなじみの「だるま」へ。もちろん、由緒正しい本店でなければならない。

路地なめの、この店のカットは映画「悪名」シリーズに登場する。
前で立ち回りが行われたりした。ほんまもんのヤクザの喧嘩も店先で見たことがある。ここは昭和4年創業。新世界の串カツではおそらく最古の一軒だ。

ここはいちいち注文を聞いてくれる店舗だからいい。牛肉から始めて、
セーブしながら摘まむ。マイケルさん、この生地(練りやとも呼ぶ)を知りたがったがこれこそが店の生命線アルヨ。小麦粉、山芋など11種類が入る。油はヘット。これも通じない。今調べてみたらBeef Fatとある。ああ、電子手帳…

おなじみの大国町の立ち飲みへ。Japanese Stanndinng Barよ。
ここは魚がいい。鯛のたたきニンニク味噌だれ。鱧など数品。英国はPubなどで立ち飲みは慣れっこだろうが、フィッシュ&チップスよりは日本のアテの方が断然いいだらう。え?
東京はこの2年ぐらいで立ち飲みがバカ増えしているらしい。
やだね、アプレゲールのやるこたぁ。ここは昭和以前からやってんだ。


鱧。関西の夏~秋にはこれがつき物だなぁ。さっき黒門で見てきたとこ。マイケルは「東京と大阪で料理法が違うんでしょう」と来た。そいつぁ鰻だ。
これエノキの若大将が骨切りをした。「案外素人でもいけるもんですよ」
と。ほんまや。骨など全然触らぬ。割烹の技術で一寸に24の包丁を入れるのが名人などと言い過ぎ。案ずるに及ばず。勧められるまま山葵醤油で食ったら旨かった。酒は福島のあさ開。


西成区長橋にある豆腐屋の厚揚げ。見たか、このエッジの立ちよう。わざわざ求めに行くというだけあって、油も新鮮で旨い。お母ちゃんも元気そうでなによりだった。にごりを一杯頂く、こいつは酔う。


ここで河岸を変えて天満へ。この辺りも一大酔っ払い天国で、店の選択には困らない。天満近くのお好み焼きの「千草」へ。
相変わらず旨いねぇ。店主の元ラガーマンも意気軒昂。

この辺りでだしものをご紹介しておきたくなった。
と、ちょいと離れるが天一までさかのぼって「てんま」へ。
店主は倅3人仲良かった頃の船場の松葉家で修行なすった。


松葉家といえばこれ。きつね1人前をお願いしたら、小さいのを3つ
出してくれた。有難いね、気が利いている。
いろいろ取ってシェアする。
揚げ餃子のスープ仕立て。

カレー肉団子。どれもこれも旨い!
常日頃、ここで飲みたいと思いつつ、一人の胃袋じゃ持て余すので
今まで来れなんだ。友達おらんのか!

もうこの辺まできたら、英語どうでもよくなってた気がする。
気持ちだけは関西のうどんのだしとは…に行きたかったんだけど。
ま、いいや。まだまだ行きたかったんだけど、京都勢がタイムアップ。
今夜はこの辺でカンベンしといてやらぁ。

     だるま本店     浪速区恵比須東
   エノキ屋酒店   大国町今宮高校正門前
   千草        JR天満下車 天神橋筋商店街東
   てんま       天神橋筋商店街 天1鳥居前          

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点心らんまん!

2007-09-20 12:02:41 | 

上新庄の駅から徒歩。交差点でどの道行ってみるべ~などと言っていると、不動産屋さんが出てきて、「お教えしましょうか?私の分かる範囲なら」と言ってくれた。この押し付けがましくないところが気に入った。「可門というウチに行きたいんですが」「知ってます。行ってみたいんですけど、主人が怖いらしいですねぇ」と来た。ククク…エライ言われ方や。(もちろん、ちゃんと否定しておきました)車で送りましょうかとまで言われたが、丁重にお断り。こういうのがあるから、街歩きで迷ってみるのもまた愉し。

久々の「炒麺処 可門」。
ザーサイ胡瓜の和え物と焼き餃子にビール。(ハートランド)

この味噌だれが旨い、もちもちの水餃子。
残った皿の味噌だれは、引かれないようして、ちょっと焼きそばを
つけてみたりすると旨い。

夫婦二人であの席数は多いので、それこそてんてこまい。
奥さんは飛び跳ねているし、主人は厨房の中で殺気を漂わせている。
子連れへの注意などがメニューに付加されていて、説明してる時間が無いので、とにかく書いておくという、外国人アーティストとの契約書みたいになっている。フツーに常識ある人ならば全く気にすることなどなし。快適にメシが食える。恐るるに足らず。

忙しそうなので紹興酒もらうにも気が引けた…。
山盛りのもやし炒めもみるみる減って。

胡麻いっぱいの坦々麺。辛くないタイプ。旨い。
そして、この店のメインディッシュは・・・五目炒麺。

両面をこんがり焼いた麺の上から具沢山のあんがざぁっとかかる。
これは具を下にしてもらったもの。この方が最後まで麺のパリッとした食感が残る。ここの炒麺は広東料理の手法だったっけな。
麺はストレートの伊府麺(玉子麺)。

いつもながら快調な味。
夢はここでのんびりゆっくり酒を飲むこと。
点心屋だからすぐにお腹一杯になってしまうのが難といえば難。
アンティパスト・ミストみたいなちょいとした小さなおかずの盛り合わせ皿みたいなのをやってくんないかな。それで紹興酒をやる。
なんてこと、あの多忙の中、言えるはずもない。
夢は夢で結構。

    炒麺処 可門    東淀川区菅原3丁目

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