蓋をとると、この見事な半熟さ加減!
丼を揺さぶると、白身がぷるぷると動く。
目にもごちそう、鼻にもごちそう。
日本料理「遠藤」はカウンター10席ほどの小さな割烹だが、
料理には定評がある。
昼の手打ち蕎麦と、親子丼はお値打ちだ。
新地近くまで行ってたので、昼はここの親子にした。
13時半、ギリギリ滑り込んだ。
カウンターで眺めていると、ガスコンロ5台はフル回転。
ベテランの職人が次々に丼を仕上げて行く。
丹波地鶏の胸肉が8~10片。丼鍋全体に配置し、しっかりだしで煮る。
三つ葉を一掴み、玉子は2個をさっくりと混ぜてさっと掛け回す。
混ぜすぎると白身に力がなくなり、玉子から表情が失われる。
厨房からご飯がつがれた丼が届く。
丼を揺すっただけでご飯にかける店が多いが、ここは一回ずつ
鍋肌と玉子の間に木ベラを入れて、失敗のないように剥がしておく。
職人、なんでもない動きだが無駄がない。
出来上がりの色艶は、もう見るからに旨そう。
白と黄色が偏っているところが趣があるし、食欲を喚起する。
上親子などで、ここにもう1個卵黄をポンと乗せる店もあるが、
僕にはToo Much。
芳しい香り。濃い目の味付け。丼なんてものはこうでなくっちゃ。
丼を持って、一気呵成に食うべし、食うべし!
漬物も必要ないほどの味のまわり具合。
最後まで飽きのこない味だが、後半、パラリと七味をふると
味が締まってまたまたよろし。
小さな蕎麦がつく 親子丼セットは¥1300。
冷たいかけには刻み甘揚げ、錦糸玉子、海老天がのる。
この一杯が冷たくて、心地いい。
漬物3種。細部にわたって隙のないレベルの高い出来に、
夜の割烹料理への期待感が膨らむ。
昼は予約で、松花堂五千円、ミニ懐石八千円もあり。
これ食ったら、堂島界隈の会社員、OLたちは
さぞや午後からの仕事も頑張れるだろう。
これ食ったのにタラリ~マンはしていられない。
ごちそうさま。ええ、気合入りましたとも。
日本料理「遠藤」 北区曽根崎新地 船大工通り