マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

堂島の老舗洋食店に最敬礼

2018-07-29 14:33:13 | 大阪キタ

 困ったもんで、洋食大好き、揚げもん大好きな訳ですよ。

 堂島辺りでお昼に差し掛かるので、絶対ここと決めていた。

 1963年創業の「レストラン・インペリアル」。

 55年にわたって、周辺のビジネスマンの午後の英気を養ってきた一軒。



   

 

 インペリアル…帝国ですよ、帝国。 初代は帝国ホテルで修業したのかどうか、それは知らない。

 たぶん15年ぐらいは来ていない気がする。 

 

   

 

 某放送局へ向かうために、前は通っていたんだけどね。

 使い込んだ感のあるファサード。そりゃ人間だって55年生きてくりゃあ…。

  

   

 
 久々に来たんだから、スペシャル感の響きにやられ、スペシャルランチを所望。

 昼を少し過ぎて来たから、客はまばら。

 店内もいい感じに時を経ているが、よく掃除されていて油っ気は感じない。



   

 

 カウンターの調味料も正しい配置。これぞ、洋食店だ。

 バカでかいフライパンは、デミグラスソースを作る際に、肉や野菜くずを炒めたり

 するのだろうか。 調子づいて振り回してたら、確実に腱鞘炎になるな。
 


 注文と共に、ストーブ前の職人が油にカツを投入。

 もう一人が皿に野菜の付け合せをセットする。

 揚がったカツをパスされて、この人が盛り付けて仕上がる。




   


 
 ほどなく、スペシャルランチ、一口とんかつが登場。

 端正なルックス。

 形がいろいろなのが5枚。

 そこへデミグラス系のソースがかかる。



   


 
 思わず笑みがこぼれるほど旨し。 

 肉は柔らかすぎず、固過ぎず。

 ごはんも結構な具合。 

 洋食はごはんに合わねばいけない。

 極論すれば、ごはんを美味しく食べさせるのが洋食ではなかろうか。


 

   



 丁寧な付け合わせ。

 きちんと巻かれて鎮座するカレー味のパスタに、思わず涙が出そうになる。

 こんな世の中だが、老舗洋食店のプライドというのか、

 良心を見せられたような気がして、じんときた。

 旧弊だか時代遅れだか言う奴はいるだろう。 だが洋食屋はこうでなくてはならない。



   



 ひょっとすると、建て替えやなんかの話もこれまで出ただろう。

 だが、それを跳ね返して頑固にここを守ってきた風に見える。

 いつまで続くかわからないが、いつまでもあってほしい。

 ささやかな城ではあるが、類を見ない威厳のある帝国がここにある。

 
 

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真新しい、新開地の落語席 見参!

2018-07-20 01:46:33 | 神戸

今日は声を大にして言っておかねばいけません。

7月11日、新開地に待望の落語の定席「喜楽亭」が誕生しました!


パチパチパチ、ヒュ~ヒュ~、ヤンヤヤンヤ、てんやわんや…

縁あって、二日目に覗いてまいりました。

 

阪急新開地駅から、喜楽館こっちの表示に従って出ると、






こんな感じで、ホームから上がれば、聚楽館(現ラウンドワン)のわき。

こいつを湊川公園の方向へ。



 



いい天気の昼間、薄暗いのがアーケードの宿命。

雨には強いが、デイライトに弱い。

天板が自動開閉式になってりゃいいけど、大金かかるしね。

ほどなく、大きな提灯。

左側に小屋がある。









見ようによっては、どこぞのチャペル風。







今日はこれを見に来た。

桂あやめの会。

彼女は地元っ子らしい。

灘中・灘高・京大法学部卒・噺家という何があったか、桂福丸くん。

書生節の旭堂南海さん・宮村群時さん。








この日だけ、神戸名物のメロンパンをもらった。

神戸ではまくわ瓜型のこれがメロンパンで、

表面が固くて砂糖がまぶしてあるのは、サンライズというらしい。







終わってポイッと出て、さぁ、どこぞに引っ掛かろうか。

ところが、木曜休みが多いのか、新開地よるが早いのか。

知った焼き鳥屋に行ったが、扉を閉めてるところだった。







ひょいと裏通りに入った「世界長直売所」へふらり入る。



 



家族経営がいいね。おねえさんがカッコイイ。
 


 


鱧の皮と胡瓜のザクザクで燗酒。

世界長って、今や沢の鶴が作ってるのか。


表の方に同じ屋号の店がありましたが…と聞くと、

おやじさん、ポツリと「あっちは弟子の店です…」

シビレたね。 

 

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夏限定、しがらきなるものをご存知か。

2018-07-15 22:43:57 | 大阪キタ

 

一枚の写真がある。


 



何の本だったか、さだかではないが、

昭和30年代、屋台のわらびもち屋のおっさんが、ポン菓子屋のおっさんとすれ違う瞬間。

屋台の進行方向で屋台につかまってるガキがいるが、轢かれるぞ。

ボクらもまさにこんな屋台を目の辺りにしていた年代。


親は「あれは衛生的ではないからアカン!」と言ってたが、腹へらし小僧としては興味津々。

ピンクに緑に白、黄色などきれいな粉を積んでる屋台のおっさんの所作を飽きずに眺めたものだ。

あの緑は青のり粉だろう。

だが、わらびもちに使うと聞いたことが無いので、ずっと引っ掛かっていた。

長じて、大島渚の「太陽の墓場」を見た時、冒頭、西成の屋台が出てきて、わらびもちと並び、

しがらき…とあった。これだ!

それから、ずっとしがらきが気になって気になって、この日、出入橋に足を延ばした。





 
 この右斜め上方向に、JR大阪駅の貨物レーンがあり、そこに引き込まれていた水路。

 梅田入堀川にかかっていた、これが出入橋。 

 水路は埋め立てられ、橋はただの道となっている。

 

 



ここに昭和の初めからあるのが、出入橋のきんつば屋。

織田作之助の小説「アドバルーン」にも出てくる。

オダサクはデカダンやなんか偽悪ぶっても、下戸の甘党であった。


ここで、今となっては絶滅危惧種である「しがらき」が喰えるという。

なに、うちの近所には普通にあるよっていう神戸方面の人がいるかもしれぬが、

ここは話を合わせて、進行させてくれえ。



 



昼さがり、店内には女性しかいない。

まかり間違って、オッサン侵入してしまったみたいぢゃねえか。

きんつば焼いてるオッサンと目が合ってしまう。軽く会釈する。む…無視かえ。

左にはかき氷の女性二人。 右にはなんだかあんこものを食ってる二人。


去年フラレたので、一年半ほど待ったことになろうか。

慌てず、騒がず、おばちゃんに、「しがらきください…」

しばし、来たのがこれ。






わらびもちと一緒に売りに来た、夏の菓子と聞いていたので、

もうちょっと、ツルンとした、あんぺいのようなものを想像していた。

ちょっと見にくいから、反転。






 
長いもの輪切りのように見えるのは、半ごろしのもち米。

それ自体には味は無く、砂糖ときな粉・つぶあんが載っている。

昼くった後にこれは、なかなかヘビー。

全体に冷してあるが、 びっくりするほど冷たくはない。



 

 

夏のおはぎ・・・そういってもらえた方が分かりやすい。

もち米のブツブツした質感が、信楽焼きに似ているからこの名前があるとか。



根強いファンはいるだろうが、そないにおはぎが好きではない単なる酒飲みには、

なかなか、どうして、のつこつと、喉の通りが悪い食いものである。 

お茶の存在が、有難い。

しがらきの皿を前に奮闘するおっさん独り。かなり奇異に見えたろう。







好奇心だけで手を出してしまったが、いや、やはり、こいつばかりは喰ってみないとわからない。

しがらき…いつまでも生き延びてくれることを、願わずにはいられない。

 

     
       



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アタシにゃ珍しいのだ。ベトナムめし

2018-07-07 21:24:39 | 大阪キタ

 地震が終わったかと思うと、猛烈な大雨が続いている。

 北摂には瓦屋根に損傷受け、ブルーシートを掛け修理待ちの一軒家が多く、

 そこへ無情の雨。雨漏りで大変な家も少なくないだろう。

 被害を受けた方に心よりお見舞い申し上げます。




  


 

 茫日、訪れたのは淀屋橋ODONAのベトナム料理「インドシナ」。

 東南アジアで最もフランスパンが美味いとか、ベトナムコーヒーがいいとか言われるのは、

 フランス領だった時代があるからだけど。 ベトナム取材もしたけど、どうもピンと来たことが無い。

 メコン川の獰猛な魚の唐揚げを喰ったが、ウロコが逆立って、集合体恐怖症気味の私には

 アンコールはない話。 印象としては豊富な野菜を巻き込んで食べる料理が多い。

 しかも、ベトナムに旅してたら腹減るから食べるけど、日本国内にいてその気になることはまず無かった。
 



    



 しかし、ま、今回は必要に駆られてやってきた。

 この後、ここでゴイクン(生春巻)の取材があるわけで、食べておかねばお話にならない。

 真昼間を外した、ランチ時の最後ぐらいだが、女性たちでほとんど満席。

 すごいな、女性というのは。 淀屋橋界隈のビジネスマンは、もっと直接的に食欲に

 訴えて来るものを食べてそうな気がする。 一人でこういう店に入って来るのも圧倒的に女性。



    



 なんか、セットメニューにして、ゴイクン1本を追加してみようか。

 さらめしセット…NHKの中井喜一がナレーションする番組を思い出す。 

 味がわからんので、どれ喰ったらいいのやら、迷いまくった。 



    
 

 
 「鶏もも肉のタレ焼き」¥950 香ばしく焼いた皮が美味。ピリ辛のソースと・・・

 というキャプションに乗ってみた。

 鶏モモでこの値段はまぁまぁ安くはない。

   

    



 追加の生春巻、1本¥100はお得。

 アッサリしてて、中の春雨やらにもほとんど味はつけられていない。

 甘酸っぱいソースも残りは飲んだほど。


  しかし・・・ しかしである・・・



    



 どう食べ進めばいいのかがわからぬ。 エビせんやドレッシングもかかっていない生野菜は

 当然のごとく、ご飯のおかずになってくれない。

 ピクルスや甘いゼリーみたいなものも、めしには合わんわな。

 とすると、鶏もも焼きのみで喰わねばならんのだが、 どうも両者ともパサついてしまい、

 喉の通りが悪い。 めしとおかずのバランスが非常に取りにくいッ!



 カレーや丼などの汁かけ飯に馴れてしまってるので、こういう渇き系になると、

 途端にめしが進まなくなる。 ついて来たスープだって、どうも薄ぼんやりしたものだ。

 ベトナムめしってこんな感じだったっけな。

 やっとの思いで、残っためしを掻き込んだ。



    


 
 これは特に作っていただいた、ミミガー・パクチー・春雨などのゴイクン。

 ミミガーの食感はゴイクンにしても面白い。

 ただ春雨も戻しただけで、ほとんど味が付いていないので、その部分はツライ。

 自然とソース(付けダレ)に頼る。 それが無いとしんどいほどのアッサリ味。



 アタシが日常、どぎつい濃い味に馴れ切ってしまっているのだろうか。

 はたして、次にアタシがエスニック系の店の敷居を跨ぐ日は、来るのだろうか。

 そんなもん、他人さまに聞くな。 




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