大阪駅からひと駅の福島だが、梅田界隈よりも使いやすい小さなレストランや料理屋やワインバーがあったりする。
この離れ具合がいいともいえる。
路地にある「ラ・ルッチョラ」というイタリアンもそんな一軒。鈴木浩治シェフは一度仕事をさせてもらったが、かなりのイケメンである。
ある日のランチをここで。打ち合わせがてらなので、酒がないのは甚だつらいところ。なにワインの一杯二杯…と思うのだが、こっちからは言い出せず、水で食べることに。なんだかせつない。
アンティパストは、琵琶湖の深いところで獲れるというビワマス。
それを軽い塩とオリーブオイル。桃と合わせて。
鮭鱒は特に好きでもなく、刺身で出てこられるとどうも釈然としないのだが、この鱒は旨かった。
トロリとした身は緻密で桃の甘みと合わせると、同時に溶け合って消えてゆく。淡水魚にはない濃厚さを感じた。余韻の残るところへ辛口のよく冷えたスプマンテを含みたいもんだ。
パスタは写真撮らなかったが、ショートパスタの豚肉のラグー。
美味。判り易い味。打ち合わせ、そっちのけで食べる、食べる。
アコウのアクアパッツァ。
飛び跳ねる水の意味。魚を焼いてから水を加えて、蒸し焼きにする。
いい魚はいろいろゴテゴテ手を加えない方が旨いと思うのは、イタリアンも日本もおんなじ。自家製のドライトマト。
あ~キリッとした白ワインが飲みてぇ。
店ができた時分に来た頃は暇だ…とか言ってたが、なんの今では繁盛店になっている。
こういう店をええかっこせず、一杯飲みで使えるようになりてぇもんだ。
ラ・ルッチョラ 福島6丁目 火休