マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

北新地系、高級おでんに舌嗤い

2018-02-28 23:53:03 | 大阪キタ

大阪のおでんというと、関東煮(かんとだき)である。

だが今から40年ほど前になるか、堺の「たこ吉」が煮物椀風のおでんを創案。

スゴイ店があると、食いしん坊は車飛ばして堺まで行ったものだ。

その後、さらに「てんまみち阿田」などが酒を飲ませる店にしてブームを作り、

それをさらに料亭が高級化したものが、北新地「万ん卯」系の高級おでん。







北新地でうわさの「長楽」で会食あり。

主人は、その万ん卯で長年料理長を務めた大迫氏。

出勤前のきれいどころがお客と同伴でよく使われる。

ビルの9Fの条件なのに、ほぼ満席状態はすごい…。



まずは大根。 小ぶりの器に上品に盛られて運ばれてくる。





 

いか団子に鳥の団子。

だしが淡い吸い物のようである。



 



さえずり 鯨の舌。 

鯨が希少価値といわれながら、ある所にゃあるのである。







牛すじ

すじでもいろんな部位があるが、ここのはアキレスを柔らかく炊いてある。







品書き

名品という釜飯はこの日、すでになかった。







口いやしい私など、二段は行けるな…ウン。

だしは一皿ずつ、味を変えて来る。





常は見栄を張ってたのまない玉子。

半熟玉子とあっては、所望してしまう。









カキフライは、さすがにカキフライだった。







もちと岩のり







香り高い岩のりの中に小さな餅。

ドレスや着物の女性たちのお口には丁度良いサイズ。

私には少々物足りず、その分、日本酒をいただいてしまう。 



 



デザートにわらび餅とぜんざい。

少しなので両方いただいてしまう。



 



北新地のおでん、おそれいりましたッ!

 

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道頓堀、これもありだよ人情喜劇~完結編

2018-02-28 00:00:38 | 大阪ミナミ

いけねぇ、うかうかしてるうちにもう2月も終わろうとしている。

なんだ、この早さは。二月は逃げるというのは本当だなぁ…ジジイか。

ともあれ、松竹座千穐楽の写真を載っけて、こっちも大団円としたい。



 


おかげで久々に道頓堀に何度も足を運ぶことになった、今月。


  道頓堀の雨に別れて以来なり  水府


川柳結社番傘の主宰者でもあった岸本水府の名句。

丁度、ナンバ一番のあった辺りにTSUTAYAとスタバが出来て、

ミナミのど真ん中で小仕事片付ける時に非常に重宝している。



さて、松竹座の楽屋口を入れば…頭取部屋の前に着到板がある。






なんとか大過なく千穐楽まで来ました。

役者さんたちはポンポンと手を合わせます。

千秋楽の「秋」の字を使わないのは、劇場に「火」は禁物だから、

ゲンを担いで、縁起のいい「亀」の文字を持ってきたそうな。


 

楽屋出入口の目のつくところに掲示板。


こういう風な掲示物をきちんきちんと作って、
スタッフの気分を裏から盛り上げるのも

劇場側裏方さんのお仕事。 ご苦労なことです。 
細やかな女性にしかできません。

 

 



終わってからはすぐに三々五々劇場を出るので、午前と午後の間に

手締めをするというのだ。へぇ~。






そして…芝居は滞りなく終焉を迎えた。

何度も見たくせに、また涙腺に来てしまった。

まんまと作者の思惑にはまるのが悔しくもあるが、しょうがない。


赤井英和くんの盟友、トミーズ雅くんはすでに来ただろうか。

彼ならきっとガオ~と泣いてるだろうなと思いながら

楽屋へのエレベーターに乗ったら、びっくり!一階から夫婦で乗ってきた。

さんざん泣いてたとのことで、一緒に楽屋へ。




 

 

楽日の楽屋は慌ただしい。

娘センコ役を演じた三倉茉奈ちゃんと。 よく出来た娘だった。

さすがに雅くん、イイ顔をしてるなぁ。



 

 

小川菜摘さんの楽屋。 菜摘さんはダウンタウン浜田の奥さん。

雅の同期のヨメという訳だ。



気がつけば、壁の掲示板はこう変わっていた。






客の入りが悪いとこういう端々にも影響があるんじゃないだろうか。

最後までよく入ってくれたので、劇場側の人々もなんか対応が柔らかい。


 


手慣れた赤井くんの後輩たちによって、楽屋のものは次々に段ボールに

詰められ、自宅郵送の手筈が整えられる。

アタシは戦力にならず、眺めているだけで…


かくして、楽屋は花も何もない、ただのひと気のない殺風景な小部屋へと還っていく。


作演出のわかぎえふさんににこやかに送られて劇場を出る。

上機嫌で何よりであった。



 



隣り合うのは、すき焼きの名店「はり重」本店。

ここでカレーはよく食べるが、すき焼きの方は初めて。






30年、35年という大ベテランのお運びさん方がいて、安定感バツグン。

すごいなぁ、道頓堀のヌシみたいな女性たち。

社長も顔を見せてくだすった。




 


見事な但馬牛だ。

ここからは正直、ベテランの牛鍋屋のおねーさんの技術が見たかったが、

なんだ、割下ぢゃねえか。







いやいや、割下に罪などない。

オバハンではなく、赤井くんの後輩が甲斐々々しく作り始めたので、

それを制止してまで、オバハンに作ってもらうことはなかろう。



すこぶる美味しくいただきましたとさ・・・ごちそうさんでした! 

来月は新歌舞伎座で会いましょうってな感じで。 幕!



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道頓堀、これもありだよ人情喜劇 ~続々編

2018-02-14 16:05:32 | 大阪ミナミ

道頓堀通いの日々が続くと、さあ、お昼は何処で食べるかということになる。

先にもふれたように、昼飯時間は短い。 選択肢はそうあるぢゃなし。

ってとこで思い出したのは、御堂筋を西へ渡ってすぐの「大黒」。
 

 



 

この佇まいがいいでしょう。 

東京の下町のようだが、どこかにはんなりとした上方らしさが漂う。



 



かやくごはん一本で百年以上ののれん。

昔は、かやくごはんの店がたくさんあったらしい。

織田作の「夫婦善哉」に出てくる、かやくごはんと粕汁の「だるまや」(本当はだるま)や、

相合橋筋にある「福家」なんてのも、かやくごはん屋だったと聞く。





 

10人も座るといっぱいになる店内。

ここは池波正太郎が書いているが、辰己柳太郎や島田正吾、新国劇の連中も

通ったという。辰己は豪快なああいうキャラだが下戸につき、ごはんものとなる。







織田作も来てるに違いないが、「だるま」派だったのだろう。

だるまではおかずの棚をガラガラと開けて、自分で取ってきて一杯やったもんだ。

アタシの学生時代はまだあったのだ。

かやくめしは豌豆が載ってたような記憶、嫌いぢゃないがアタシャ大黒派。

もちろん、ここでも一杯。








おかずを見つくろって…と








あとから来た客たちは、さわらだ、ぶりだ、しまあじだと魚を注文して、

かやくごはん喰ってやがんの。 おまえら金持ちかえ。

昔はそんなもの頼むのはお大尽と決まっていた。








きんぴらとぬたで燗酒。

眠くなるといけないので、これっきり。



いいかえ、かやくごはんてなものは、おかずいらずのものなんだ。

おかず喰いたきゃ、白飯出す店に行けばいい。

第一、かやくごはんのおかずはみんな、ちゃ~んとご飯の中に入ってる。

ごぼう、こんにゃく、油揚げ…てなもんや。

芸者衆が食べに来るために、大口開けなくていいように具も米粒と合うように

細かく刻んである。







ご丁寧に香りのいい海苔までかかってる。

これに熱い汁でも付ければ、何をかいわんや。




 


白玉 (白味噌、卵入り)

ここだと大阪風に白味噌を頼みたくなる。



中に半熟のポーチドエッグが入る。

途中で箸でつついて、ポワンと卵黄の色が上がって来るのがたまらない。








しばらく来れないだろうから、かやくごはん大。 男らしい。


なんやかんやで魚頼む方が安い、てなことになるが、そこはこだわりっちうやつ。


そうそう、変えるわけにはいかない。


ああ、めんどくさいオッサンやがな…。




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道頓堀、これもありだよ人情喜劇 ~続編

2018-02-12 02:19:34 | 大阪ミナミ


さて、初日(2月1日)雨もよう。 松竹座にはまずまずのお客さんが詰めかけた。 よかった…。




 



よくを言えば、ここといい京都南座といい、もはや座席が昔の人サイズ。

横に大男に座られたら窮屈で仕方ないし、前の座席との間が狭すぎる。

観劇中、知らない隣人と肩が触れ合うのは不快なものだ。

シネコンのゆったりした座席に馴れた現代人には、もはや苦痛を強いるようなもの。

国際化も考えた時、大改造もぼちぼち本格化すべきだと言っておく。







芝居は快調に進む。

1時間10分で一幕終了、30分の中入り。

急いで向かったのは、お隣り「はり重」の新御堂側に面した「はり重カレーショップ」。

ここでササッとカレーなんかをやっつけよう。








たのんだのは、とんかつカレー ¥950

ここのカレーソースは、昔風の欧風カレーだ。

百貨店の大食堂なんかこの感じだった。

脂の少ない、食べやすいとんかつではある。







とんかつの衣はカレーソースを吸ってしまうので、

カレーをかけるのではなく、ここのように上にカツを載せるのがよろしい。

アタシの場合、ここにウスターソースをかけたい派。

つまり、とんかつそのままと、カツカレーの両方が楽しめるというわけ。

ベテランのホール係も、なつかし系である。




そうだ…初日の前に、忘れてはいけない出来事があった。









赤井くんも病床を訪れて励ましていたが、初日の幕が上がるのを知らずに逝った。

ET-KINGの顔であり、精神的支柱だったいときんの死。

この芝居の告知の豆まきの記事と隣り合って死亡記事が出た。なんたる巡り合わせ。


しかし、幕は開く。 SHOW MUST GO ON 客は待っていてはくれない。 

いときん高い処から見ててくれ。 R.I.P.






                            道頓堀川の船上、ありし日のいときん



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道頓堀、これもありだよ人情喜劇

2018-02-11 18:47:19 | 大阪ミナミ


ひさびさに赤井英和座長の芝居が大阪松竹座で始まった。

「泣いたらアカンで通天閣」。坂井希久子原作、わかぎゑふ脚本・演出。

わかぎさん演出では、かつて織田作之助の「わが町」が赤井の佐渡島他吉で上演され、 

それなりに評価があった。 個人的には再演を熱望するもの。


赤井君に稽古の進捗状況を聞くと、それなりに良いホンになってそう。

あとはチケットがどこまで動くか、先輩後輩・友だち仲間にも緊張がはしった。 

ひさびさの座長公演、これ入らなかったらキビシイ。 

 

  


  

 
赤井が新世界の場末のラーメン屋主人。そのしっかり者の娘に三倉茉奈。

他、大阪の役者、噺家、元OSKのトップなどが脇をかためる。

笑って、ほろっと泣ける、人情喜劇。 どちらかってぇと、苦手な世界ではある。

徹底的に笑わせてカラッと締めるのが一番いいと思うからだ。



  


  
ゲネを見せてもらったが、これが舞台装置。 ミニチュアに見えるかもしれないが実寸。

このラーメン屋「三好屋」を載せた盆が回り、場面が転換する。

その都度、通天閣が移動する。

ゲネの舞台。三倉茉奈ちゃんと、曾我廼家八十吉さん。



  

 

  初日前日、楽屋前。 役者それぞれののれんが掲げられ、楽屋花が次々に届く。
 
 

      
 


   初日にはこんな具合に…。 花が一本も届かない役者はどうするんだろう。

   自腹切ってでも配達させるだろうな。 見栄があるもの。

 

     

 

 

   赤井くんの楽屋も、化粧前の準備が整った。

   あとは初日の幕が開くのを待つだけ。



      

 

   幕が上がる・・・。
     

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