マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

牡蠣ともぼちぼちお別れなのね

2012-03-31 20:48:14 | Weblog

牡蠣船しっとるけ。

いきなりワイルドな物言いだが、水都大阪には川が多く、
主要な橋のたもとには、牡蠣船なるものが舫いであった。

秀吉の頃だったか、大坂で海難事故が起こりそうになり、
その時、救ってくれたのが広島の漁師たちだったとかで、
それから大坂で牡蠣の営業を官許とし、季節になると広島から牡蠣を積んだ
船が来て、暖かくなる時分に帰って行った。
淀屋橋南詰東側にある、「かき広」はその名残である。





池田市の「かき峰」、尼崎「かき金」などもさかのぼると牡蠣船になるのだろう。
池田まで食いに行ったり、冬になると伊勢的矢の「いかだ荘」や「橘」、
佐藤養蠣場などに行き、社長に焼き牡蠣でシャブリ抜いてもらったりした。
あの頃がささやかな我がバブル期だったのかもしれん。




岡山日生の牡蠣、ぷっくりと大粒の身。味も濃い。
生牡蠣2個、580円とかそれぐらい。


ここは阿倍野の裏街道にある、「牡蠣ヤマト」という牡蠣料理専門店。
もう暖かくなると雰囲気ではなくなるので、(でもここん家は年中食べられる!)
今のうちに書いておきたい。


牡蠣はおとなのものであって、ガキはすっこんでいてもらいたい。
それもそのはずで、気をつけても少しずつ雑菌を持っているので、元より子供は苦手にできている。
免疫力のある大人ならばいいが、個人差や体調によっても“過ぎると当たる”こともあらぁ。
でも、美味いのだから仕方ない。覚悟して食べよう。






牡蠣ステーキ うめぇなぁ~。 
ここんちはワインも日本酒もいいものを揃えている。

場所は阿倍野筋と飛田遊郭の間にある、あべのポンテ。
少し前までは、よちよちと車を押す老人と猫しか通らないような、
寒風吹きすさず場所だったが、あべのQ'sモールができて、人の流れが変わったという。
世の中、何が福となるかわからない。





牡蠣のチャンジャ春巻き  これもなかなかの名作。
文字通りの牡蠣とチャンジャ。パリパリ&ピリ辛でビールなどによろしい。





なぜかおっさんは牡蠣フライ好きである。
タルタルとウスター、両方つくのが、さすが解っている、どちらか一方では寂しい。

独身の頃、ワンパック買って、みんなフライにして食った。
それぐらい好き。





甘辛くたいた、オリジナルの牡蠣の佃煮。
こいつを炊き上がったご飯にまぶして蒸らせば、牡蠣めしになる。
酒にもむろん良。バーにある牡蠣の燻製の缶詰を思い出す。
あれもウイスキーの合いの手に、バカに美味い。





極め付きはこれ。
日生名物 牡蠣お好み焼き 通称かきおこ。
日生はかきおこで町おこしをし、B級グランプリにもこれで出場した。


かきがゴロゴロ入り、天カスがサクサク感を出し、いい仕事をする。
岩塩で味が付いているのでこのままでもよし。





ポン酢、ピリ辛マヨネーズ、ソースが添えられる。
あたしゃ、ソースかな。


暖かくなるってえと、南の方から桜だよりが聞こえ出し、
それにつれて、牡蠣・ふぐ・かになど、冬のうまいものが姿を消す。
旅立ちのとき、別れと出会いの季節は、食べ物にとっても同様にやってくる。


当たり前のようだが、少しせつなくもあり、
しかし季節に耐えて、また晩秋を迎えられると、にこやかに再会できるというわけだ。

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アール 追想

2012-03-30 06:35:25 | Weblog



                Earl Scruggs   1924 - 2012



今宵、行きつけのバーにDVD持ち込み、在りし日の勇姿を眺む。
タイミング、ボリューム、バックにまわった時の心地よさ。これを天才と言わず誰を言おうや。

ビルモンローの偉大さは当然だが、やはりアールスクラッグスのバンジョーのエポックなアイデアと高い音楽性がなければブルーグラスは成立していなかっただろうと思う。


アールとの出会いは中学時代に聞いたFoggy Mountain Breakdown。
あれ以来、あんな機関銃のような音が出るバンジョーは聞いたことがない。
どうなってるんだ、ありゃ。


アールの愛すべきエピソードをひとつ。


ボクの友人がティム・オブライエンと共同でプロデュースしレコードを作っていた時のこと。
一曲アールに加わってもらうことになり、ご登場ねがった。


曲目は忘れてしまったが、何度かテイクを重ねたが、アールは何度もとちった。
「オレ、何回も家で練習してこなあかんタイプやねん」
あの大御所が弁解したそうだ。


インストをお願いしたところ、
「あれはDやからすぐよう弾かんわー、GのCumberland Gapやったら弾けるで」と言ったとか。
天真爛漫、バンジョーさえ弾いてればごきげんな人だったのだろう。
とても慕わしい。



ヨメのルイーズがフラット&スクラッグスの解散に関与しているのは知られている話かもしれない。
「もう旅するのもええ加減にして、うちの子らとやったらどう…?」
てなことを言ったんだろうか。


そんな風に詰め寄られたら、夫言い返せず、バンジョーで「チンチロリンのカックン」弾いて
バンドにピリオド打つしかなかったのだろう。
そうして盟友Lester Flat以下のメンバーはごっそりとNashville Grassに合流、
アール一人抜けてScruggus Revueに分かれ、終生交わることはなかった。


アールにとって良い妻だったかどうかは解らぬが、このヨメがなかなかジョークの通じないタイプの、
周囲の人間を緊張させる人だったらしい。 (←これも友人の弁による)
バンジョー弾いてりゃニコニコして「あの~もしもしィ…お父さんですかァ」と言うてるような人
(単に藤山寛美に似てただけかもしれんが)だったので、
ルイーズが頑なに守らねばいけなかったのかもしれないけど。

思えば、志ん朝師匠の奥さんがそうだったな。
ガラガラ声の下町のおかみさんみたいな人で、周りはぴりぴりと恐れていて、
彼女がスケジュールやなんかすべて取り仕切っていた。名人に悪妻あり。

よくぞ、あんな重い楽器を長年吊り下げて演奏し続けてくれました。
おつかれさまでした、いい音楽をThankyou  Earl !


   
       


コメント (2)
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晴れの日ばかりぢゃねぇやい

2012-03-27 10:54:10 | Weblog


以前から気になっていた、ある精肉店が経営する洋食屋へ。






ランチ+カレーのセット。 
ハンバーグ・カニクリームコロッケ・ロースハム・鶏から揚げ。白ごはんをカレーにするのだ。

ただただニンマリ…
お子様ランチの頃から、味覚の進歩ないぢゃないか・・・? 
ほっといてもらおう。



最初に出て来たコンソメスープ。

ちぇっ、スプーンの上にこぼしてやがらぁ。

失礼ながら、平野町のガスビル食堂で出て来たコンソメの味を熱く思い出すような味。






ツレがたのんだセットには、ポタージュ。

たっぷりあるのはいいけれど、何度も煮かえしているのだろう、
モロモロになっていて、どこか焦げくさいとくる。

ツレは二口、三口であきらめた。





ランチのレベルに文句などありません。煮込みっぽいハンバーグはご飯に合う。 
洋食とはご飯に合うかどうかが善し悪しの分かれ目。
クリームコロッケの下にはタルタルソース。
これで750円は、まずまずなんぢゃないでしょうか。





ソースポットで出てくるクラシックなカレー。
う~ん、昔懐かしいカレーとでも申しましょうか。
煎ったカレー粉のスパイシーさが前面に出てるヤツ。
まぁ、これはこれで嫌いではありません。





ツレがたのんだレディースセット。

一番うまかったのは、大粒のイチゴだったとのこと。

隣席にオムライス2つを頼んだ夫婦者がいて、窓の外の提灯が趣味悪いとぶつぶつ言い出し、
僅かな時間なのに、女性はすごい剣幕になり、
「もう出よ!こんなにオムライスで待たされたの初めてや!」と帰って行った。
先に入っていた我々の料理もまだだったので、さほど待っちゃいない。
しかしま、この夫婦のおかげでさらに場末感がアップした。





手にした塩は、振れども微動だにしない。
パラパラにしたはずの塩が再び岩塩化しているといえる。

窓ガラスは長らく磨いていないようで、すりガラスめいて。
窓辺には埃をかぶった模造フラワーが冷たい風にふるえていた。

客席はガランとしているのに、主人一人でまわしているので、メチャクチャ忙しそう。
なんとか人員を増やさねば、到底「掃除まで」たどり着かないだらう。





この店に今一番必要なのは、清潔感だらう。
店がこうも煤けていては食材への信用さえ揺るぎかねない。

阪急宝塚線、梅田から僅かな距離にある某所。 これだけで分かる人は分かるだろう。

あちこち食う中には、こうした失敗の日もある。
というか、そんなんばっかりや。
そうして時折、ほんとのたまに、夢見るような美味いもん食って
人生をたのしめる、そういう人に私はなりたい。


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にぎやかなりし新開地

2012-03-23 16:08:01 | 




大阪新世界と同種の匂いを持つ、神戸新開地。
どこか浅草とも似ている。
神戸の人にとって新開地というと、懐かしい響きがあるのだろうか。


大正13年にできた新開地タワー、のちの神戸タワーは、通天閣よりちょい高かった。
昭和43年に老朽化のため、取り壊された。


兵庫港を中心に、港湾や重工業の働き手たちで新開地はそれは賑わったそうな。
居留地から広がった元町界隈のエキゾチズムとは別の、庶民的な神戸。


そんな新開地の、老舗居酒屋「丸萬」。
今だに特級酒、一級酒なんて書いてあったりする。




何でも混ぜて、重層的な味が好きな大阪人に比べ、
神戸の人はシンプルな、そのもののズバリの味を好む。
タコ、貝などを愛するのは、それだけ海が近かったからだろう。





だし巻き。 美味い物はきれいだ。





牛バラ焼き肉で精つけて、福原へ繰り出そう・・・!

なんて言ってたのかな。





いわしフライ

もちろん遠慮なくウスターをぶっかける。





そうそう、バッテラは行っとかなきゃいけない。





品がよろしくないが、ちょいと刷毛で醤油などひいてみたり・・・。





ひと筋入れば、福原のソープ街。
客引きさえいなきゃ、のんびり散歩と行きたいが、
かつての遊郭をしのばせる情緒など、ほとんどないのが残念。





そんな福原に一軒のお好み焼き屋「美丁(よしちょう)」があり、
色街のはんなりとしたお店として、姐さん方にも人気だったと聞く。

震災で被災し、閉じてしまったが、
そこで焼いていた女性が、美丁スタイルを踏襲したお好み焼きを
今に伝えるのが、「一ソ十」。





お好み焼きが、メシの代わりになるほど大型化したのはまだ最近のことで、
色街系のお好み焼きは、かつて北新地にあった「以登家」にしても、小ぶりである。





豚玉なんていわない。 豚粉焼き 750円
基本、玉子は使わない。
玉子入りは追加50円となる。 そこらへんも昔流。





たこそば焼き 800円もシンプル極まりない。
プリプリのたこがやっぱり神戸だ。大阪じゃこうはいかない。 





オムライスなんてのもあって、これ意外と他の店にはないよな。





粋な男女で暖簾をくぐるお好み焼き屋は、ちょっとした夫婦ごっこの場であり、
女性は甲斐々々しく男はんの世話を焼いてみせたりした。
カウンターの下でそっと手を握ってみたりしたのではあるまいか。

だからお好み焼き自体は、どちらかというと脇役だった。
だから小ぶりで、ちょっとした腹ふさぎ、つなぎになればよかった。

めしの代わりになったり、特大とか食べ放題とかその手のものではなかった。
モダン焼きしかり、腹にドンと来るようでは具合悪かったのである。

粋だった時代が偲ばれる、色街お好み焼きを伝える店も、数少なくなった。
磨きこまれた鉄板。キリッと白衣を着た女性店主のコテさばき。
清潔感にあふれた店である。

女将は平谷さん。独特の屋号は、平の文字をバラしてみるとわかる。


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この顔にピンと来たなら・・・

2012-03-16 04:53:09 | 音楽

       

 

本日に迫った、花粉舞い飛ぶ、春のアナザードリーム ライブ!!

Marvelous Sakurai  &  His  Hot Fiddle Band  plays  Classic  Western-Swing 

特別手配!大矢貞男 from  東京ホット倶楽部


日本でほぼ(?)唯一の純ウエスタンスイングバンド

千日前アナザードリーム  open 1930  /   start 2000


興味ある人も、そうでない人も、いらしてね!




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