さて、粉もん山陽道、最終地点・広島へ。
これより西にどんな粉もんがあるのかは、寡聞にして調査不足。
ともあれ、福山あたりの茶屋で一服とすっか・・・。
ん・・・? 甘い。
これ、実はシュークリーム。
ソースのようなのはチョコレート。
カスタードの中には、タコ代わりにプリッとしたナタデココ。
この広島風お好み焼きは、モンブラン。
卵黄の代わりに栗のグラッセが。
知ってる人は知っている、そっくり菓子を作る福山「虎屋」に拍手!
広島は雨だった・・・
62年前の夏、ここの上空550mで原子爆弾が炸裂した。
一説に、広島にお好み焼きの店は約1000軒もあるという。
この日、雨の広島球場はCG戦。旧広島球場ラストゲームということで
多くのファンが詰めかけた。
「どこの広島焼きの店が旨いですか?」「広島焼き?」 キョトン・・・。
広島では普通のお好み焼きを、我々外の人間が勝手に広島焼きと呼んでいるもの。聞き直すと、圧倒的に「みっちゃん」の名が浮上。
訪ねた「みっちゃん総本店」。
お昼前だというのに、店内はほぼ満席状態。
壁にはこんなものも。
真ん中のおばちゃんのようなおっちゃんが、会長みっちゃん、こと
井畝満夫氏。会長みずから前線に立つ。
スタッフは精鋭軍団といった風で、黙々と鉄板前でコテを動かす。
キャベツ、もやし、そば、重ねていく野菜の隙間にこそ、広島焼きの本質があるような気がする。隙間に野菜から発せられる熱い蒸気が回り込み、スチーム効果でしんなりとなり、全体が平らに沈み込んで行く。
広島初心者には、これ焼くのかなり難しい。
おっとっと、時間切れだ・・・。
お好み焼きをテイクアウト用に包んでもらい、駅へと一目散。
帰りの新幹線に飛び乗り、車内で缶ビールのお伴に、
みっちゃんの続きを楽しんだのは言うまでもない。
こうして辿ってみると、大阪~広島間は粉食フォッサマグナとも言うべき、一大粉食文化地帯でつながっていることを改めて実感した。焼き方も、神戸以西は重ね焼きで、混ぜ焼きの大阪が実は異端であるのがよくわかる。「いや、大阪でも昔から重ね焼きはおましたんや」(茨木・金的の主人)という声もある。
まだまだ見知らぬ街に固有の粉もんがきっとあるはずだ。
いつしか出会うためにも、旅は続けなければならない・・・
そんなええもんか! これにて一件落着~!
みっちゃん総本店 広島市中区八丁堀6