マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

こなモン街道  Go West 4 !

2009-04-24 11:14:55 | 

さて、粉もん山陽道、最終地点・広島へ。

これより西にどんな粉もんがあるのかは、寡聞にして調査不足。
ともあれ、福山あたりの茶屋で一服とすっか・・・。





ん・・・? 甘い。

これ、実はシュークリーム。
ソースのようなのはチョコレート。
カスタードの中には、タコ代わりにプリッとしたナタデココ。





この広島風お好み焼きは、モンブラン。
卵黄の代わりに栗のグラッセが。
知ってる人は知っている、そっくり菓子を作る福山「虎屋」に拍手!


  広島は雨だった・・・


62年前の夏、ここの上空550mで原子爆弾が炸裂した。





一説に、広島にお好み焼きの店は約1000軒もあるという。

この日、雨の広島球場はCG戦。旧広島球場ラストゲームということで
多くのファンが詰めかけた。

「どこの広島焼きの店が旨いですか?」「広島焼き?」 キョトン・・・。
広島では普通のお好み焼きを、我々外の人間が勝手に広島焼きと呼んでいるもの。聞き直すと、圧倒的に「みっちゃん」の名が浮上。


訪ねた「みっちゃん総本店」。


お昼前だというのに、店内はほぼ満席状態。
壁にはこんなものも。






真ん中のおばちゃんのようなおっちゃんが、会長みっちゃん、こと
井畝満夫氏。会長みずから前線に立つ。
スタッフは精鋭軍団といった風で、黙々と鉄板前でコテを動かす。





キャベツ、もやし、そば、重ねていく野菜の隙間にこそ、広島焼きの本質があるような気がする。隙間に野菜から発せられる熱い蒸気が回り込み、スチーム効果でしんなりとなり、全体が平らに沈み込んで行く。
広島初心者には、これ焼くのかなり難しい。





おっとっと、時間切れだ・・・。
お好み焼きをテイクアウト用に包んでもらい、駅へと一目散。


帰りの新幹線に飛び乗り、車内で缶ビールのお伴に、
みっちゃんの続きを楽しんだのは言うまでもない。





こうして辿ってみると、大阪~広島間は粉食フォッサマグナとも言うべき、一大粉食文化地帯でつながっていることを改めて実感した。焼き方も、神戸以西は重ね焼きで、混ぜ焼きの大阪が実は異端であるのがよくわかる。「いや、大阪でも昔から重ね焼きはおましたんや」(茨木・金的の主人)という声もある。


まだまだ見知らぬ街に固有の粉もんがきっとあるはずだ。
いつしか出会うためにも、旅は続けなければならない・・・
そんなええもんか!  これにて一件落着~!


        みっちゃん総本店  広島市中区八丁堀6


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こなモン街道  Go West 3 !

2009-04-20 15:18:21 | 


尾道に着いた時には、すっかり日が落ちていた。

駅で地元の人に聞いた「むらかみ」はすでに閉店。
おかあさんが、遅くまでやってる「のぐち」を教えてくれ、
「砂ずり入りが美味しい」と助言をくれる。ありがたや。

なんともフツーの八百屋さんのような佇まいがよろし。
(と思ったら、果物屋さんだったらしい)
アイスクリームや駄菓子も商っていた片鱗が今もある。




戦後スグの開店。
壁には食欲をそそる達筆の品書き。6番を勧められる。





手前は娘さん。信欣三のような親爺さん、野口秋治郎さんは
自分の受け持ちを終え、横手に座って一杯やってらした。





主に鉄板のぐるりを客が囲んで、コテで食べるスタイル。

生地を一枚薄く敷いて、キャベツ、その上に茹で麺をほとんど焼かず、ほぐしてすぐ乗せる。揚げいかは天かすのようでもあり、よくできてるなぁ。
そばを炒めないでモチッとした食感にするのが尾道焼の特徴らしい。
あとは、砂ずりを使い、最後に白い牛脂を加えてカリッと焼き上げるのは秋治郎翁のオリジナルといふ。




卵を割り、お好み焼きを乗せて反転させれば出来上がり。
ソース、青のり、ニンニクの粉を。
広島に近いのに、あれほど大型でウェットな感じではない、
薄型でおやつに近いハードタイプ。
これはいつかまた食べにこなくてはいけない。




夜更けてからの尾道ラーメン。有名な朱華園などは夜が早く、
こちらに。
客が次々に詰めかける。



味のよく染みた(大阪弁ではしゅんだ、と言う)おでん。



焼き餃子もよろしんぢゃないですか。



ミノの天ぷら  ここはバカにメニューの数が多い。
味もどれも悪くない。




尾道ラーメン 昔の中華そばをホーフツとさせる醤油系。背油の旨さも手伝い、なかなか美味。背油は僕には少し多いので、避けながらスープを飲み干す。水は尾道の湧水を組んで使っているそうだ。





本日の予定は終了したが、尾道は初めての街だ。
これは惰眠をむさぼっている場合ではない。
新開(しんがい)、久保2丁目界隈を行きつ戻りつ、ストロール。




老舗のバーは閉まっている様子だった。
はて、困った。外からではどうも分からない。
でも、分からないのもまた・・・らしくていい。



夜中に灯りを発見。近づいてみると、古書店兼バーだった。
深夜に余りに怪しすぎるので、こちらから店主に話しかけた。



父の代から古書店をしているそう。
グレン・モーレンジ、ラガブーリンをいただく。



尾道のことをいっぱい聞かせてもらう。大半は酔って忘れてるが。



商店街の中で見た元銭湯。小劇場みたいになってるのかな。

ホテルまでウォーキング気分で帰る。40分ぐらいかかった。

翌朝。 尾道は猫が好みそうな路地が多い。




眺望を求めて石段を上がる。




千光寺公園からの眺め



 これぞ尾道的絶景。

 さぁ~て、お好み焼きの西の本場、広島へ向かわなくちゃ!



    
        お好み焼き「のぐち」   尾道市尾崎本町2

        古書&バー「8ページ」 尾道市士堂1丁目 尾道書房階下

        尾道ラーメン「東珍康」 尾道市栗原町 R184沿い 

 

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こなモン街道  Go West 2

2009-04-20 14:08:39 | 


姫路をあとに、佐用町へと向かう。
佐用ではさかんにホルモン焼きうどんが食べられている。
麺類だが、広い意味、粉もんでもある。





姫新線にたっぷり乗って。





山へ山へと入って行く。





佐用へと到着~
駅舎はシャレている。





町の氏神さまへ詣でる。何故そんなに信心深いかというと・・・





神主であるM先生が、我等の恩師だからだ。
噺家T、俳優Aも教わった。ボクは修学旅行の喫煙で鉄拳制裁されている。
熱い真面目な教師だった。





数ある中で新しい店、「力作」へ。
なぜこんな山深いところ(失礼!)でホルモンかというと、奥へと進むと肥育農家も多く、食肉加工場があり入手しやすかったそうだ。




男向きの「力作焼き」は、麺が無条件に2玉。結構食べであり。




ホルモンはレバー・マメ・ミノなど5種類ほど。



ここでも鉄板に張り付くお焦げをはがして、具に乗せる。
自家製のにんにく醤油と味噌ダレの2種類を客がブレンド。
好みで柚子酢を落とす。この味が各店で違う。





次は「尾道」へ。すっかり暮れた作用駅で別れ、智頭急行に乗る。

先生がお土産に持たして下すったのは、佐用名物「鹿コロッケ」。




じゃがいもと鹿のミンチ。普通にうまい。普通すぎてネタになりにくい。



それと、名物「しかステラ」。別に鹿が使われているわけでもない、
単なるシャレだった。


         ホルモン焼うどん 力作   兵庫県佐用郡佐用町横坂  

       

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コナもん街道 Go! West 1

2009-04-19 18:36:32 | 

関西はバラエティに富んだ粉食文化を持つ。例えば、同じお好み焼きでも大阪は混ぜ焼き、神戸以西は圧倒的に重ね焼き(いわゆる広島風)。たこ焼きでも神戸西部では、普通のたこ焼きをだしの中に入れ、そこへソースをかける。ソースの溶け込んだだしを飲むのが何よりの愉楽と聞いた。大阪のスタンダードは他では異端なのである。そこがオモロイ。

そんな粉もんの変わり具合を追う企画で、広島まで行ってきた。


まずは曽根。加古川市には「にくてん」なるものがある。
もっとも池波正太郎によると大正~昭和にかけて、東京では屋台の「どんどん焼き」では肉天、○○天と言ったようだし、長田にも「肉天街」というものがあったから、加古川の専売特許とはいえないようだ。




駅で高校生に聞いた「つくし」が休みで、女将さんが親切に
「ヒロ」を教えてくれた。





甘辛く炊いた牛すじ、それにじゃがいもの煮ものをつぶして
一緒に焼いたもの。こいつを薄く焼いてペタンと二つ折りにして
ソースを塗る。つまりは洋食焼きですな。 
おやつにビールのあてに持ってこい。





おばちゃんがいい味を出していた。
こういう店はそっとしておきたい気がする。





続いては、姫路の地場粉もん、「ぐじゃ焼き」。
地元衆に店を尋ねようと姫路城近くまで行くが、
観光客しかつかまらない。





それでも、やっと土産物屋の男性から聞き出した「森下」へ向かう。





下町っぽいエリアの一角に、あった。
もちろん下調べはしてきているが、ガチのロケである。
地元衆から店名が出てこなかったら、他へ行くしかない。





ぐじゃ焼き・・・安い! 
この辺のガキどもが長年世話になったのだろう。



お母ちゃんが世話焼き風で昔の長屋のおかみさんのよう。
ささやかな店で玄関先の土間に鉄板を置いただけというお好み焼き屋の原型をとどめている。客席は3つばかし。

右は、やわらかモダン、左が、ぐじゃ焼き。
別名をどろ焼きとも、そのまんま。とにかく、見た目はよくない。





もんじゃ焼きも大方、こうして子供相手に生まれたものなんだろう。
出来上がった焦げ一枚を鉄板から剥がして、それをぐじゃの上に
乗せる。




そこへソースを塗って、カツオ、青のりをかけて出来上がり。
食べたことないのに、懐かしい味わい。





おかあさん、ご自慢のところてん。
目の前で突いてくれる。酢醤油で。





ここもいつまでも変わらず続いて欲しい店。

さあて、次は山陽道から北へと寄り道だ。


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これで、私オチます

2009-04-13 10:08:53 | 



これ、京都新京極「かつくら」のかつ丼。1000円強(味噌汁付)
かつはカリッと揚がり、卵は半熟状態。
ご飯がお代わりできるのだが、丼の客に勧めても仕方なかろう。
白飯もらって壺の漬物で食べるのは哀しいではないか。


東海林さだお風に行くと、その名を聴くだけで鼻息が荒くなり、
ワナワナ震え、男の血がたぎり、終いにゃク~ッと泣きだす・・・
それがかつ丼の威力である。
取調室の凶悪犯もこれ出されると、簡単に落ちてしまう(白状する)
平和的だが本能を刺激する恐ろしい兵器である。


文句なく丼界の勇者。パワーランチの決定版!


全国にはいろんなパターンがあって、この玉子でとじる式のだし系かつ丼がマイノリティという地域も存在する。


例えば福井、信州(駒ヶ根、伊那)、群馬(桐生、足利、前橋)、福島(会津若松)などはソースで、会津にはソースで煮込んだとじかつ丼が存在する。新潟は醤油だれ、岡山はドミグラスかつ丼、名古屋は味噌かつ丼だぎゃあ。
こういうものには地域制があった方が断然オモシロイ。


さて、我が家で作るかつ丼はこうだ・・・





親子かつ丼我が家風  priceless


親子の鍋にかつを同居させて卵でとじた。この贅沢。これ、なかなかあるようでないでしょ。(こんなの毎回してるわけではない)
三つ葉は後のせにしてみたが、もうちょいクタッとさせたい。
かつくらさん、上乗せはねぎより三つ葉よぉ。
鶏と豚が喧嘩するようで、それぞれに良いハーモニーなわけですよ。


カメラを構える暇も惜しい。ワナワナ震え、鼻から湯気を出し、箸を取り上げるやいなや、ガサガサガサ・・・原始、丼は飲み物であった。


コメント (2)
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