文楽の義太夫の語り手、豊竹英太夫が呂太夫を襲名。
友人を介して知遇を得て、こんな晴れがましい目出たい場所に参加させていただくことになった。
襲名というのは単に先人の名前を受け継ぐだけでは無く、もっと大きくなる決意表明のようなものだ。
しかも、誰でも襲名すればいいというものではなく、人望というか人気というか、
お客の信任厚くなければ人だって集まってくれない。
英太夫はクリスチャンでもあり、キリストの生誕を語り、ハレルヤ!という幕切れに
度肝を抜かれたことがある。 私の文楽に対する理解はその程度だったのだ。 今はもうちょいまし。
この師匠のえらいのは、橋下知事が助成金を打ち切るとかなんとか言いだす以前から、ずっと
素人衆に浄瑠璃を教え、裾野を広げる地道な努力をしてきたところにある。
橋下さんのおかげで逆に注目が集まり、新しい客層を開拓、若い女性客などが増えたことは喜ばしい。
そこまで計算して知事もモノを言ってたなら素晴らしいが、そうではなかろう。
来賓の一人、詩人の高橋睦郎さん。
東京でも国立などに足を運ぶが、やはり文楽は大阪へ聞きに来ると仰る。
どちらかというと知で見ようとする東京の客に対し、大阪は情が先行する。
それがやはり大阪の芸能である文楽にはフィットするということかもしれぬ。
河内ワインのスパークリングで乾杯。
東京のパーティーみたいにおつにすましたところなく、とにかく大阪の宴会は
みんなよく食べる。これでなくっちゃ。
ローストビーフに、パルミジャーノ・レッジャーノのパスタ。
これからカツカレーを攻めようというところ。
あんまり友だちいねぇから、喰うっきゃないってか。
何人かの知人に会えたのはよござんした。
4月に、呂太夫襲名公演が始まる。 「菅原伝授手習鑑」に「曽根崎心中」…いいやね。
今年は春之輔が4代目春団治襲名するっていうし、襲名流行りの年かな。
早めに終わって、ホテル・ニューオータニ大阪を後に天気も悪くないし、歩いて京橋まで。
このまま環状線に乗ればいいのに。
駅前で引っ掛かった。
パーチー帰りだっていうのに、めったに締めないネクタイだってしてるっていうのに…。
我ながら、やっぱりノラだなぁ~。