星がきらめく夜明け前 大きな夢を追いながら
今日も始まるうどん屋稼業 捏ねて丸めて寝かせておいて
足踏み百回生地づくり うどん一代おれの道
「うどん一代おれの道」 作詞森岡一彦
朝吉が来たかどうか確証はないが、八尾の釜揚げうどんの名店へ。
開業35年。上は30年を記念に主人が書いた歌。
住宅街の中、何処の駅からも行きにくい場所にある。
釜揚げうどんの専門店「一忠」。
できますものは、釜揚げうどんのみ!この潔さ。
おみやげ用を置くのは、元々製麺所をしていた名残り。
特大を頼む。うどんが来るまでに、土生姜を擂り、
昆布の佃煮、かつおの佃煮をつまんだりして待つ。
酒類で儲けようなどというスケベ心もなし。
主人森岡さんは製麺所で働いていた若き日、茹でたての旨さに感動、
これを出したくて、讃岐の長田うどんに飛び込みで修業した。
讃岐うどんのだしはいりこ中心だが、大阪に合うように試行錯誤、
ウルメ、メジカ、イリコ、昆布を使う。醤油も変えた。
青ネギ、擦りゴマ、天カス、すだち酢などで変化をつける。
熱々の釜揚げうどんがデ~~ン!つゆの大徳利もアツアツ。
一気呵成に食うべし!食うべし!すするべし!
麺は完全手打ち。モチモチだがスルスルと入って行く。
昨今の余りに強い太打ちはともすればむせてしまうが、ここのは程よし。
小さく見えるだろうが、掘っても掘っても、なかなかうどんが減らない。
う~い、ごっそぉさんでした!
実にストイックというか。近年稀に見る一筋の店。
ここの出身者たちが、大阪の釜揚げうどんの一脈を担っている。
うどん一忠 大阪府八尾市松山町2