マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

西陣、ビブグルマンのとんかつの新鋭!

2020-01-06 14:22:21 | 京都
 茫日、食べ飲み友人とご招待受けて京都へとんかつ。
 好きよね~アンタも…。 ほっときなさい。
 空蝉(うつせみ)と書いて、からせみと読ませる「空蝉亭」。

  

 堀川中立売から西へ。
 西陣のどこにでもある町家。

  

 和室にテーブルの和洋折衷。
 さて、ここはとんかつといえどエージング・ポークのとんかつ。
 熟成ばやりだが、とんかつは初めて。

 単品でもいいのだが、食事コースはバーニャカウダ・ご飯・
 豚汁・玉カツが付いて+¥900

  

 前菜のバーニャカウダは緑黄色・根菜類が中心。
 お洒落ですな。旧来のとんかつ屋のセンスではない。
 さしあたり、これでワインを飲むしかないので、
 もう少し軽い一品があるといいなぁ。

 ということで、早々ととんかつの部に。
 ロースが好きな方には、千葉の銘柄豚、林SPFを。
 リブロース特厚を勧められた。
 火の通し方はぴたり。

  

 たっぷり300gあって¥3900
 ジューシーなうまみたっぷりのロース。
 脂のしつこさ、クセは全く感じない。

 氷点下1.0~1.5℃で21日~45日間、冬眠熟成させる。
 それを低温でじっくり揚げる。

  

 ポン酢も出されるが、
 卓上の3種類の海塩で。
 スモーク塩・ポルチーニ塩。
 ちょっと強めにつけたい。

 油は並びにある山中製油の菜種油を使用。
 あっさりとした持ち味で、もたれないという。

 お連れは吟醸ヘレカツ・シャトーブリアン。
 南洲黒豚というブランド。
 この火の通し方にも刮目。

  

 昔、私がバイトしてた東京日本橋のとんかつ屋では、
 まるという名称で出されていた希少部位。
 塩で喰うのは旨い。
 旨いが一切れは特製ソースで行きたい欲求がある。

 食事に付く玉カツ。
 玉子焼きのカツのサンドイッチ。
 これはお腹一杯でもペロッと食べられる。 

  

 塩で喰うとんかつでは、ごはんが食べられない。
 アタシの場合ね。
 ちょいソースがあると、たちまちごはんが喰える。

  

 ごはんの出来も結構。
 豚汁がまたよく出来ている。
 ぬかりのない店。
 一度、諸君も熟成とんかつを!


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ときに猛烈に食べたくなる、京都クラシカルラーメン

2019-04-08 13:36:15 | 京都

 

   春まだきの鴨川を歩く

 

  

 

   盆地である京都の寒さはきびしい

   その気候があって、オーソドックスな京都のラーメンは生まれた

   

    

  

    北大路にある中華そば「いいちょ」

   ラーメンとやきめしだけという潔さ

    

     

 
 
    言っておくが、あたしゃラオタではない

   ラーメンばかり食い続ける根性もなければ、偏食でもない

   だが無性に食いたくなり、ラーメンでなければいけない時がある

   その場合、京都のいわゆる背油チャッチャ系を欲する

   だが、今やこの京都クラシカルラーメンは少数派である

 

     

      見よ、これがやきめし¥500 新福菜館の影響かかなり黒い。

         よく見ると白いめしも残り、どう見ても上手ではない。

     だが、これがラーメンのスープにどんぴしゃ!

 

       

 

       ノーマルな中華そば ¥700  やきめしと頼むとうれしい¥100引き

       このチャーシューの薄さがいいのだ。

       分厚い焼き豚やレアチャーシューなど、私は好まない。

             どれ一つとして前へ出すぎたらダメ。丼の中のアンサンブルである

 

     


        後半、卓上の酢を入れて味の変化をつける

                そこへ一味唐辛子。

       京都のこのスタイルのラーメンではごく当たり前

       10年一日のごとく変わらない、この中華そばがたまらない

       これぞ京風ラーメン。世にいう京風とはエライちがい




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

泣かせてよ、とろりとからしそばで。

2018-04-22 00:16:32 | 京都

京都の中華料理については、姜尚美さんの力作「京都の中華」(幻冬舎文庫)に詳しいが、

さかのぼると、大正13年創業の「支那料理ハマムラ」に始まるという。

港があり、居留地のあった神戸や大阪に比べて、京都は雑居地となるのが遅れたそうな。







関西人にはおなじみのマーク。宣伝のため一般公募、たしか立命館の学生の作。

このハマムラで料理長を務めた王華吉という方が、「飛雲」、「第一楼」を経て「鳳舞」という店を持った。 

この「鳳舞」系と、祇園の路地奥にある「盛京亭」系の二つの流れがある京都中華。


瀟洒な「鳳舞」の建物。中華料理店に見えない。

鯉が泳ぐ池のある庭園のある個人店が2009年まであった。



 



ここから多くの店が独立しているが、もっともよく特長を残す一軒が、

河原町二条にある「鳳泉」。

王さんの下、42年もの間、鳳舞で厨房を務めたのが、ここのご主人。



 



我ら鳳舞に間に合わなかったので、ここからしか偲ぶことが出来ないが、

まず油の匂いがしない。 掃除が行き届いている。 床や壁、メニューなどのべたつきが無い。



本格的な夜の時分どきには早いので、のんびりやらせてもらうことに。

となりには常連らしき高齢のご婦人がラーメンなぞ食べてらっしゃる。 いいな。 

まずは紹興酒を常温でもらう。


 
  



 ピータンなぞ、もらうことにした。

 何の変哲もない、化粧っ気のないのがよござんす。



 


 
 さて、と、何をもらおうか。

 

 
 


 来訪の目的は、からしそばと決まっている。

 あとは当てずっぽうだが、焼売なんぞを。 

 

 



 後で知ったのは、このメニューの書き方も鳳舞ゆずり。

 品数を絞り込み、盛り付けがシンプルなのも鳳舞ゆずりだそう。 

 それに驚いたのは、厨房が静かなこと。

 我らが知る中華の厨房は中華鍋にお玉の音がカンカンして、炎はボーボー、

 その間に中国語の破裂音が飛び交うというもの。

 その騒がしさが一切感じない。

 どうも、その辺もまた、京都の中華の特長のようだ。


 
 焼売が来た。

 この不揃いなところも、手造り感満載。

 あとで知ったが、これもここの看板メニューなんだって。



  
 


 クワイのカリッとした食感が心地よい。

 酢醤油に溶き芥子を加えて、あっさりとした持ち味。

 6時過ぎなのに、後から来た客には「もう売り切れてしまって…」と弁解している。

 まだ夜はこれからなのに、品切れは早過ぎるんぢゃないの?

 
 胸騒ぎがして、早めの注文をした。

 「からしそばありますか?」

 と問うと、「あります。ローメン一丁」と通した。

 暫くして、持ってきたのがこれ。

 

  



 「エビカシワそばです」

 と言われ、間違いかと思い、

 「え?カラシそばを頼んだんだけど」

 というと、若いホール係、不安になったのか聞きに戻った。

 そして「これがカラシそばです」

 こっちが物知らずだった、と赤面。


 イメージではもっと芥子色を想像してた。 
 
 しかし食べるとほんのりと和芥子の風味が立ち昇って来る。

 辛味はあくまでも抑えめ。

 もっとツンと来るのかと思ってた。

 手元で芥子を増量した。

 

 あっさりしてるが、鶏・海老は多くて食べ応えあり、

 途中で酢や醤油を足したり、好みで塩梅を替えるのもいいだろう。


 
 花街で着物に匂いが移ることはご法度として、ニンニクニラ、ラードなどは不使用。

 芸者衆が一口で食べられるようにしたり、あっさり食べられるように

 タケノコを多用したり、鶏ガラスープに利尻昆布を足してベースとした。

 花街のおかあさんたちにうるさく叱られたと「一之船入」や「斎華」からも聞いたことがある。

 独自の進化を遂げている京都中華。 頑固なまでに残っているのもこれまたおもしろい。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いそがしいなぁ~今年の桜ぁ

2018-03-30 23:03:36 | 京都

 関西屈指の桜の名所、京都八幡市の背割堤の桜。

 三川合流の地、すなわち桂川・宇治川・木津川の三川が合流し、これより下流で淀川となる。

 見事な桜だけに例年人出で大変なことになる。


 今回は桜の開花が早い。週末からの桜まつりより前倒しで行きたいものだ…と

 ある日、思い立って、阪急大山崎駅でレンタサイクルをして、チャリで向かうことにした。


 桂川の河川敷を走り、京滋バイパスの側道を渡り、宇治川にかかる御幸橋へ。




 


 これを渡れば、淀川河川公園があり、そこに背割堤という

 長さ1.4キロにソメイヨシノ250本だかが植わる桜の名所がある。

 ここまでおよそ30分ってとこ。


 車さえなければ、いい風景だがなぁ。




 

 この宇治川を真っすぐの方角に、サントリー山崎蒸溜所がある。


 



 
 川の堤に桜が植わっている。 その下を散歩するのだが、坐るとなると両側。







 両側に河川敷が広く取ってあるので、離れて桜が鑑賞できるのがいい。


 
 
 この先、1.4キロ桜並木が続く。 圧巻ではあるが、この先、トイレが心配になる。

 

 

 
 というのは、まだ「桜まつり」開催前とて、仮設トイレに規制線巻かれ、使わせないからだ。

 ケチくせえぞ。 イベント始まろうが始まるまいが、人は入れたら出す生き物だ。 



   



 陣取ったのは北側の斜面。 直射日光ぢゃない方。

 ビールを買ってこなかったので、現地でと思ったら売店もないのね。

 くどいが桜まつり前なので、屋台もなければシャトルバスの運行もなし。

 まさか、こんな早く桜の盛りが来ようとは思ってなかったんだろうけど。



 持参した日本酒で乾杯! 山口県の大嶺酒造の純米酒 Ohmine
 





 
 優しい酸味でちょいフルーティ この100cc 瓶が気に入り白菊屋さんで購入。

 背割の土地にまずはピッピッと、モンゴル風に一滴。 
 

 弁当は朝、家人を松坂屋に走らせた美濃吉製。

 昨晩、前割した黒糖焼酎に切り替えて。





 ああ、こんなのでも十分シアワセなり。




 

 どう考えても満開だよな、これ。 31日まではもっても、10日まではもたねぇだろ。



 毎年毎年、桜を見逃してきたから気持ちがすっきり、しゃんとした。

 これで4月新年度のスタートが切れる。 アタシの春がやってくる!

 
 オーバーな話だがね。 


 花見にはどうもそういう季節を切りかえるスイッチの意味合いがありそうだ。







 ゴミは全部持ち帰る。 ついでにその辺に落ちてるのも回収した。
  

 さぁて、来た道を帰ろう。 ママチャリで~~~

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オステリア(居酒屋)とは思えぬ心地よき小食堂

2017-10-20 00:19:55 | 京都

黒澤明、淀川長治、詩人の田村隆一…この人たちに共通するのは朝から肉を食うこと。

とにかく肉を食らう、食えることを創作のエネルギーに変えた人たちだってこと。

ことほど左様に、高齢になっても肉食は必要であるという説が出回って、

老齢の方々も肉を頬張っておられるのは結構なことである。

もちろん、ほどよく野菜もね。



さて、肉をダイナミックに食いたくて京都。堺町通蛸薬師下る「オステリア・イルカント・デル・マッジョ」。

オステリア=居酒屋だというけれど、この名で高級イタリアンもあったりするから、額面通りには行かぬ。

まずは快適に冷えたスプマンテ。 

 





肉というと焼き肉かステーキか、という時代ではなくなった。

フランスやイタリアで修業してきて、そのままのスタイルのステーキを出す店が増えた。

日本的な霜降りのとろけるような牛肉という観念を変える店が。

ここもその一軒。トスカーナで10年間修業した屋号をそのままに、

飾り気のないトスカーナの料理を楽しめる店。






ここでしか出会えない(気がする)ナスのスフレ。







なんの飾りもないのが小気味いい。 モッツァレラチーズ、塩コショー・オリーブオイル







タリアテッレ・アスパラガス

そういえば、イタリア料理でも細分化され、ヴェネチア料理、ナポリ料理、シチリア料理など

専門家されてきたのはまことに楽しいことである。

スパゲッティといえばイタリアン(ナポリタン)かミートソースしかなかった時代が哀れだがなつかしい。

ここは付け合わせもお仕着せではなく、客に選ばせる。

この辺りも現地スタイルということかな。






トマトサラダ






白いんげん豆  これも旨かった。

イタリア人って豆がお好みなんだそうな。 

 





焼いては寝かせ…をくり返すのだろう。 お待たせ加減で真打ビステッカ登場。

キアーナ牛を使うと、ビステッカ・ア・ラ・フィオレンティーナということになるのだろう。

塩をいっぱい擦り込み、ガス火のグリルで焼き上げると表面の塩が炭化し、

炭焼きのようなちょっとした野蛮な感じの焼き具合となる。







ワインは赤、カベルネソーヴィニオンで丁度いい。


口いっぱいに肉を頬張って噛む楽しさ、食いちぎる喜びがある。


これこそが肉食民族である。うお~!







ドルチェは割愛して、エスプレッソ。

エスプレッソうまし。まとわりつく脂をすっと流してくれる。

高校の時、初めてエスプレッソを淹れてくれた岸和田の神父どうしてるかな。

あの時は鼻から煙が出そうな気がした。



 


手作りっぽい看板もまた、いいんではないでしょうか。


肉を食いたい夜、イタリアン気分の時にぜひ。


 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする