日々のあれこれ

現在は仕事に関わること以外の日々の「あれこれ」を綴っております♪
ここ数年は 主に楽器演奏🎹🎻🎸と読書📚

夜勤

2010-09-13 11:38:34 | Weblog

 利用者さんが夕食を召し上がっている最中、夜勤者がホームに到着する。
時刻は18時過ぎ。一昨日の夜勤者は「すず」だった。
みなさん、お変わりなく夕食の席についている姿にひとまず、ほっ。
今日は特変なかったかな。 みんな、昨夜は眠れたのかな(これは、ほぼないか、全員熟睡ってうのは流石に)
顔が真っ白で血の気がないと不安になる。「よろしくお願いします」と手を握った時、手が熱ければ、これまた不安になる。
後ほど「昨夜から今晩にかけて、どのように過ごしたか」について、詳しい引き継ぎが行われる。その時にー。
まずは、翌朝の朝食準備。冷蔵庫を開けて、野菜等をチェックする。これでメニューは決まる。
段々と食べ終えた利用者さんの食器がキッチンへ下げられてくる。
さて、9名分の食器洗い。そうなんです。夜勤者が出勤して最初にやる仕事は「お台所仕事」。
大型施設では、調理場で働く人と介護士は別、というところが殆どでしょう。
グループホームは洗濯、掃除、お台所仕事も全て介護士の仕事。
いわば、主婦的介護士であり、バタバタなんです。
大家族の中で生活を共にしている感覚ですね、うん。
片付けが終わる頃には、利用者さんも口腔ケアとトイレを済まし、パジャマに着替えてソファーでくつろぐ。
その頃、夜勤者がお茶をお出しする。
ご自分で飲める人もいれば、介助でなければ飲めない人もいる。
テレビを見ながらソフトバンクホークスを応援している人もいれば、ウトウトしている人も。
「もう、寝る!」 と歩行介助で部屋へ行かれた直後から、「お~い! お~い! お茶下さい!」と連呼する方も。
「今から母が迎えに来るから」と言いながら、「荷物をまとめんと」と落ち着かなくなる人も。
それぞれが、それぞれの「夜」を迎える。
ほうきと、散りとりを持って、フロアを掃除していると、ソファに座っていた利用者さんの中には、足を高々と上げて「協力」してくれる人もいる。
「腰が痛くてですねぇ」
「足が痛くて眠れんのよ」
それぞれに、腰痛や持病を抱えている。
「ばあちゃんが、車椅子から立とうとしとるよ! 立てんのにねぇ」
と心配しながら知らせてくれるケースも。
認知といっても、こんなに違うんだ。
利用者さん一人ひとり違うことは勿論だが、24時間という流れの中で、「現代」にいるとき。娘時代に戻った時。妻でいる時。いつの時代に心が跳んでいて、何がこういう言動を引き起こしているのか、見極めながら話しを聴く。
時々、読みちがえて「混乱」させてしまうこともある。
特に、ここへ来たばかりの頃は、戸惑うことが多かった。

引き継ぎが終わり、20時を過ぎれば夜勤者独りになる。
就寝前の服薬・点眼等をするわけだが、この日、どうしても「飲まない」と言い張る利用者さんがいた。
「あなたが飲みなさい。3粒も多いから」
「これは、おトキさん(仮名)のお薬ですからね。飲んだらぐっすりと眠れますよ」
「いいや、貴方が飲みなさい」
何度もやり取りが続く。
「飲んだことにして、許してぇ~」と言いだす前に、飲んで頂かないと・・・。段々と焦る気持ちを抑えつつ、トイレ誘導した他の利用者さんの様子も見に行かなきゃ~と「おひとり」に「集中して」接していない。それを見透かされると、離れたとたん、歩けないのに立とうとされる。その前に駆けつけなければ、転倒だ。気が抜けない。落ち着いて、落ち着いてー。
他の部屋で男性利用者さんが呼んでいる。
「ねーちゃん、まだかな。夕飯、まだですか?」
「1時間前に食べましたよ…(って覚えていないのか) お茶でも飲みますか?」
「はいっ! あんた、ええ人やのう」
「ありがとう。でも、ゆっくり休んで下さい(お願い!)」
心の中で言葉を飲み込む。
いいのか、悪いのか。
こうしてほしい、と思ってはいけないことは百も承知。
だけど、一対一対応でない限り、特に独りで9人に気を配る夜勤中は、ついつい、「静かに眠って下さったら、カルテを書く時間も出来る。毎回呼び出されていたら、明け方まで1字も書けないなんてことになりかねない。今夜は眠りそうにないなー。このまま話し相手かなー。困ったなーなんて思ってしまうのが、人間の弱さだ。
ところが、排尿の訴え以外、この日の夜勤中、夜中の1時以降は、15分に一度程度の呼び出しで、しかも目はつぶれていたから良く眠れた様子だった。
滅多にないシーン・・・と静まり返ったフロア。
今だっ!
カルテ、カルテ!!
引き継いでから、夜中の1時までの一人ひとりの様子を詳しく書く。
薬の準備、排便の確認、(これによって薬を追加したり、外したりするため)、見回り、排尿でパットから漏れてシーツが汚れれば交換し、洗濯する。パジャマに着替えた服も乾燥機にかける。乾いたら、たたんで次のラウンドの時間に箪笥にしまう。
とにかく、やることはいっぱいなんだー。
こんなに夜勤の仕事が多いと思わなかった、と最初は驚いた。
トイレの訴えも二人ならともかく、三人、四人と重なることもある。
介助中にコール音。
「背中が痒くて眠れん。薬を塗って」
「はい。(トイレ誘導中)すぐ行きますから、少し待ってくださいね!御免なさい!」
気がつけば4時。
朝食用の食器を並べる。
再び利用者さんの様子を見にラウンドを済ませると、お鍋を温める。
おかずをつぎ分け、お茶と牛乳の準備をしている頃、早朝勤務のスタッフが二人出勤してくる。
お風呂場へ走り、バケツにお湯を入れる。
掃除用バケツ、消毒用バケツ、おしりふき用タオルのバケツ、色々ある。

カルテを仕上げる。9人分だ。そして引き継ぎ。30分程かかる。
ゴミをかき集めて引き継ぎが無事に終われば、「お疲れ様~」とホームを後にする。

ゴミ捨てに行き、バス停で待っていると、寿司詰め状態のバスが到着する。
皆、これから出勤なんだ。
巡回バスに乗り込むのは、大抵私ひとり。
ふらふら~とする。
遊び疲れた朝帰りならぬ、仕事疲れの夜勤明け。
偶然、前の施設へ通う利用者さんとバスの中で一緒になることもある。

「あ! すずさん! サマーレクリエーション来る?」
「うん、お邪魔するもり」
「そっか! じゃ、皆に言っとくね」と笑顔。

何処かで私を待ってくれている人がいる。
そんな瞬間が嬉しい。

夜勤明けの翌日の休日。
今日はお陰さまで、ゆ~っくり休ませて頂きました。
明日は利用者さんと「お出かけ日」
宜しくお願いしますね☆

すず

Comments (14)
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