突然の腰痛は、絶好の読書タイムとなりました!!! 実は先週、「海の都の物語 全6巻」を近場の図書館で探したのですが、残念ながら、その図書館は所蔵しておらず…。しかし市内の他の図書館にはあることが判明!(図書館にあるPCで検索した結果)早速、カウンターにて聞いてみると、「予約カードに記入すれば、取り寄せて頂ける」とのこと! これはラッキー☆ そして計6枚の申し込み用紙に同じことを記入することになりましたっ! 著書名、著者名、自分の名前と住所。著書名は すべて同じ。ただ、1巻、2巻…と計6巻まである!というだけ。それでも一冊に付き一枚記入する必要があるらしく、久々の手書き。小学生の筆圧が落ちているという「所さん大変ですよ!レポ」を思い出しつつ、内心、
「あ~つ・か・れ・た! 自分だって最近、タイプばっかりだから、ちょっとまとめて書くと疲れるんだわぁ~」と実感。昨日、めでたく本が届きました!とご丁寧に電話で知らせて頂いたのですが、私は例の腰痛で… ちょうど、図書館へ出かけて行こうとしていた(返却する本があったらしい)父に 「身分証明書を見せて、親ですから…ってお願いしたら大丈夫だよ、きっと!」と受け取ってきてもらったのでした。良かった~
こうして めでたく 「海の都の物語」は自宅に到着したのですが、その前に、先週、借りた本、「ローマから日本が見える」を読んだ次第。前半は、全43巻からなる「ローマ人の物語」をざっとおさらいする内容。ローマ史については、「世界史の教科書で1ページの記述を読んだ程度…」という方には導入著書として。またはローマ人の物語を読み終えたからこそ、「うんうん、そうだ!そうだったなぁ。あ~懐かしい名前!」と再びローマへ心が旅する~ 楽しいひととき。
残り三分の一になって、タイトルの 「ローマから日本が見える」を具体的に著者が語っています。実は「ローマ人の物語」を読みながら、私も日本の歴史と比較したり、現代の日本の政治に置き換えたり、「ローマ人のように統治者が私財を投入して国立競技場を建てれば、安倍競技場と喜んで国民も命名するだろうに…」なんて感想をちらっと入れたりもしました。ここ、ブログで🎶 古代ローマは何故、あれだけ長い間、ヨーロッパの覇者でいられたのか? キリスト教徒側からみた古代ローマ史は、滅亡した理由探しにスポットが当たるらしく、まぁ…それは、日本史でも中国史でも、勝者が都合が良いように歴史書に記す傾向があるでしょうから、理解はできるのですが…。 日本人だからこそ、違った視点でローマ史を考察出来る! 古代ローマから学べる! 戦後の自民党は、ローマの危機から脱する時期に機能した元老院と同じ役割を果たし、うまく機能していた! 言われてみれば、なるほど~ということだらけです。戦後日本の復興とローマのある時期を比べるとは、流石、塩野さん! すべてを失ったローマ、戦後の日本。その急成長ぶりを支えた体制(元老院 自民党)ではあっても、その後、低迷し抜け出せなくなったのは、作った当時は時代にあっていた制度も、その後の日本、或はローマを取り巻く環境、状況が変化し、時代に合わなくなったから! 古代ローマの凄いところは、最初は機能していた制度が時代に合わなくなったというのなら…と思い切った制度改革&法律を成立してしまうところ! その点、日本はややこしい。社会福祉を学ぶと、福祉制度一つとっても、毎年のように、現在の法律に ちょこまか手を加えていく… 社会福祉士国家試験のテキストも毎年、ページ数が増え、覚える制度も増えていく…専門家でも大変だわよ、ほんと。ローマのように、現状維持すべきところは、そのままだが、”新しい制度をぱっと作成”と同時に古い法は無効となる方が、分かりやすくていいなぁ。
もう一つ、この著書の目玉は、古代ローマの皇帝やスキピオ・アフリカヌス、カエサル、キケロ、クレオパトラといった人々の通知表を塩野さんが掲載しているところ! 題して、「古代ローマ指導者通信簿」カエサル満点なのは、誰もが納得!でしょうが、面白かったのは、自分がカエサルの後継者だ!と勘違いしたところから道を誤ったアントニウス。彼はクレオパトラと結婚したことでも有名ですが、その彼をカエサルの友人で、カエサルとは政治的には意見が違っていたものの、カエサルの文章と演説をほめちぎっていたキケロはどのように評したか?
「肉体が頑丈なだけが取り柄の無教養人で、酒に酔いしれ下品な娼婦と馬鹿騒ぎするしか能のない、剣闘士なみの男」(集英社2005年 「ローマから日本が見える」337ページ7~8行目)
「キケロはあまりにも正直に書きすぎたために、のちにアントニウスに殺され、そればかりかペンを持つ右腕を切り落とされてしまうのですが、…略」(同ページ9~10行目)と塩野氏。そうだったんだ…そこまでは知らなかった…
ちなみにカエサルのことをキケロはどう評価しているかというと、
「カエサルの文章は、それが口から出ようと手で書かれようとも、次の特質を表していることでは変わりない。つまり、品格が高く、光り輝き、壮麗で高貴であり、何よりも理性的である」(336ページ 1~2行目)
著者も言っていますが、一度、カエサルの演説を聴いてみたいものです… そこは、「ローマ人の物語」を通して、想像力を働かせる… ですね そして個人的には、弁護士キケロにも会ってみたいんですよね。