先週読んだ本の感想。書ける内に、ここに書いておきます。
貸出中でなかなか巡り合えなかったブレイブストーリーの下巻ですが、遂に図書館の棚に見つけました。ハードカバーの方は無かった為、「予約を入れるしかないかな…」と思い、他にお目当ての本があるか無いか、確かめようと、文庫コーナーへ。”その他”の目的の著書は運良く見つけました。…とその時、文庫本の宮部みゆきコーナーが目に留まり、あったのです! 下巻が!
ただ…。
自宅へ戻り、ページを開いた時、気付いたんです。文庫本は上中下の3冊だってことに! そりゃそうですよね。ハードカバーが上下巻であれば、文庫は3冊くらい必要…ってことは、中抜きってことかぁ~ ちょっとガックリ。でも、読み始めてすぐ、途中の冒険が抜けても、そんなに問題なく読めそうだと思い直しました。主人公ワタルの現実世界の物語が抜け落ちると、この冒険が何を意味するのか、分からなくなってしまうものの、途中は… (とりあえず作家さん、許して下さいね~冒険自体からワープしたみたいな読み方で…I'm sorry!) 以下、ざっと感想を~
ワタルが旅先で出会う、種族を超えた仲間である猫族のミーナ、ドラゴンの子供、ジョゾ、そしてキ・キーナやロンメル隊長とカッツ。幻想の世界にも現実同様、いや、もしかしたら、それ以上に困難が待ち受けており、旅の途中で打ちひしがれてしまいそうです。ワタルでなくても。大人でも! 現実世界では、親の離婚に振り回され、受け入れるしかない小学校5年生の亘。自分ではどうすることも出来なかった、現実を変える力も無かった亘。そんな彼がハイランダーとして仲間と協力し、困難を乗り越え成長していく。そこには喜びあり、また、仲間を失う哀しみもあり。大人もかつて子供だった。まず、そのことを思い出す。自殺未遂を起こしてしまうワタルの母を見ていて、大人だって子供より、もしかしたら心は弱く、悩みも多くて。本来なら子供を守る立場なのに、子供の方に助けられていて…そんなことも、ふと思ってしまう。
幻想世界での長いながい冒険を経て、ワタルが遂に手に入れたもの。それは、昨日までの亘より、強くなった心。ミツルに無くて、ワタルが持っていたもの。何処かのハンカチ王子の台詞と被るけれど、それは冒険を通じて得たかけがえのない仲間達…。
終章では、感動が待っています。病院へ駆けつけたワタルの優しい叔父と、待合室で待つ、””ハイランダー、ワタル””から、”亘”へ戻った普通の男の子。だけど、昨日より、ずっと、ずうーっと強くなった男の子。
男の子の成長物語であると同時に、大人にも大切なことを問いかけてくれる、そんな冒険ファンタジーでした。