日々のあれこれ

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おくのほそ道 松尾芭蕉 現代語訳&解説:高橋治

2022-06-09 00:24:22 | 読書

 昨夜、紹介させて頂いた、井沢元彦 著 『新・ニッポン風土記』と、ほぼ同時進行的に、奥の細道を旅するがごとく、ゆっくり読みました。 

 月日は百代の禍客にして、行きかふ年もまた旅人なり。舟の上に生涯を浮かべ、馬の口とらへて老いを迎ふる者は、日々旅にして、旅を栖(住処)とす。 (11ページから引用)

 複数の紀行文を残した松尾芭蕉の傑作といわれる「おくのほそ道」の書き出しの部分を引用してみました。 現代語訳は、次のように記されています。

「年、月、日といった時間は、限りない広がりと、永遠に続く宇宙から見れば、旅行者のようなものだ。来ては去り、去っては新しいものが訪れる。人間も時間と似たようなもので、船頭も馬子も、舟や馬を相手にして、人生と言う時間の中で旅をしていく。」 つまり、旅の中で生活しているともいえるだろう。

 松尾芭蕉が生きた時代は、山越、難所で命を落とす危険もあり、盗賊なども多く、命がけであったと思われます。しかも、平均寿命が50歳前後の頃、芭蕉はすでに46歳。実際、旅から戻って数年後に再び旅に出て、道中、亡くなっているのですね。旅に生きた松尾芭蕉らしい最期だったのです。何も知らなかったなぁ。

 「おくのほそ道」の「おく」とは、奥州の奥! 

奥州藤原氏が滅亡したばかりの大河ドラマ『鎌倉殿の13人』とも場所がかぶり、また、『新・ニッポン風土記』でも取り上げられていました。(当然ですね)

奥州は陸奥、みちのく、つまり道の奥で、明治元年まで 東北の太平洋側と現代の青森県を含む広大な土地が、「陸奥」という一つの国だった、というだけでも、当時の日本人にとって、さいはての地であったことは確か。 奥州藤原氏以前は、朝廷は この地域を「外国」と認識していたわけで…。しかも、当時の日本は、今の都道府県よりずっと細かく60以上の国に分かれていた中、陸奥だけは、広大な土地区分だった… 

書物で読む場所を たとえ危険と隣り合わせでも、この目で実際に見てみたい、訪れたい、という好奇心が芭蕉の背中を押したのでしょうか~ 

ただ、芭蕉の一人旅ではなく、曾良も一緒に旅しており、日記も書いていたのですが、松尾芭蕉の「おくのほそ道」とは日付けやエピソードなど、食い違う点が只あり。 そもそも、そこでは観ることが出来ない物を「見た」かのように書いたり、曾良の日記では全く触れられていない遊女が登場したり。こうした食い違いは、「おくのほそ道」を作品として盛り上げるための、芭蕉の「創作」ではないかと、解説者の高橋治氏は述べています。 興味深いです。

 

 この本で取り上げられているのは、松尾芭蕉の他に、与謝蕪村など。画家でもあった与謝蕪村の有名な句を一つ~

菜の花や月は東に日は西に

 自然の大きさを的確にとらえるのは、彼が絵描きだからだろう~とのこと。ちなみに、自分のお気に入り(?)は、

三椀の雑煮かゆるや長者ぶり

「雑煮はお正月の雑煮。それを三杯も食べてみた。何となく金持ちになった気分。貧乏でもゆったり構える男!

いくら金持ちでも、三杯も食べればお腹は膨れ、何も食えないだろう。所詮、金持ちも貧乏も大差ないってこと。深くないですか!

 

 (今年85冊目)

 

トマトが赤くなりつつあります! 早速、最初の収穫~夕食で1つを半分にカットして、母と食べました。(父はいらないというので)

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10 Comments

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Unknown (一年生)
2022-06-09 01:10:49
こんばんは

そう言えば数年前東北の旅で松尾芭蕉さんの奥の細道

の時の行程と結構ダブるとこ走りました。

歩くとなるとかなりの距離ですね~

山寺芭蕉記念館なんてとこにもいきましたが、

しずけさや 岩に染み入る 蝉の声

の山寺へは登りませんでした。

車で同じ行程たどってみるのも面白いかも?(笑)

雑煮3杯食べたいところですが,ダイエットが・・・(笑)
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さいはての地 (fukurou)
2022-06-09 07:53:54
すず様
おはようございます。
さいはての地、奥州。
大河ドラマではあっさり奥州藤原氏は滅んでしまいました。
夏草や 兵どもが 夢の跡
この句を詠んだとされる場所にも行ってみましたが、静かに蝉の声と観光客のざわめきだけでした。
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Unknown (せしお)
2022-06-09 09:06:52
複数の本を並行して同時に読めちゃうの凄いですね。
若い頃は私も出来てたような・・・

交通機関か未熟な頃は世界が広くて、却ってその方が人間幸せだったのでは?
大昔なら地球の反対側で戦争が有っても日本の物価が上がったりしなかった。
地球は狭く成りましたな。
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読んでみる価値が・・・ (fumiel-shima)
2022-06-09 17:45:38
すずさん、こんにちは。
私にとってはやはり、歴史に関する物が一番魅力的なので今日、私が住むさいたま市北区の図書館に行ってきましたがそこには「新日本風土記」も高橋治訳、解説の「おくのほそ道(ほか)」もありませんでしたのでもう少し探してみたいと思っています。

松尾芭蕉と言えば江戸時代前期・・・
すずさんの説明どおり平均寿命も短く、現在に比べると30歳以上も違いますね。
後期高齢者が松尾芭蕉と同じ条件で旅をすると考えるとそれは大変なことだったのですね。

解っているようでわかっていない松尾芭蕉について
面白い解釈も含め、あらためて読んでみる価値がありそうですね。

さて、すずさん家の庭のトマトはもう色づいているのですね。
次々と順番を待つような姿も可愛く、微笑ましいですね。
我が家でも第1号(?)は半分ずつ食べることにしています。
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一年生さんへ (すず)
2022-06-12 15:16:11
昔は大変なんてものじゃ、無かったでしょうね。
野を越え、山を谷を越え・・
山賊もいたりして。
命がけ・・・

車で巡るのは良いですね!
でも、一年生さんご一家は旅慣れているし、殆ど行かれた場所かも…
もう一度、奥の細道ドライブ~という企画でも面白そうですね!
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fukurou先生へ (すず)
2022-06-12 15:19:17
おお!
すでに行かれたのですか!
義経など、武将についての句を詠まれていますよね。
私も故人を偲びながら、さいはてへ~
行ってみたいものです。
すぐ行けるのは、壇ノ浦です。
何度も行っています。
赤間神宮から眺める壇ノ浦の景色は最高です。
平家のお墓参りも何度もしましたが、コロナ以降、一度も行っていません・・・
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せしおさんへ (すず)
2022-06-12 15:21:06
一冊は必ず職場に置いてあるので、
こっちは自宅用。
こっちは職場って思っていても、
ラスト50ページは自宅で~
またその逆バージョンもあり👌

小説は一気読みが多いし、この手の本は、他の本と同時になるかなぁ。
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fumiel-shimaさんへ (すず)
2022-06-12 15:24:36
松尾芭蕉は、沢山のお弟子さんに、添削をして指導もしていたのですねぇ。
文学的なことを事実より優先したり。
奥の細道も、紀行文であり、文学として楽しめるのだと知りました。

図書館には置いていなかったそうですね。
さいたま市の方が都会で、沢山所蔵していそうですが、他の本を置いているのでしょうから。

レトロカメラ店、買われたのですね!
私も続きもの~ 読みたいです。

トマトは半分ずつ、食べたのでしょうか~🍅
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Unknown (tictac-music)
2022-06-20 22:03:16
お姉ちゃんが書いてる、学校でも習う前文くらいしか知らないのよね…

学校の授業も、もっと興味持つように教えてほしいわ😵
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とみのん先生へ (すず)
2022-06-30 22:27:14
私も同じく!
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