哲ノート

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宗論 -狂言と落語・講談 国立能楽堂-

2014-08-29 23:52:49 | 落語・浪曲・講談・演劇・芸能
今夜の国立能楽堂は「夏スペシャル」と題して、能楽堂の舞台で狂言・落語・講談をやっちゃいます。

伝統芸であり、コトバの芸であり、題目にある「宗論」は狂言にも落語にもあることから“おもしろそうな”企画です。

まずは講談から、神田松鯉師匠が“いつもの雰囲気とちがって”橋掛かりから登場

源平盛衰記から「那須与一 扇の的」

「平家物語」は合戦記のように歴史の流れに沿って書き記されたものではあるが、「源平盛衰記」はその中から人物・合戦をクローズアップして語られたものであるとの

講釈から始まり、とってもメリハリよく、ウイットにとんだ講釈をつづけてゆきます。だからアタマのなかにスイスイ入っていって、とってもおもしろいです。

歴史のはなしも、こんな解釈のもと語られたらもっともっと興味が湧くと思います。

続いて落語は、柳亭市馬師匠がいつものお囃子にのって、これまた橋掛かりから…。

演目は「宗論」

今夜のメインの狂言と同じ題目ですが(もとになった言い伝えは同じなんでしょうね)落語の世界では阿弥陀さまとイエス様の関係。

持ち時間が長いのか「まくら」からもう熱演しちゃいます。相撲甚句がとびだす大サービス(このまま歌い続けてしまうかも…これくらいの勢いです)

まあ狭い寄席とちがって、左右に広い能楽堂ですから、声の通る市馬師匠にとっては気持ち良い事でしょう。

本題の「宗論」は、「まくら」とちがって正統派でさらりと…。

最後は狂言「宗論」

今夜は…まるで二人芝居の喜劇です。

宗派の違いから“いいオトナがけんかして…”なんていうような狂言。

浄土宗と法華宗の僧侶が…

お互いの宗派をののしるは…。

改宗をせまってなぶりかかるは…。

めちゃくちゃな念仏を唱え始めるは…。

踊り念仏をしちゃうは…。

ふて寝してみたり、ぐちを言い合うは…。

能舞台を広く使って、コトバの掛け合いだけでなく、アクションたっぷり…そうだ、今夜の狂言はザ・エンターテイメントの世界ですよ。

最後にはお互いに納得して仲直りしたりしてね。後味もいいじゃん。

コトバはむずかしくても、しぐさや表情だけでじゅうぶん観客を引き寄せることができる最高の舞台になりました。

舞台に引き込まれて、ひさびさ涙ぐみながら笑っちゃいました。

講談から始まり、いつもの落語、何度見ても楽しい狂言まで、今夜は楽しさ満点の国立能楽堂でした。




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