今回は、大伴邸で詠まれた梅歌のうち、当時の筑紫歌壇の代表的な歌人であった山上憶良(筑前の守)の歌を、原文にある“万葉仮名”そのものの字を用いて書いてみました。波流佐礼婆 麻豆佐久耶登能 烏梅能波奈比等利美都ゝ夜 波流比久良佐武(半切大)春さればまづ咲く宿の梅の花 独り見つゝや春日暮らさむ (山上憶良)私が万葉仮名について知ったのは、かれこれ40数年前、哲学者・梅原猛先生の書 . . . 本文を読む
わがそのにうめのは(者)な(那)ちるひ(悲)さかた(多)のあめ(面)より(利)ゆきのながれくる(留)かも(裳)(半切大)わが園に梅の花散る久方の天(あめ)より雪の流れ来るかも 大伴旅人前2回は、『令和』の典拠となる万葉集巻五の梅花の歌三十二首の序文(漢字)を書きました。この三十二首の歌群は、当時大宰師(そつ)であった大伴旅人の邸宅に、山上憶良(筑前の守)など後に筑紫歌壇と呼ばれた人たちが招かれ、そ . . . 本文を読む
曙嶺移雲 松掛羅而傾蓋夕岫結霧 鳥封縠而迷林庭舞新蝶 空帰故雁(半切大)前回『令和』の典拠になった万葉集巻第五の梅歌の序文の関連部分を書きました。今週は梅歌本体の方を書きかけていましたが、前回書いた漢字部分の後の方に目をやると、何やら日本の初春にふさわしい、のどかな情景の言葉が並んでおり、こちらを書きたくなりました。今回も主に(半分ぐらい)松本芳翠先生の“行書指針”などをベ . . . 本文を読む
初春令月気淑風和梅披鏡前之粉蘭薫珮後之香(半切大)新元号は『令和』と発表されました。いろんな方が所見を述べておられます。「声に出し読みたい日本語」の著者 齋藤孝先生が読売新聞で“上品で すがすがしい印象”とされたうえ、“読み・意味・典拠の三拍子でよい”と述べられていますが、さすが斎藤先生、これに尽きると思います。恥ずかしながら自分には、“ . . . 本文を読む
先週末をもって二人展も終了しました。
会場まで足をお運びいただいた方々には厚く々々お礼申しあげます。
あえてネットと対比するまでもありませんが、こういった展示会はその準備や表現の仕方、
見ていただいた方からの直接的なご反応など、
やってみて初めて実感できたことも多々でありました。
相方さんには何から何まで大変お世話になりました。
本作品は2010年小玉精子先生の教室(講座)に通い始めた頃描い . . . 本文を読む