玉響(たまゆら)の露も泪もとどまらず 亡き人恋ふる宿の秋風 定家季節外れの作品ですみません。何故この作品か、せめてその訳でも。それは単純に「たまゆら」由来であります。まず本歌の意味からまいりましょう。weblio(学研全訳古語辞典)によりますと、何とあの、小倉百人一首を撰じるなど平安時代の代表的歌人・藤原定家の歌で、古今和歌集に収められているとのことです。歌意は、玉のような草木の露も私の涙も、 . . . 本文を読む
久しぶりの書道で、墨の香につつまれ、筆を手にすると気持ちが安らぎます。何故か、“香”の字は前々から書きたかった字でした。今回はこれに季節の“梅”を添え、お手本なしで書きました。どっしりした梅の木からその香りが四周に広がっている・・・そんなことをチョッピリ意識しながら・・・。[補記]の合間に(グローバル化へひた走ったドイツの惨状 そのドイツは間もなく . . . 本文を読む
日々是好日(半切1/2大 パソコンの画像処理で夕暮れ仕立てに)前々から見たことがある言葉でした。恥ずかしながら、てっきり武者小路実篤先生あたりのお言葉だろうと思い込んでいましたが、さにあらず、中国の雲門文偃作の「禅林句集」からの抜粋とのことでした。日日是好日風来樹点頭日新日々新と続くようです。中国の句集の解釈はともかく、この年になりますと、一日一日を大事に過ごしたくなるものです。たとえ、嫌なこと、 . . . 本文を読む
前回に続き、「ぼけたらあかん 長生きしなはれ」の4、5番と、路上の看板にあった歌で印象に残ったものです。4番は、3番のカネをばらまきなさいと、大見えを切ったのとの対比が面白く。歌全体を通しては老人の「諦念」の心境なのでしょう。ところがどっこいこの爺さん、なかなか諦念の域に至りえず、これこのようにブログをしたためたり、テレビに向かってはその偏向ぶりに怒りをぶっつけたり、纏めもの(ユダヤ関連)に苦労し . . . 本文を読む
10年チョット前になりましょうか、ウォーキング途中の道路沿いに大きな看板が目に入り、そこには「ボケたらあかん 長生きしなはれ」とのタイトルの歌が書いてありました。足を止めて読んでみますと、恥ずかしながら、老境に入りかかっている自分には出来ていない、丸で真逆のことばかり・・・。ややあって、ネットで調べて見ましたら、正式な歌「ぼけたらあかん 長生きしなはれ」として発表されているとのこと。路上の看板で見 . . . 本文を読む
台風10号(昨日熱帯低気圧に)が、先月28日鹿児島に上陸、その後は迷走、居候(いそうろう)を続けました。上陸後、気圧は一気に下がりましたが、全国広域で大雨の被害が報告されています。被災された方にお悔やみ、お見舞い申し上げるとともに、その被害の少なからんことを切に祈るものです。また長期的には、この災禍を乗り越え、そして教訓を活かして次の発展に繋げてほしいと思います。今回の台風の特徴の一つに進路などの . . . 本文を読む
藤原行成の「書状」(私的な手紙)を臨書させていただきました。(半切1/3大)「和様の書」(2013年特別展に伴い発行 東京国立博物館など編集)からです。他人様の手紙を臨書したくなるなど初めてのことであります。現存する行成の手紙としては唯一のものとのことです。・・謹言自去春来偏思赴鎮而公私有難抛之事等蹔逗留之間俄奉勅命献五節舞姫相次期明春進發之處忽蒙朝恩不慮昇進雖疎遠之輩一接言談庶為礼為義来賀有数況 . . . 本文を読む
つい先日民放のケーブルテレビで「源氏物語」関連のドラマを何気なく見ていました。劇中バックの画面に、この白氏詩巻と(勝手に)見えた書道の額がぼんやりと見え、オオっと思い次の画面に注目してましたら、明らかに「白氏・・・」と書かれた書物を読んでる画面がアップされていました。当時の平安貴族の間では、白楽天(白居易)の詩歌が好まれ、源氏物語にも白氏の長恨歌が引用されているとは聞いていました。今回あらためて調 . . . 本文を読む
高砂の松も昔になりぬべし なほ行く末は秋の夜の月 寂蓮法師(堂可佐こ能満つも舞閑し尓な利ぬ邊し 那本ゆ倶春衛盤阿支のよ濃徒き)高校時代の書道の時間で習い、何故か覚えていた歌2首の内の1首です。もう1首、式子内親王の歌(山深み・・・)は先に(2024.4.1)アップしました。何故、この2首だけを覚えていたのか、記憶は定かではありませんが、今思えば、おそらく課題かなにかで、何回も書かされたからだ . . . 本文を読む
山深み春とも知らぬ松の戸に 絶え絶えかかる雪の玉水(半切大)式子内親王の御歌を書きました。実はこの歌、高校時代の書道の授業で書き、何故か今に至るも覚えていた歌2首の内の1首です。字体は当時と違うと思いますが、往時に立ち返り、60余年ぶりの挑戦です。国語の授業で習った歌は全く覚えていないのに、書道の授業というところがミソであります。(因みに覚えていたもう1首は、高砂の松も昔になりぬべし なほ行く末は . . . 本文を読む
序破急と書きました。(縦半切1/2大)下記補記の最後の要約で紹介させていただいているクロード・レヴィ₌ストロース氏(世界的に有名な社会人類学者)の著書で知りました。氏は日本文化にも造詣が深く、嬉しくなるような誉め言葉が一杯出てきます。日本の雅楽についても、「そのリズムにおいて、曲の中に『序・破・急』があり、訴えたり憂いを帯びたりする感情をゆさぶる音楽になっています。」とされています。webサイト幻 . . . 本文を読む
秘すれば花なり父・観阿弥の跡を継ぎ、能を大成させた世阿弥の言葉です。(半切1/2大)齋藤孝先生は、世阿弥のこの言葉について次のように解説しておられます。“「花」とは舞台の見せ場、さわりであり、観客が面白がるということだ。客の好みは千差万別だ。相手と状況に応じて打つ手を変えろ、工夫の秘密を悟らせるな、わからないように趣向を変化させよ、というのが世阿弥から後継者へのアドバイスだ。したがって . . . 本文を読む
夢幻泡影と書きました。(縦半切1/2大)“むげんほうよう”とも読むようです。いずれの四文字も消えてしまうことから、人生の儚さを表す熟語とのことです。信長が出陣するとき舞ったとされる幸若舞の「敦盛」が有名です。『・・・人間(じんかん)五十年、化天(けてん)のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり一度(ひとたび)生(しょう)を受け滅せぬもののあるべきか・・・』歴史専門サイト[レキシル] . . . 本文を読む
雲外蒼天と書きました。(縦半切1/2大)雲が無くなれば、蒼い(青い)空が拡がっているぐらいの意で、“苦労の後にはいいことがある”との励ましや再チャレンジの言葉となっているようです。シェークスピアの“嵐の中でも時は経つ”や一休禅師の“心配するな 何とかなる”にも通じましょう。書道としては久しぶりに漢字を書きました。去年の正月以来 . . . 本文を読む
(雪の降りけるを見て詠める)雪降れば木ごとに花ぞ咲きにける いづれを梅とわきて折らまし 友則(53cm×22㎝)(画像処理にてカラー等調整)高野切第一種と同じ筆者とされる大字和漢朗詠集切の拡大臨書を続けております。和漢朗詠集(本体)の“冬”の“雪”の項目の、「みよしのの山の白雪積もるらし・・・」(2023.12.18付拙ブログ)に続く一 . . . 本文を読む