健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

日本人が2型糖尿病を発症しやすくなる遺伝子

2010-09-07 08:36:45 | 研究
小太り程度でも日本人が欧米人に比べて2型糖尿病を発症しやすくなる遺伝子が発見されたそうです(毎日jp)。東京大学の研究チームによるもので、この遺伝子に変異があると発症の危険性が1.2倍高くなるそうです。この研究結果は、ネイチャージェネティクス(電子版)に発表されました。2型糖尿病は運動不足や食べ過ぎなど生活習慣が引き金となり、国内で約890万人いる患者全体の大半を占めるものです。研究チームは、糖尿病患者約4500人と健康な人約3000人の遺伝子を解析し、糖尿病と関係のある二つの遺伝子を発見したそうです。このうち、「UBE2E2」と呼ばれる遺伝子では、遺伝子を構成する塩基配列が健康な人と異なると糖尿病の危険が1.2倍高くなると推定したというものです。日本人患者の15%がこのタイプと考えられるということです。さらに、他国の遺伝子データを調べたところ、韓国や香港などでは同様の関係が認められたが、フランスやデンマークでは糖尿病と関連がなかったそうです。東洋人は、欧米人のように明白な肥満でなくても2型糖尿病を発症する人が多いと言われています。また、血糖値を制御するインスリンの分泌量が欧米人の半分しかないことが知られています。今回発見された遺伝子は、インスリンを分泌する細胞内で働いているものだということです。生命保険等に加入する際に、遺伝子検査を求められる日がそう遠くないうちに来るかもしれませんね。
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