健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

妊娠中の葉酸サプリメント

2013-02-19 08:30:41 | 研究
ビタミンB類の一種である葉酸は、人間に必要な栄養素です。特に妊娠中の摂取は、胎児の神経の成長に大切な役割を果たしていることが明らかになっています。中枢神経系の元となる神経管がうまく作れない状態、「神経管閉鎖障害」に陥ると、歩けなくなったり大腸が機能しなくなったりする「二分脊椎」を抱えて生まれる可能性があり、脳がうまく作られない「無脳症」になると、死産もしくは出生後数日で死亡してしまいます。葉酸は神経管閉鎖障害のリスクを下げることが知られています。こうした中、葉酸のサプリメント(栄養補助食品)を摂取していた妊婦から生まれた子供では、自閉症になるリスクが4割低下していることが分かったと発表がありました(あなたの健康百科 by メディカルトリビューン)。妊娠の4週前~妊娠8週に葉酸を摂取していた母親から生まれた子供では、そうでない子供に比べて自閉症リスクが39%低かったというのです。不安障害やうつ病、てんかん、体外受精などの影響を除外しても、この結果は変わらなかったそうです。一方、アスペルガー症候群や「特定不能の広汎性発達障害」(他の広汎性発達障害や統合失調症などの基準を満たさない発達障害)との関連については、葉酸摂取の有無で差が認められなかったとも。
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