健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

抗生物質耐性持つ遺伝子

2015-05-03 08:30:21 | 研究
南米ベネズエラのアマゾンで暮らす先住民ヤノマミは、これまで外界との接触がほとんどなかったにもかかわらず、抗生物質耐性を持つ遺伝子約30種を保持するとの研究結果が、米科学誌Science電子版に発表されたそうです(AFPBB NEWS)。ヤノマミの人々の存在は、2008年に初めて上空から確認され、2009年にベネズエラの医療チームが集落を訪れ、34人から肌や口内の粘膜、便などのサンプルを採取。そして体内や体表上に生息するバクテリアや菌類、ウイルスなどの細菌叢について調べたところ、ベネズエラやアフリカ・マラウイの先住民と比べ、ヤノマミの人々の細菌叢は、はるかに多様性に富んでいることが分かったそうです。また、米国人の対照群と比べると多様性は2倍だったとも。ヤノマミの人々の健康状態はおおむね良好だそうですが、これは体内の細菌叢が、これまで人間の集団で確認された中で最高水準の多様性を持つ微生物で構成されていることが影響していると考えられるそうです。ヤノマミの人々はTシャツや山刀、金属の缶を持っていることから、限定的に現代社会との接触があったとみられているそうですが、加工食品の摂取や抗生物質の服用、手の消毒、帝王切開による出産など、微生物を減少させてしまう現代生活の要素の多くに曝されていないそうです。ヤノマミの人々からは科学史上、発見されたことのない抗生物質耐性を持つ遺伝子30種近くが確認されたそうです。さらに、これらの遺伝子は最近開発されたばかりの合成抗菌剤の一部に対しても耐性を示したとも。なぜ?詳細は論文をお読みください。
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