火星や小惑星など宇宙のかなたでの有人探査は米国航空宇宙局(NASA)の最優先ミッションの1つですが、マウスを用いた実験結果から、放射線に長期間さらされることで脳が永続的なダメージを受ける可能性が示唆されたそうです(AFPBB NEWS)。実験では、マウスに6週間、荷電粒子を照射。その結果、イオン化した酸素とチタンにさらされてマウスの脳に炎症が起き、神経細胞間の信号伝達が阻害されたというもの。学習能力と記憶力のテストでも荷電粒子を照射されたマウスは通常のマウスよりも成績が劣り、新しい状況に直面すると混乱しやすいという結果が。また照射を受けたマウスは好奇心と活発さに欠けたとも。こうした神経細胞の変化が宇宙飛行士の脳でも起きれば、予測不能な状況への対処能力や空間認識能力、情報想起力などが損なわれる恐れがあるということです。火星への有人ミッションに要する年月は少なくとも1年半はかかることが予想されていますが、対策が必要のようです。ちなみに、現在地球を周回している国際宇宙ステーション(ISS)は地球を保護している磁気圏内にあるために、宇宙飛行士が長期滞在しても銀河宇宙線にさらされる心配はないそうです。
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