健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

移植組織の解凍技術

2017-03-13 08:30:23 | 研究
移植に利用可能な提供臓器の数を大幅に押し上げ、移植用臓器の不足を軽減する可能性を秘めた最新の研究成果がScience Translational Medicineに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。危機的な状況にある臓器不足は、毎年数千人の死亡につながっているそうです。低温保存による臓器と組織の急速冷凍は1980年代に実現されたそうですが、臓器の組織を過剰に加熱したり破壊したりせずに再加温するのはより困難であることが明らかになっていたそうです。大半の提供臓器は、氷で冷やした状態で約4時間しか維持できないそうです。今回、動物の心臓の弁と血管を解凍する方法を発見したそうです。この方法は、表面をシリカ(二酸化ケイ素)でコーティングした酸化鉄ナノ粒子を、抗凍結剤溶液全体に分散させるものだそうです。酸化鉄ナノ粒子は、非侵襲性の電磁波で活性化すると、臓器の周囲で微小な加熱器として機能するそうです。これにより、従来の方法より10~100倍速い昇温速度の毎分100~200度で急速、均一に組織を加温することができるそうです。再加温後に実施された検査では、氷上で緩やかに再加温したり、加温に対流加熱器を用いたりした臓器には損傷が残る一方、この方法による臓器は無傷だったことが示されたそうです。また、抗凍結剤溶液は、解凍後に臓器から簡単に洗い落とすことができたとも。

http://www.afpbb.com/articles/-/3119812
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