なぜ一部の人々の脳は、他より速く老化が進むのかを、人口の約3分の1に見いだされる高頻度の遺伝子変異で説明できる可能性があるとする研究結果がCell Systemsに掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。論文によると、「TMEM106B」として知られるこの遺伝子は、高齢者に通常みられる脳の老化を最大で12年速めるというのです。TMEM106B遺伝子は通常65歳前後から、特に脳の前頭葉に影響を及ぼし始めるそうです。前頭葉は、集中、計画、判断、創造といったより高度な精神機能に関与しています。TMEM106B遺伝子の『異常な』コピーを二つ持つ人の前頭葉は、さまざまな生物学的基準から見て、二つの正常なコピーを持つ人より老化が12歳進行するそうです。研究では、明らかな疾患を持たない1904人の死後解剖で得られた脳サンプルの遺伝子データを分析することで、TMEM106B遺伝子を発見。この他にも、アルツハイマー病発症のリスク上昇に関連性がある遺伝子変異「アポリポタンパクE(ApoE)」など、神経変性障害のリスクを上昇させる個別の遺伝子がこれまでに複数特定されているそうです。
http://www.afpbb.com/articles/-/3121575
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