はぶて虫のささやき

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(旧:はぶて日記)

映画評1220 ~ マイル22(CS)

2024-10-17 | 映画評
今回は「マイル22(CS)」です。

「ローン・サバイバー」「バーニング・オーシャン」「パトリオット・デイ」に続き、マーク・ウォールバーグとピーター・バーグ監督が4度目のタッグを組んだアクションサスペンス。ウォールバーグがシルバを演じるほか、「ザ・レイド」シリーズ、「スター・ウォーズ フォースの覚醒」のイコ・ウワイス、ドラマ「ウォーキング・デッド」のローレン・コーハン、初代UFC世界女子バンタム級王者のロンダ・ラウジー、「RED レッド」シリーズのジョン・マルコビッチらが顔をそろえる。

主演:マーク・ウォールバーグ
共演:ローレン・コーハン、イコ・ウワイス、ロンダ・ラウジー、ジョン・マルコビッチなど


<ストーリー>
何者かに国家レベルの危険物質が盗まれた。その行方を知るリー・ノアーは重要参考人として政府の保護下にあったが、そんなノアーを抹殺するため武装勢力が送り込まれる。ジェームズ・シルバ率いるCIAの機密特殊部隊はノアーを国外脱出させるため、架空の国インドカーのアメリカ大使館から空港までの22マイル(約35.4キロ)を、武装勢力の攻撃を浴びながら、ノアーを護送するミッションに挑む。


2019年の作品である。

内容としては、古くはクリント・イーストウッドの「ガントレット」や、その後で言うとブルース・ウィリスの「16ブロック」、コリン・ファレルの「S.W.A.T」などに似ているが、要は重要参考人の護送中の出来事が描かれている。

東南アジアの架空の国インドカーで、行方不明となったセシウムの情報を握っているという地元警察のリー・ノアーが、アメリカに亡命したいということで、アメリカ大使館から空港までの22マイル護送することになったのだが、それをアメリカ諜報機関チームが引き受けるという内容だ。

「ガントレット」や「16ブロック」では、本来味方であるはずの警察官が一斉に襲ってくるという展開だし、「S.W.A.T」では、護送する犯罪者が「オレを助けたら大金をやる」などと言ったものだから、街のならず者が次々と襲ってくるという展開だったのだが、本作で襲ってくる相手は、地元の警察だけではなく、何だかよくわからない集団であり、しかも情報が筒抜けになっているみたいで、どこへ逃げても襲ってくる。

このあたり、最後はどうなるのかと思っていたら、予告編でも「衝撃の結末」とか言っていたと思うのだが、何だかまったく予想もつかない、というより「こんな理由で、そこまでやるかね」ということだったので、ちょっと驚いた。

もちろん、いい意味ではなく「何じゃ、そりゃ!」という理由だった。

実は、この亡命騒ぎの1年以上前に、この諜報機関チームが旧KGBの潜伏先を急襲したのだけど、その時に殺害した若者が、実はロシアの権力者である女性の息子だったことから、この女性が諜報機関チームに復讐するために仕組んだ罠ということが最後にわかる。

だから、チームを襲ってきたのは、地元の警察だけでなく、ロシアから派遣されてきた組織なわけで、ではなぜチームの情報が筒抜けになっていたかと言うと、システム自体が乗っ取られていたからである。

そんなことにまったく気が付かないチームも、ノー天気だなあと言うしかない。

しかも、あろうことか亡命を依頼してきたリー・ノアーが、実はロシアのスパイだったことが、最後の最後にわかる。

そして、チームに指示を出していた司令部のトップであるビショップは、最後にロシアの組織に司令部を襲われて、全員殺される。

これこそが若者の母親が目標にしていたことらしいのだけど、そこでいくつか疑問が湧いてくる。

チーム自体を殲滅するつもりなら、なぜチームのリーダーである主人公シルバは始末しなかったのか。

チーム全体ではなく、チームに指示を出していたビショップだけがターゲットなのであれば、あそこまで壮大なお芝居をしなくても、いきなり司令部を襲えばいいだけの話。

しかも、リー・ノアーは空港へ行く途中で何度も襲われているし、リー・ノアー自身もチームのメンバーが襲われているところを助けたりしている。

そんな危険を冒してまでチームを騙す必要などないはず。

そして、最後にビショップが襲われた時、彼はリー・ノアーに対して「ヤツは3重スパイだったんだ」と言うのだけど、2重ならわかるが、どう3重になっているのか理解できなかった。

そのリー・ノアーも、最後アメリカに向かうはずの飛行機を乗っ取るのだけど、乗っ取っていったい何をしたかったの?

チームの生き残りの一人である女性諜報員は飛行機に乗っていたけど、主人公シルバは乗っていなかったのだから、彼の目的がよくわからない。

最初のうちは「この亡命希望者をいかにして空港まで連れていくか」がストーリーの肝だと思っていたのだけど、最後の最後に一気に話が変わってしまった。

こういうのは「ドンデン返し」とは言わないと思う。

しかも、中盤からは所々にシルバに対する取り調べのシーンが出てきて、空港までの脱出劇の一幕を説明しているのだけど、ずいぶんと冷静に説明しているシルバを見ると、実はスパイだったリー・ノアーに対する怒りは感じられなかったし、それでこれからどうするんだ、という彼の気持ちもくみ取れなかった。

結局のところ、この映画は何が描きたかったのかさっぱりわからず、母親の息子への復讐を果たすための壮大な茶番劇が演じられただけ、という印象しか残らなかった。

リー・ノアーを演じたイコ・ワイコフのアクションは切れっ切れだったし、全体的にアクションシーンは良かったのだけど、肝心のストーリーが意味不明だったので、見終わった後は何とも中途半端な気持ちになりました。

ということで、評価は「C」にします。


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