老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

    み~いつけた

2018-03-08 11:37:44 | 俳句


 そろそろ蕗の薹があるのではないかと、散歩コースを記憶の径へ。
あったあった。蜜柑の木の下に芽?だいぶ大きくなっているが見つかった。
径に沿った農家の蜜柑畑にそれは春を告げていた。

     🍒    蕗の薹記憶の径の木の下に

     🍒    杖の音鴨一斉に翔立てり

  

 仏の座が沢山咲いている。
畦径にそして休耕田に。
同じくペンペン草もそこここに咲いている。

     🍒    田平子や暗渠を水の迅る音

     🍒    仏の座紅く染めゐる休耕田

     🍒    風の筋低し三味線草の鳴る    
     

歩を進めると、犬ふぐりとたんぽぽが。
たんぽぽは茎が長く日本古来の種類ではないようだ。
春になってはじめて見つけた。

     🍒    倒れたる杖が拾へぬ犬ふぐり

     🍒    たんぽぽや片膝つきし畑の人

     🍒    たんぽぽに屈めば雲の影過る
        

 最近は杖をつかなければ散歩もままならぬようになっている。
杖が倒れた。拾うおうとしてしても腰をががめるのも難儀である。

    

一週間ほど前にこの辺りには猫柳があった筈と見当をつけて来たが見あたらなかった。
その猫柳があった。小さな木で短い枝が五~六本。そのうちの一枝にはもうほほけた花が。
触れてみた。うちの姫の尻尾より柔らかな感触がする。
傍らに土筆が。僅か五~六本。
目を凝らして歩くと、可愛い野の花を見つけることが出来た。

     🍒    をみなごが二人佇む猫柳

     🍒    猫柳紺のセーラー着納めに

     🍒    土筆野やまぼろしか婆の丸い背ナ
    
 

ミモザが咲いていた。日当たりの良い枝は花が丸く開ききっている。
北向きの花ままだ莟だ。

     🍒    黙々と轆轤を回す花ミモザ

     🍒    ミモザ咲く雀斑見つけし鏡かな 

昨日の一人吟行。
少し拾えたか?
何もかも忘れる事のできる散歩は良い。神経は痛い脚に集中をしている。  




  
コメント
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