老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

    🐕 ワンコに吠えられた

2018-03-26 13:40:29 | 俳句

         

散歩の途中、ある屋敷の菜園に大きな辛夷の木を見つけた。
15メートルはあるだろう。
少し日影の土地だ。梅は今が盛り、ピンク色をした木瓜、雪柳と辛夷の木。
辛夷を見上げると、未だ莟みで開いている花はまばらである。

    ☆    月夜なる千珠の辛夷吹かれたつ    石原八束

    ☆    夜も青空辛夷千手の拳開く    原子公平

木蓮も辛夷も、莟みの時は蝋燭のように天を仰ぎ咲かんとしている。
千珠のような辛夷が夜空に、、、
現在の俳人が詠む句も良いが、古い俳人の句にも味がある。
類想だ、類句だと我が結社では通らないが。

インターネットで直ぐに検索されることも無かった。総合誌で他の結社の句を読むことも少なかった。
率にすると古い人ほど有利だ。今よりか、言葉を自由に使えた。

しかしながら両句、発想が同じに思える。


畦径から辛夷の写真を撮る。
大きい木にまばらに花。近づいて開いた花を写そうとした。

           

 犬が吠える。
自分の家の畑の傍に不審な人物が。。。お利口だ。ちゃんと番犬の役目をはたしている。

       

 盛んに吠え続けるから、門構えの屋敷から主人とおぼしき方が出てきた。
「辛夷の木が見事だから、写真を撮らせていただいています」
「犬がやかましいものだから、すみませんね。どうぞごゆっくり」
と云って下さった。

それっきり犬は吠えるのを止めた。
大きなあくびをして、そっぽを向いてしまった。

 もちろん、こういう場合も、私は 殿 の事を偲んでいる。


     🍒     辛夷咲く丘飛行機の航路らし

     🍒     辛夷咲く山家の番犬よく吠へて   

     


コメント
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