老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

   姫ちゃん いっちゃった

2018-03-24 10:06:48 | 俳句
         まるで寝ているよう。寝息が聞こえそう。
「お早う姫ちゃん」と毎朝声をかける。
今朝も
「ニャーーー」と、上目づかいに私を見ながら、、、返事をしてくれそうだ。

         涙の跡があるように見える。泣き寝入りしているみたい。
昨日は、用事があり、徳島へ行った。
出かける時
「姫 行ってくるから、おりこうにしててよ」と声をかけた。

帰りの車の中で、思わず掌をあわせた。
夫が何?と聞くのから、
「姫が今朝は、スープを飲んだだけだから、早く帰って スープを飲ませたいから、元気でいててとお祈りしたの」
まさか、亡くなるとは思っていなかった。
体力が無くなり、食欲も無くなってはいたが、どうしてお祈りなぞをしたのか?
不思議だ。
死期が近づいてくるのは解っていた。
しかしそれは二か月先、一か月先、、、としか思っていなかった。
まだ、覚悟はしていなかった。

        一昨日の夜は、姫ハウスに入ったまま、私の膝の上にいた。
この時は膝の上で背を撫ぜてやる。
姫の体温は温かった。
そっと椅子から降ろし、ストーブの前に。
すぐそこに、死が待っているとは想像もしていなかった。

        外へ出て行って、ベランダで寝転がっていたのを夫は連れもどる。
徳島へ行く時間になっている。ベランダには自分で出て行った。
殿の犬小屋に近い、陽の当たる場所が好きで、そこから
「姫ちゃん、帰ってよ」と何度も呼ぶが帰らない。
夫が、身体を持ち上げて、部屋に入れる。


玄関を開けて、姫ちゃんの所へまっしぐらで行く。
うんちをしていて、
「おお姫ちゃん、おりこうだったね~」
と声をかける。
急いで空になっているスープの皿を洗って、スープを姫ハウスまで持って行く。
腰を落としたまま顔を持ち上げて、スープに口をつける。ほんのひと舐め。
「アァ~」「アァ~」「アァ~」と三回、声にならない声を発する。
そして姫ハウスから両手を万歳をするように外に出してそのまま冷たくなっていった。
夫は
「大好きな母さんが帰るのを待っていたんだよきっと」
と姫の事を云う。そうだろうか?そうだよねきっと!

ペットロスの日々が。
ブログに自分のペットの死を書くのはどうかと躊躇をしたが、私にとっては一大事件なのだ。
悲しい、辛い、寂しい、、、、

      🍒    恋もせず猫逝きにけり花の下

      🍒    猫の死に空っぽの宙春の風

コメント
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