老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

  ルリソウ  (瑠璃草)

2018-04-19 10:44:50 | 俳句

       

可愛い花を見つけた。
これぞ初めて目にした花だ。
羅生門に下って行く岨道で咲いていた。
昨日の雨で、ぬかるんだ岨道。
杖を突いてすべらないように、足元に注意をはらいながら、そろそろ下って行く。
そこで目にとびこんできたのが、この花。
直径は1センチくらい。
花弁は五枚。ピンクがあったり、薄紫がまぢっていたり、とにかく可憐でかわいい花。

        

今、身近な山野草の写真集を開いている。パソコンで調べた。
きっと「琉璃草」だ、、、とは思うけれど確信はない。

日も、めったに射さぬ木々の根方の枯葉の中から首をだして咲いていた。

ルリ色、琉璃色だ。
私に注意をはらって下さい。ここにいます、、、って感じで咲いていた。
一日のバスの旅。
私以外、山野草の写真を撮ったりせぬから、皆さんの足手まといにならぬよう、遅れないように、やっと不安定な足場で二~三枚の写真が写せた。

裏紅一華(一輪草)にこの琉璃草。
この山野草に出会えただけで、旅の目的を果たしたことに。
三連水車で少しがっかりをしたけれど、プラス、マイナス零の結果に。

時々の吟行は大切だ。そうだ。そんな事をつくづく感じた。


      ☆     琉璃草やしとしと曇る浅間山    前田普羅

歳時記にはこの 普羅の一句しか見つけることが出来なかった。

     
      🍒     琉璃草や転ばぬやうに下る途

      🍒     琉璃草や待てど暮らせど蝶の来ぬ

      🍒     琉璃草や小暗き森の真珠とも     

     

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   断捨離

2018-04-18 11:56:27 | 俳句

      

何日か。夫の実家のある街に行っている。
昨日は途中にある道の駅のダム湖に鯉のぼりが泳いでいるのを見た。
以前はここに温泉施設があり、賑わっていたが、今では閉館をし、売り館の看板が出ている。


実家に行く。父祖のお墓詣り。
この道を往くと、実家の街。帰る時は道の駅に寄りひと休みすれば、海の見える我が街へと帰心がはやる。

閉館をした、温泉施設の庭に著莪の花が咲いていた。
かたまって咲いている。改めて思うことは寂しい花だ。

      

今週いっぱいで、我が家は壊される。
壊されて更地になると、もう自分たちの土地でなくなる。
300床くらいの大きな病院があった。
そこが移転をし、跡地に文化ホールのような施設が建設されるそうだ。
そこの施設の駐車場に、我が家の土地は買われた。
相手は市。雀の涙ほどの土地代だが、もう誰も住まぬ家を手放す潮時だと夫が思い切って売った。
寂しいのは一番に夫と思うが、住むにはリホーム代がかかる。
持っていてもしょうがないと考えたのだろう。

実家に置いてある荷物が大変だ。
私の嫁入りの箪笥からはじまりピアノ、琴、ギター等々、全て断捨離をすることにした。

しかし、本箱七つ分の本が、、、、
手に取っているとどうしても捨てられぬ本ばかり。
息子が想い出の品を取りに来た。レコードや自分の本、数々の品を運んだけれど、まだまだ残っている。
最後に土曜日に本を運送屋に運んでもらう段取りをした。
断捨離の機会はこの時だとばかりと考えたが、胸の内は寂しさでいっぱい。

一度に解体をされてしまうのか?
不動産屋の若い青年が、欲しい物は貰ってくれるそうだ。
でも想い出と共に、家まで無くなる。

      
      🍒    著莪の花使われぬをらぬ露天風呂

      🍒    じつとしてをらぬ影なる鯉のぼり

      🍒    著莪の花亥の子餅売る道の駅   

      🍒    そのかみは帝の御所や著莪咲ける    




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     水車

2018-04-17 18:09:32 | 俳句

        

三連式の水車を見に行った。



   「寂しき春     室生犀星」

   したたり止まぬ日のひかり
    うつうつまはる水ぐるま
   あをぞらに
   越後の山も見ゆるぞ
    さびしいぞ

   一日もの言はず
     野にいでてあゆめば
   菜種のはなは波をつくりて
    いまははや
   しんにさびしいぞ

大きな水車と遅咲きの牡丹桜を見て、この詩が浮かんできた。
長い間、一度も思い出したことのない詩が突然、胸の中にあふれだした。

夫が云う。
藁葺の屋根と、水車、どこかで見た郷愁の景だねと。

      

三連の水車とは名ばかり。
一と所から、三連の水車は見えない。
名物に美味いもの無し、看板に偽りのある水車の風景であった。
が、さておいて、心が童心の頃の自分に甦ってゆく。
コトコト、コットンではなく、ザーザーと水車が飛ばす大きな水音と機会で回す水車の音は風情には程遠い。
しかし、それに余る、まな裏に浮かぶ、田舎の原風景だ。

町興しの為に住民が設えるたとか。
水車の前に立っている人と比べると、水車の大きさもわかる。

機械で持ち上げられた水が水車を回す。
その水が風に煽られて吹かれて、立っていると水飛沫となり、身体にかかる。
寒い、寒戻りの日だったから、なんと冷たかったことか。

犀星の詩のなんと素晴らしいことぞ。
詩の心が胸に沁みこんでくる。
老化一方の頭が久ぶりに瑞々しくなった。
詩と風景のマッチされたひと時を過ごすことが出来た。


       🍒     水車まはる音のひねもす紙漉場

       🍒     遅咲きの花の盛りや水車小屋

       🍒     一両電車春夕焼けの畑過る

       🍒     青々と水車の飛沫に杉菜闌け

       🍒     あっぱっぱの母がゐそうよ水車まふ    





 
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     一輪草

2018-04-16 10:55:46 | 俳句

         


その群生を見た時は、この花初めての花だが、何の花、、、が正直なところ。
ぬかるんだ径を、鍾乳洞へ降りて行く途中にあった。

         


 どの花も下へうつむいて、莟みから開きかけようとした花だった。
静かに恥ずかしそうに咲いている印象。
花の付根の後側は、ほのかに薄い桃色をしている。
ちなみに「裏紅いちげ 一花草」の名も持つ。


新しい?鍾乳洞は観光施設として、全国にある。(億単位の年月)
沖縄の鍾乳洞ガンガラーの谷、秋吉台の秋芳洞、四国の龍河洞、岩手の龍泉洞と主な鍾乳洞は旅の機会に見たことがある。

今回は鍾乳洞も古くなると壊れる、そして陥没をした後に残った天然の橋、羅生門を見学に。
その途中で一輪草に出会った。

         


一輪草はいつか見たい花と思っていた。
歳時記や花の写真で、名前は知っていたが、実物を目にするのは初めてだ。

 径の端に固まって、所々に咲いている。
どれもうつむき加減だ。

         

 悪いここと知りながら、一輪だけ摘んだ。

昨日は寒かった。バスは暖房が利いていて、私の手の平でみるみる、花が開きかけた。

スマホで調べると、まぎれもなく、一輪草だった。



        🍒     一輪草初恋に恋したやうな

        🍒     一輪草深山に残る轍あと

        🍒     誰待つとなくひそやかに一輪草

        🍒     一輪草踏みかためある杣の径 

        🍒     木末吹く風まだ冷た一輪草

        🍒     一輪草二タ面持てる吾が心

             

        

                     

        



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        もんぺ作り

2018-04-14 16:58:15 | 俳句

        

ああ、肩が凝った。
朝からせっせともんぺを作る。
前日、ワンピースを縫った、生地が少し余った。
もんぺにするに
は、1メートル程、生地が足らない。
手持ちの布を足して、一着が出来た。

とは云うものの、裾だけがまだ。
今日はもう飽きた。

       

スマホを入れるポケットを配色代わりに付けた。
まあ、上手く出来上がったかな。

明日はネッと句会の締切日。
ミシンを走らせながら考えたが、駄目だった。



       🍒     いつの間に柿は若葉に雨催ひ

ベランダに出ると、目に痛いほどの柿若葉。

       🍒     月朧ペットロスてふ病かも
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