Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

アフガン邦人医師殺害~ 9条は無力だった

2019-12-06 20:46:14 | 国際・政治

中央アジア・アフガニスタン国内にて、特に不毛とされる東部の農業振興と医療等に貢献された、中村 哲医師が正体不明の武装グループに殺害された。我々日本人視点からすれば、正に「無辜の方」が斃された訳で、謹んで一言の弔意を申す次第。又 長年に亘るアフガン国内の経済振興へのご貢献も、改めて敬意を表したい。

それを踏まえた上で、中村医師は 最近のアフガン国内の政情不安に留意されていたのだろうかとの疑問も残る。政府側と守旧的な反政府側「タリバーン(神学生を意味する現地語)」勢力との長年の軋轢は世界的に有名だが、加えて最近は 少し前に創始者討伐が行われた国際過激勢力「イスラム国 IS」の残存分子も複数潜入して、前述両勢力とも対立し アフガン国内情勢を危険かつ不安定にしていたとの指摘がある。或いは、中村医師のグループを襲ったのは この方面の連中たる可能性もあろう。現状は、政府側、タリバーン側の双方とも関与を否定している様だ。

中村医師の取り組まれた アフガン国内での農業などの経済振興支援は苦節の果ての素晴らしいものだったのは事実だが、同国内のイスラム勢力全てがこうした動きに賛同していた訳ではないとも言われる。特にイスラム国 IS派は今なお、イスラム勢力による世界征服の野望を捨てていないとされるのだ。中村医師は生前、日本国憲法第 9条の順守とアフガン国内の振興支援が各勢力の争いを平定した意味のお言葉を残された由だが、確かに政治勢力のあり様がアフガン政府側とタリバーン勢力の対峙だけだった頃は そのまま通じたかもだが、イスラム国 IS他の勢力が絡んでより危険度の増した情勢下では、果たして通じ得たのか?疑問が残る。9条のお題目だけではなく、具体的な備えを持った抑止力を伴ってこそ、中村医師の身辺の安全は守り得たのではないか。

既に亡くなられた後とあっては、あれこれ論じるのも余り意味はないかもだが、やはり 9条順守だけではお花畑的無防備の誹りを免れず、情勢の変化、特に悪化に備えた対応の変化も必要だったのではないか。事前に複数回の脅迫にも遭っていたとされる中村医師の身辺は それなりの警護も行われていただろうが、治安情勢分析などが適切だったのか、同医師の亡くなられた経緯などと共に、解明される事を強く望みたいものだ。

又 こうした事件が、我国の対外振興活動を委縮させる原因となってもいけない。保安面を含め、十分な見直しを行った上で安全に活動が行える状況とする事を目指して頂きたいものだ。その為にも、9条に固執する余りの安保軽視にはなって欲しくないと思う。むしろ 9条の呪縛から一歩でも踏み出した、相手方に一定の脅威ともなり得る抑止力の一定保持こそ、国防安保の他の問題同様 必要なのではないか。今回画像は、少し前にも載せた 熱田神宮近所を行く JR東海道線の大物貨物車回送の様子を。時に、陸自関連の輸送も担うらしいとの話も聞きました。

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