進行中の 北京冬季五輪も終幕に近づいた。審判のあり方や選手の薬物疑惑など 物議を醸す大会ではあったが、そんな中にあって我国選手団は誠実に全力を以て臨んだと感じる。贔屓あるは承知だが、拙個人は女子カーリング日本代表が 苦しみながらも決勝進出を果たした事を喜ぶ者だ。準決勝までで韓・英両国代表に連敗を喫した時にはどうなるかと少々気を揉みもしたが、そこからの反攻は素晴らしく、「銀」以上を決めた事を称えたい。願うべくは「金」だが、是非全力での悔いのない闘いを期待したい。
本題です。その曲がりなりにも「平和の祭典」の一方で、ロシア国による東欧ウクライナ情勢が不穏であるのは周知の通りだろう。今後の推移によっては、欧州のエネルギー事情に影を落とす可能性も指摘され、又 台湾を含む我国周辺の安保情勢とも無関係ではないだけに、注視の必要を感じる者だ。そうした海外の情勢にも対応しなければならなくなった立場の自衛隊。だから「必要な」海外活動には一国民市民としても その事への理解を深めねばとも思う所。以下 一昨日の産経新聞ネット記事 2件を引用しながら、少し考えてみたい。
「自衛隊のトンガ支援集結へ 飲料水や物資輸送」
岸 信夫・防衛相は 2/17、大規模噴火に見舞われた 南太平洋のトンガへ国際緊急援助活動として派遣した自衛隊の活動を集結するよう命じた。防衛相で記者団に述べた。岸氏は トンガ政府から高い評価と謝意が示されたと明らかにした上で「世界的な新型コロナ・ウィルス禍でも迅速かつ的確な支援を実施できた」と述べた。
海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」はこれまでも飲料水など計(約) 210トンの緊急援助物資を輸送した。3月上旬にも帰国する。C130輸送機 2機は飲料水や高圧洗浄機、缶詰など計(約) 17トンの物資を輸送し、既に帰国して待機していた。
岸氏は同日、C130が活動拠点にした オーストラリアのダットン国防相と電話で会談し謝意を伝えた。岸氏は「この地域の平和と安定に対する我国のコミットメント(「責任ある約束」の意) を行動で示すものとなった。最前線で担った隊員諸君は誇りだ」とも述べた。(前半引用ここまで)
「陸自、インドと共同実動訓練へ 初の市街地戦闘」
陸上自衛隊は 2/17、インド陸軍との実動訓練「ダルマ・ガーディアン (DG)21」を 同国南西部のカルナータカ州で 2/27~ 3/10 に行うと発表した。同訓練は今年で 3回目だが、初めて屋内での戦闘射撃など高度な戦闘訓練を日印共同で行う。
ダルマ・ガーディアン21 には 陸自側から第 30普通科連隊約 40人、インド側から第 15マラサ軽歩兵大隊約 40人が参加。インド軍の対テロ硬度訓練を可能とする訓練施設を使用し、屋内での戦闘射撃のほか、ヘリコプターからの降下に続く市街地戦闘を 日印共同で初めて行う。
同訓練は 2018=平成 30年、2019= 令和元年にも行ったが、これまではジャングル戦など屋外での訓練だった。陸自には インド太平洋地域で重要性を増す インドとの防衛協力を一層進める狙いがある。(後半引用ここまで)
前半引用、先般のトンガ国大噴火災害向けの緊急支援物資輸送は 新型感染症禍の難しい状況下でもあっただけに、これまでにも増しての労いを申したい。そうは申しても課題や改善点もそれなりだろうから、そこの所は常に向き合い、より的を射た精度の高い支援のあり方を目指して頂きたいものだ。
後者の実動訓練は、相当に相手国と共同で行う内容が進んでいる様で 少々驚いてもいる所だが、冷静に向き合えば安保上必要な範囲の事。外国部隊との共同訓練に必要なのはやはり「連携」だろう。考えたくはないが「初めての取り組み」は我国内でもいずれ必要となる可能性もある。国対国でなくとも、テロ勢力によるインド国現地での襲撃リスクもゼロではなかろう。訓練は今月下旬からの予定だが、陸自各位には 安全に留意しつつインド軍との共同訓練が実り多いものとなる事を祈念したい。
後者の動きは、やはり昨年までに明らかになった「自由で開かれたインド太平洋地域」実現を目指す 日・米・豪・印 4カ国による戦略対話「クアッド」の一環でもあろう。我国の身近では沖縄・尖閣諸島辺りで引き続いての問題たる 中国大陸による無理筋の海洋政策への健全な牽制にもなり得るし、何よりも中東発の我国向け石油エネルギーの安全安定輸送に資する「シーレーン防衛」の課題に応える効果も望めよう。緊急時の対外支援、安保面での「必要な」外国軍との連携協力、どちらもこれからの自衛隊にとり 正面から取り組むべき大きなテーマと心得、国民市民の立場からも理解を深めたく思う。反自衛隊志向の 左派容共連中には「発狂もの」かもだが。今回画像も以前ので恐縮。当地北郊・稲沢市内にて捉えた、三重県下に揚陸された燃料を長野県下へと送る 燃料輸送列車の様子を。